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エレクションピースとは?柱継手の仮固定・役割と施工後の処理

この記事の要点

エレクションピース=柱継手の突合せ溶接前に位置ずれを防ぐ「仮止め」用のプレートとボルト

長い柱(例:5階×3.0m=15.0m)はトラック運搬が困難なため継手が必要になる

溶接前に2本の柱をピッタリ合わせて固定する押さえがエレクションピースの役割

突合せ溶接後は撤去し、グラインダーで仕上げる

この記事では、エレクションピースとは何かを整理します。

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エレクションピースとは何のために必要かご存じでしょうか。初めて聞く人、納まりを知らない人にとっては呪文のような言葉です。しかし意味を理解すれば、なんてことはありません。ごく単純な理由でエレクションピースが必要になっているのです。

今回は、エレクションピースが必要な理由と納まりについて説明します。鉄骨の継手は、下記の記事が参考になります。

鉄骨の継手とは?高力ボルト・溶接による設計と保有耐力接合・SCSS-H97

柱は継手が必要になる

エレクションピースを理解するには、柱継手がなぜ必要か理解しておきましょう。例えば5階建ての鉄骨造を考えてください。階高は一般的に3.0mですから3.0×5=15.0mの柱が必要です。※階高については、下記が参考になります。

階高とは?どこからどこまで?構造階高・天井高との違いをわかりやすく解説


これほど長尺な柱になると、柱を工場で製作して現場までトラックで運ぶ際、荷台に入らないのです。つまり運搬できません。


これは梁も同様なことが言えます。よって柱や梁には継手が必要です。要は、長い柱を小分けに分割して運び、それらを現場で組み立てるイメージです。


エレクションピースは、この柱継手に必要です。

柱の建て方精度を出すためにエレクションピースが必要になる

では、なぜ柱継手にエレクションピースが必要だと思いますか?順を追って説明します。


分割した柱を一体化させるためには、「突合せ溶接」が必要です。突合せ溶接をすることで、2つの柱は1つの柱のように剛とできます。これを剛接合と言います。※突合せ溶接、剛接合の詳細は下記が参考になります。

溶接の種類と、隅肉溶接、突き合わせ溶接の特徴

剛接合とピン接合の意味と、納まりと構造性能の違い


但し、当然溶接する前は互いにバラバラの柱なので、同じ位置に合わせて溶接するために、押さえが必要です。

もし鉛筆が2本あるなら用意してください。

鉛筆の尖っていない部分合わせてピッタリと1つにできますか?手で抑えていないと、鉛筆の断面をピッタリと合わせられませんよね。


鉛筆を手で押さえておく役割、つまり、溶接する前に2つの柱をずれの無いよう留めておく「仮止め」のガセットプレートを、エレクションピースと言います。

エレクションピースはあくまでも仮止めです。

2つの柱は突合せ溶接により一体化させるので、溶接後のエレクションピースは撤去します。

※ガセットプレートについては、下記が参考になります。

ガセットプレートとは?目的・厚みの決め方・スプライスプレートとの違い

エレクションピースの納まり

次にエレクションピースの納まりについて説明します。下図をみてください。これはごく一般的な柱継手の納まりです。※納まりの意味は下記が参考になります。

建築の納まりとは?意味・図面での表し方と勉強方法・おすすめ本


エレクションピース1

上図の下の絵は、立面的に描いていて、2つの柱の横にプレートとボルトの絵が見えます。これがエレクションピースです。また上の断面図をみると、鋼管の四方にそれぞれプレートが付いていて、さらにプレートで抑えてボルトで締めています。


以上のように現場で仮止めを行った後、現場溶接を行います。図面に描いてあるように、エレクションピースは撤去し、グライダーで綺麗に仕上げます。

混同しやすい用語

ガセットプレート

部材の接合に用いる鋼板で構造体の一部として残る。

エレクションピースは突合せ溶接後に撤去する仮設的な部品であり、永続的に存在するガセットプレートとは用途が異なる。

継手(つぎて)

柱や梁を分割してつなぐ接合部全体を指す。

エレクションピースは継手の一要素であり、溶接前の位置ずれを防ぐための仮止め部品にすぎない。

試験での問われ方|管理人の一言

エレクションピースは「仮止め」であり、溶接後は必ず撤去します。

取り外さずに残すと構造的な弱点になるため注意が必要です。

納まりでは鋼管の四方にプレートを配置しボルトで抑える形が一般的で、溶接後にグラインダーで綺麗に仕上げます。(一級建築士 頻出:エレクションピースは溶接仮止め用で溶接後は必ず撤去することが施工試験で繰り返し出題)

エレクションピースを整理した表を示します。

項目内容補足
役割柱継手の突合せ溶接前の仮止め位置ずれを防ぐガセットプレート
取り付け方鋼管四方にプレート+ボルト締め溶接前の仮設的な部品
撤去タイミング突合せ溶接完了後に撤去グラインダーで仕上げ

まとめ

今回はエレクションピースについて説明しました。

「柱継手の仮止めに必要なプレートやボルトのこと」だと1度理解できれば忘れないと思います。

柱が長く運搬が困難である箇所には必ず柱継手が必要です。

柱継手が必要な箇所にはエレクションピースが必要だと覚えておきましょう。

柱継手に関しては、下記の記事も併せて参考にしてくださいね。

scss-h97とは?1分でわかる意味、目的、梁継手、柱継手、保有耐力接合

メタルタッチとは?1分でわかる意味と継手の構造

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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