この記事の要点
建築構造用圧延鋼材(SN材)は、塑性変形能力と降伏比が規定された建築物の主要構造部材専用の鋼材である。
SN400A・B・C、SN490B・Cの使い分けは、溶接性と厚さ方向の伸び能力の有無によって決まる。
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建築構造用圧延鋼材とは、建築物の構造材に使うことを想定し、塑性変形能力を確保した鋼材です。降伏比の規定、降伏点の上限が規定されます。近年は、建築構造用圧延鋼材の流通も多く、コストも下がっています。軽微な建築物以外は、大梁や主柱などを建築構造用圧延鋼材とします(柱はH形鋼の場合など)。今回は、建築構造用圧延鋼材の意味、種類、読み方、特徴、記号について説明します。※塑性変形能力、降伏比の意味は下記の記事が参考になります。
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建築構造用圧延鋼材は、建築物の構造部材に使う鋼材です。建築物の主要な柱や大梁は、地震時のエネルギーを、「部材の塑性化」によって吸収します。よって、構造部材は、所定の塑性変形能力が必要です。建築構造用圧延鋼材は、塑性変形能力の高い鋼材で、主柱や大梁に採用されます。※塑性変形能力の意味は、下記の記事が参考になります。
建築構造用圧延鋼材は、「けんちくこうぞうようあつえんこうざい」と読みます。
建築構造用圧延鋼材には、下記の種類があります。
・SN400A
・SN400B
・SN400C
・SN490A
・SN490B
・SN490C
SN400A材は、溶接性の悪い鋼材です。主に小梁などに使います。SN400B、SN400Cは溶接性に優れています。※SN400Aの詳細は、下記が参考になります。
SN400Bは大梁や主柱などの、主要な部材に使います。柱や梁は地震エネルギーを、塑性化して吸収することを想定します。その設計方針に合った、SN400Bを使いましょう。
SN400Cは、ダイアフラムに使います。ダイアフラムは、厚さ方向に引張力が作用します。SN400Cは厚さ方向の伸び能力を高めた鋼材です。※厚さ方向の伸び能力は、絞り値の規定が関係します。下記が参考になります。
板厚方向とは?1分でわかる意味、絞り値、ラメラテア、引張力との関係
各SN材の規格は、下記が参考になります。
SN400Bとは?1分でわかる規格、SS400との違い、重量、H形鋼との関係
SN490Cとは?1分でわかる規格、厚さ、重量、特徴、SN490Bとの違い
なお、SN490材は降伏点、引張強度共に高いので、大きな応力が作用する部材に使います。
建築構造用圧延鋼材の特徴は下記です。
・塑性変形能力に優れている
・降伏比の規定がある
・降伏点の上限が規定される
建築物の構造設計では、地震時に、部材の塑性化によるエネルギー吸収を想定しています(構造計算ルート3の場合)。詳細は、下記が参考になります。
建築構造用圧延鋼材の記号は、「SN」と書きます。「SN」の後に数字が続き、引張強度の値を示します。
混同しやすい用語
SS材(一般構造用圧延鋼材)
SS400など一般構造用圧延鋼材は降伏比・降伏点上限の規定がないのに対して、SN材は降伏比と降伏点上限が規定されており、塑性変形能力が保証されている点が異なる。
建築構造用圧延鋼材の種類と用途を整理した表を示します。
| 種類 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| SN400A | 小梁 | 溶接性やや劣る |
| SN400B | 大梁・主柱 | 降伏比規定あり・溶接性優れる |
| SN400C | ダイアフラム | 板厚方向の伸び能力確保 |
今回は建築構造用圧延鋼材について説明しました。意味が理解頂けたと思います。建築構造用圧延鋼材は、建築物の構造材に使うことを前提に、塑性変形能力を高めた鋼材です。降伏比や降伏点の上限の規定があります。建築構造用圧延鋼材の意味、特徴を覚えてくださいね。また、一般的に使う建築構造用圧延鋼材の種類も覚えましょう。Sn400やsn490の特徴は、下記の記事が参考になります。
SN400Bとは?1分でわかる規格、SS400との違い、重量、H形鋼との関係
SN490Cとは?1分でわかる規格、厚さ、重量、特徴、SN490Bとの違い
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では、SN材の特徴(降伏比の規定、降伏点の上限規定)とSN400A・B・Cの使い分けが頻出。ダイアフラムにはSN400Cを使う理由(板厚方向の伸び能力)も問われやすい。