この記事の要点
四分割法とは、木造建築物の地震時の耐震性を確認する方法の1つです。
鉄骨、RC造で行われる構造計算の「簡易版」と考えてください。
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四分割法とは、木造建築物の地震時の耐震性を確認する方法の1つです。鉄骨、RC造で行われる構造計算の「簡易版」と考えてください。四分割法は簡単なので、構造設計者以外でも扱える便利な検討法です。今回は、四分割法の意味や計算法、壁充足率、壁率比の算定法、偏心率との関係について説明します。
偏心率の意味は、下記が参考になります。
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四分割法は、地震時の耐震性を確認する検討法の1つです。具体的には、下記の流れで検討を行います。
四分割法によれば、建築物の長さの1/4より内側の耐震壁は、耐震性に全く寄与しないことが分かります。
四分割法の目的は、
です。よって、偏心率が0.3以下であることを構造計算で確認した場合は、四分割法の検討は不要となります。
四分割法の具体的な計算法は後述しました。
四分割法は「しぶんかつほう」又は「よんぶんかつほう」といいます。また四分割法は通称です。平12建告1352号では「木造建築物の軸組の設置の基準を定める件」としか、明記されていません。
四分割法の計算法を、例題を通して説明します。下図をみてください。
上図の整形な平屋建て建築物があります。屋根は金属板、長辺は20m、短辺は10mです。耐力壁は赤線部分とし、壁倍率は1.0とします。四分割法を用いて、壁率比を計算してください。壁倍率の意味は、下記が参考になります。
壁倍率とは?1分でわかる意味、筋交い、一覧、土壁の値、石膏ボード
まず必要壁量を算定します。必要壁量は下式によります。壁量の意味は、下記が参考になります。
壁量とは?1分でわかる意味、読み方、計算、バランスと偏心率、壁倍率
側端部分とは下図の赤い箇所をいいます。例えば長辺方向の側端部分の床面積は、
です。同様に計算して、短辺方向は
です。短辺、長辺共に同じ値となりました。実は、必要壁量はX,Y方向で全く同じになります。上式を見比べると、「1/4」が長辺にかかるか、短辺にかかるかの違いだからです。
次に、令46条4項表一の数値を確認します。この数値は、屋根葺き材や壁材の種類、階数によって該当する値を読み取ります。今回は、「金属屋根」「平屋建て」というキーワードから、「11cm/㎡」という数値だとわかります。※実際に確認してみましょう。
以上より、必要壁量は下記です。
存在壁量は下式を合計した値(側端部分に限る)です。
壁倍率は、耐力壁の強さとお考えください。具体的には、令46条4項表一に規定される数値で、耐力壁の種類など(筋交いの太さなど)で変わります。
今回は、壁倍率=1.0です。よって、側端部分の耐力壁の長さを拾い、合計すれば良いです。※一級建築士の学科試験では、こういった問題が度々出題されます。
存在壁量は問題の図を確認します。
建築物の平面を、各方向で四分割すると全部で4つの側端部分ができます。短辺、長辺に分けて側端部分の存在壁量を確認します。
・6m
・4m
・10m
・6m
ここまで計算すれば、後は簡単です。壁充足率は下式で計算します。
ただし、各方向で側端部分は2つあるため存在壁量も大小の2つです。各方向の壁充足率は下記です。
・6m/5.5m=1.1
・4m/5.5m=0.72
・10m/5.5m=1.8
・6m/5.5m=1.1
壁率比は、下式で計算します。
各方向の壁率比は下式です。
・0.72/1.1m=0.65 > 0.5
・1.1/1.8m=0.61 > 0.5
以上、壁率比の算定ができました。実は壁率比は、必要壁量が分からなくても計算可能です。下式をみてください。
本式の各値を、A~Cに置き換えました。AとBは、下式から計算しましたね。
ここで必要壁量Khは、AとBの共通した値です。よって、下式のように置き換え可能です。
つまり、壁率比は存在壁量の比率で計算できます。一級建築士試験では、必要壁量が算定できないケースもあります。パニックにならず、「存在壁量が分かれば、壁率比は計算可能」と思い出しましょう。
さて、壁率比は下記の値でした。壁率比は0.5以上確認できればOKです。今回は、両方向ともOKになりました。
・0.65 > 0.5
・0.61 > 0.5
なお、壁充足率が1を超える場合、壁率比の計算は省略できます。
建築物は整形な方が珍しいですね。平面が不整形な場合、四分割法の側端部分は下図のように考えます(図は建築物の構造関係技術基準解説書p.120より)。
側端部分の考え方で結果が大きく違います。間違えないよう注意しましょう。
不整形な立面の場合、側端部分は下図のように考えます(図は建築物の構造関係技術基準解説書p.120より)。
階数が異なる場合、側端部分ごとに階数を考えます。例えば2階建ての1階部分は、二階建てとして必要壁量を計算します。
根拠・参考
実務では、設計条件・仕様書・適用する規準により確認してください。
混同しやすい用語
壁充足率と壁率比
壁充足率は「存在壁量÷必要壁量」で各側端部分ごとに算定する値で、壁率比は「壁充足率の小さい値÷大きい値」でバランスを確認する値です。試験では両者の定義と計算式を混同しやすいため注意が必要です。
四分割法と偏心率
四分割法は木造建築物の耐力壁のバランスを簡易的に確認する方法で、偏心率は重心と剛心のずれを構造計算で確認する指標です。偏心率0.3以下が構造計算で確認できれば、四分割法の検討は不要になります。
四分割法を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 壁充足率 | 存在壁量 ÷ 必要壁量 | 各側端部分で算定 |
| 壁率比 | 壁充足率(小)÷ 壁充足率(大) | 0.5以上であること |
| 偏心率との関係 | 偏心率0.3以下なら四分割法不要 | 構造計算での確認が前提 |
今回は四分割法について説明しました。四分割法の意味、計算法が理解頂けたと思います。計算式自体は簡単です。注意したいのは、「側端部分」の考え方です。平面や立面が不整形になると、側端部分の取り方も変わります。下記も併せて勉強してくださいね。
壁量計算と構造計算の違いは?1分でわかる意味、違い、木造、4分割法との関係
壁量とは?1分でわかる意味、読み方、計算、バランスと偏心率、壁倍率
壁倍率とは?1分でわかる意味、筋交い、一覧、土壁の値、石膏ボード
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
四分割法に関する問題は建築士試験の構造分野で出題されます。定義と計算の両面から理解しておきましょう。
試験では剛性率(各階の剛性の均一性)と偏心率(重心と剛心のずれ)の計算と判定基準が出題されます。
「剛性率:0.6以上」「偏心率:0.15以下」という基準値を理解し、計算の流れを整理しましょう。