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中地震は地震の「大きさ」を表す用語です。似た用語に「大地震」があります。今回は、中地震の意味、震度(揺れの大きさ)との関係、マグニチュード(地震のエネルギーの大きさ)との関係、大地震との違い、建築基準法との関係について説明します。
なお地震力の大きさについては下記が参考になります。
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中地震は、
のことです。
また中地震のことを、
ともいいます。両方とも同じ意味です。このように、建築基準法では中地震を「震度」や「マグニチュード」で表すことはありません。※中地震と震度、マグニチュードとの関係は後述します。
地震力に限らず、建築物は外力の大きさを、災害の再現期間(何年に1度起きるのか)に応じて2段階に設定しています。
中地震とは、稀に発生する地震に該当し、建物の耐用期間年数に1~2度経験する地震と言えるでしょう。一方、大地震は「最大級の地震」で建物の耐用期間中に1度経験するかもしれない地震です。
さて、中地震の定義は、「50年に1度発生する地震」で、具体的な大きさではありません。これでは建物の設計ができないので、「標準せん断力係数」という値が定義されています。
中地震の大きさは、過去の地震を元に標準せん断力係数Coで表します(カッコ内に対応する加速度galを示しました。加速度は、建物に生じる値です)。Coを下記に示します。
Coは建物に作用する地震力と大きく関係します。簡単に言うと、Coが大きいほど、地震力も大きくなります。つまり中地震と大地震では、5倍も地震力の大きさが違う、ということです。
※標準せん断力係数は下記が参考になります。
また地震力は、建物の重量に比例します。
中地震(Co=0.2)では、
といえます。
では中地震と震度の関係はどうなんだ、と思いますよね。実は、
です。「全く関係ない」とはいいませんが、「直接関係する」ともいえません。ですが、敢えて中地震時の震度を示すなら、
です。
建築基準法で中地震の標準せん断力係数が規定されています。このCo=0.2時の加速度は、80~100gal程度です。加速度80~100gal時の震度は、気象庁のサイトで確認できます(http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/kyoshin/kaisetsu/comp.htm)。
これによると震度5弱~5強程度になるわけです。ただし、震度と加速度の関係は周期によって大きく変わります。周期は建物や地盤により異なるので、一概には言い切れません。
中地震とマグニチュードの関係も、関連付けることが難しいです。マグニチュードは、地震自体の大きさを表します。
一方中地震は、「建物に生じる」標準せん断力係数、加速度が定義されます。地震自体の加速度と、建物に生じる加速度は違います。
また、マグニチュードが大きくても、加速度が小さい場合もあるし、逆にマグニチュードに比べて加速度が大きいこともあります(詳細は気象庁などに書いてあります)。
例えば東日本大震災ではM9で、最大加速度2700gal(宮城県栗原市)ですが、建築物自体に大きな被害は生じていないそうです(建築物の構造関係技術基準解説書より)。これは、建物に生じる加速度は小さいことを意味します。
と考えましょう。一方は地面、もう一方は建物を対象とした用語なので、関連付けが難しいのです。
前述したように、中地震と大地震は再現期間の違い、標準せん断力係数の違いがあります。下記に示します。
今回は中地震について説明しました。中地震の意味が理解頂けたと思います。一般の方は震度、マグニチュードを中地震と関係づけて考える傾向にあります。しかし、これらの相関は無いので注意しましょう。建物の設計をするとき重要なのは、地震による加速度や、地震による力(地震力)と覚えてください。下記も併せて学習しましょう。
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