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長期荷重とは、長期間にわたり作用する(建物が存在し続ける限り作用するような)荷重です。長期荷重には固定荷重と積載荷重があります。固定荷重は建物そのものの重さ、積載荷重は居室にいる人、物品の重さです。今回は、長期荷重の意味、種類と計算、短期荷重との違い、短期荷重と長期荷重の安全率について説明します。短期荷重の詳細は下記が参考になります。
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長期荷重とは、長期間にわたり作用する(建物が存在し続ける限り作用するような)荷重です。長期荷重の種類は下記の2つがあります。
・固定荷重 ⇒ 建物の重さそのもの(自重)。柱、梁、壁の自重、仕上げ材(フローリング等)、建具(窓など)の自重等。荷重の作用する位置、大きさが固定された荷重
・積載荷重 ⇒ 人や物品の重さ。位置や大きさは変動する荷重のため、各規準を参考して居室の用途に応じた荷重を設定する
固定荷重、積載荷重の大きな違いは「固定荷重は大きさ、位置が動かないが、積載荷重は大きさ、位置が変動する」点です。よって、固定荷重は材料の密度、断面から平米荷重が算定できますが、積載荷重は各種規準による値を参考にした上で、居室の用途に応じて実況に応じて設計者が設定します。参考として建築基準法施行令第85条の積載荷重の表を下記に示します。
上表の積載荷重には「床・小梁用」「大梁、柱、基礎用(架構用)」「地震用(建物全体用)」の3つの値が設定されており、いずれの居室でも力の大小関係は必ず
・「床・小梁用」>「大梁、柱、基礎用(架構用)」>「地震用(建物全体用)」
となります。つまり、床・小梁用が最も大きく、地震用の値が最も大きくなります。これは、積載荷重の集中度合いを反映しています。小梁や床の上には家具などの物品や人の重さが直接作用します。場合によっては人が密集したり、家具をある場所に偏らせて配置することもあるでしょう。よって、床・小梁には非常に集中した積載荷重が作用する可能性があるため、大きな数値が設定されています。
一方、地震力は「建物全体」に作用する力であり、仮に積載荷重が居室のある範囲に集中していても、していなくても関係なく「同じ力」が作用します。
大梁や柱、基礎などで構成される「架構」には、小梁や床から力が伝達されます。よって、床や小梁のように直に人や物品の重さを支えるよりも「集中度合いは緩和されて(均されている)」おり、「床・小梁用と地震用の中間程度の値」が設定されています。
なお、前述に無い居室の積載荷重は、荷重設計指針、国土交通省等の資料、実況に応じて計算等により設定します。固定荷重は計算により算定できます。例として、下図に示す鉄筋コンクリートスラブの固定荷重を計算します。
スラブ厚が150mm、鉄筋コンクリートの単位体積重量は24kN/m3です。さらに、スラブ上にコンクリートの増し打ちが10mmあります。よって固定荷重は
・0.15m×24kN/m3+0.01m×23kN/m3≒3.83kN/m3
のように算定されます。なお、上記の値は適宜計算しやすい数値に丸めて用いても良いでしょう(3.83kN/m3 ⇒ 3.9kN/m3など)。
固定荷重、積載荷重の詳細は下記も参考になります。
長期荷重と短期荷重の違いを下記に示します。
・長期荷重 ⇒ 建物が存在する限り作用する(長期間にわたり作用する)荷重。たとえば、建物の重さそのもの(自重)や建物を使用する人、物品(家具など)など重さが長期荷重に相当する。
・短期荷重 ⇒ 短期的に作用することが想定される荷重。地震、台風、大雪による荷重など。短期荷重は1年に1度あるいは10年、100年、数百年で1度の頻度と、ごく短期的に発生する。
短期荷重と長期荷重の安全率の違いを下記に示します。
・短期荷重の安全率 ⇒ 1.0(※安全率を考慮しない)
・長期荷重の安全率 ⇒ 1.8(木材)、1.5(鋼材)、2.0(コンクリート)
安全率の詳細は下記も参考になります。
今回は、長期荷重について説明しました。長期荷重とは、長期間にわたり作用する(建物が存在し続ける限り作用するような)荷重です。長期荷重には固定荷重と積載荷重があります。固定荷重は建物そのものの重さ、積載荷重は居室にいる人、物品の重さです。短期荷重、固定荷重の詳細など下記も勉強しましょう。
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