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メタルタッチという用語をご存知でしょうか。メタルタッチは鉄骨柱の継手部に用いられる接合方法の1つです。メタルタッチは通常使用しない接合方法ですが、ある条件を満たすと使うことができます。今回は、メタルタッチ継手の意味と、メタルタッチの構造について説明します。※鉄骨造の継手は、下記が参考になります。
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メタルタッチとは、鉄骨部材の接触面だけで力を伝達する方法です。下図を見てください。柱に継手を設けると、AとBのように2つの柱になります。柱には曲げモーメント、せん断力、軸力が作用します。
このとき、柱に圧縮力しか作用しない条件であれば、溶接は必要なく、せん断力を伝達するプレートがあれば、あとは単純に上から下へ力を流すだけで良いのです。※圧縮力、せん断力、軸力については、下記が参考になります。
せん断応力とは?1分でわかる意味、公式と計算法、記号、平均せん断応
軸方向力とは?1分でわかる意味、読み方、軸力との違い、求め方、圧縮
ただメタルタッチは、柱に圧縮力しか作用しないこと及び精密加工が必要のため、特殊な条件下でしか使われません。メタルタッチは、建築基準法により後述の条件で使用が許されています。※一般的な柱継手は下記が参考になります。
メタルタッチは、建築基準法により下記の条件で利用可能です。
柱の端面を削り仕上げとし、密着する構造とした継手又は仕口で引張り応力が生じないものはその部分の圧縮力及び曲げモーメントの4分の1(柱脚部においては、1/2)以内を接触面から伝えている構造とみなすことができる。
前述したように、柱には曲げモーメントと軸力が作用します。曲げモーメントは中立軸を境に、圧縮力と引張力が発生します。また軸力は、長期では圧縮力、地震時では圧縮力または引張力が作用します。これらの応力を組み合わせた結果、圧縮力しか作用しなければ、メタルタッチとできるのです。
簡単に言えば「長期荷重が大きい柱」はメタルタッチにできます。一方、長期荷重が小さい場合、地震力による引張軸力が大きくなるため、メタルタッチでは力を伝達できないでしょう。
下図は、柱に作用する曲げモーメントと、軸力の組み合わせ応力です。
このような応力状態になれば、メタルタッチが使えます。くどいようですが、メタルタッチは溶接を行わず、鉄骨の接触面で力を伝達します。
2つの柱は一体ではないので、引張力が作用すれば離れてしまいます。ですから引張力の作用する柱では、メタルタッチは使えないのです。
構造設計の実務では、メタルタッチをあえて利用する機会はほとんどありません。柱継手は突き合わせ溶接で一体化あるいはプレートによる一体化をすべきでしょう。
今回は、メタルタッチについて説明しました。メタルタッチの意味がわかって頂けたと思います。メタルタッチは工場製作での精密加工を必要とするため、あまり使われない方法です。ただ一級建築士の試験問題では出題されることもあります。知識として覚えておくと良いでしょう。柱継手や剛接合、ピン接合の違いも理解してくださいね。下記が参考になります。
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