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鉄骨の継手とは?1分でわかる意味、保有耐力接合、計算、scss-h97との関係

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鉄骨の継手は、2つの部材を一体化するために剛接合(一般的に、高力ボルト摩擦接合)した部分をいいます。※なお、鉄筋コンクリートの鉄筋継手は、鉄骨の継手と少し意味が違います。鉄筋の継手は、下記の記事が参考になります。

継手ってなに?鉄筋継手の種類と、鉄筋の重ね継手長さ

今回は、鉄骨の継手の意味、保有耐力接合、計算法、scss-h97との関係について説明します。保有耐力接合は下記の記事が参考になります。

接合部の保有耐力接合と計算方法

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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鉄骨の継手とは?

鉄骨の継手は、2つの部材を一体化するために剛接合した部分をいいます。普通、高力ボルト摩擦接合で剛接合した箇所をいいます。※剛接合は下記の記事が参考になります。

剛接合とピン接合の意味と、納まりと構造性能の違い


下図をみてください。これが継手です。

継手

継手は主に、大梁に設けます。鉄骨造の大梁は、スパンが長いので運搬することができません(鉄骨部材が長すぎると、トラックに積めない)。そこで、仕口部を含めた鉄骨大梁を運搬可能な長さとし、残った大梁と別々に運んで、両者を現場でボルト締めをします。

仕口部と継手


つまり、継手は「施工上、運搬上、必要な接合部」です。

鉄骨の継手と保有耐力接合

構造計算では、継手関係無しに1本の部材として検討します。継手は必ず一体化するよう剛接合します(元々1本で計算しているのに、実際の部材が2本に分割され、不十分な接合では困りますね)。


そこで継手は、「保有耐力接合(保有耐力継手)」とします。これは、「母材の耐力より、継手部の耐力を大きくする」ことです。※母材は下記の記事が参考になります。

母材とは?1分でわかる意味、材料、溶接、鉄骨との関係、対義語

母材より継手の耐力が大きければ、2つの部材は一体化されている、と言えますね。検討法は、鋼構造接合部指針やscss-h97がおすすめです。

鉄骨の継手の計算

継手は保有耐力継手とする計算をします。詳細は前述した書籍がおすすめです。さて、継手の耐力は、

を合計した値です。高力ボルトの本数を増やせば、耐力は増えます。スプライスプレートの厚みを大きくしてもOKです。※スプライスプレートは下記の記事が参考になります。

添え板とは?1分でわかる意味、厚み、材質、記号、ガセットプレートとの違い


母材耐力は、母材の断面により変わります。母材断面が大きいほど、継手の高力ボルト本数やプレートが厚くなります。

鉄骨の継手とscss-h97の関係

鉄骨の継手耐力は計算が面倒なので、普通は計算しません。代わりに、scss-h97という書籍を使います。


scss-h97は、保有耐力継手となるよう「母材の断面、級など」ごとに、高力ボルト本数やプレート厚、幅が明記された本です。


実務では、scss-h97を読み取り対応する継手を図面に表現します。鉄骨造を設計するとき、scss-h97は本当に良く使います。

まとめ

今回は鉄骨の継手について説明しました。意味が理解頂けたと思います。鉄骨の継手は、なぜ必要か理解してくださいね(施工上、運搬上の理由でした)。また、継手は保有耐力継手とすること、実務ではscss-h97を使うことも併せて覚えたいですね。

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