この記事の要点
木造建築の耐震設計では「壁量計算」が基本です。
建物の床面積と地域の地震力に応じた「必要壁量」を計算し、実際に配置した耐力壁の合計(有効壁量)が上回っているかを確認します。
バランス(偏心率)も重要です。
このページでは壁量の意味・読み方・計算式・壁倍率との関係と、偏心率の考え方を解説します。
木造では壁の長さに壁倍率を乗じて壁量を求めるが、壁量の多さだけでなく配置バランスも重要で、偏りが大きいと偏心率が悪化し耐震性能に影響する。
この記事では、壁量とは何か、壁倍率とどう関係するのか、壁量はどう計算するのかを整理します。
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壁量とは、耐力壁の量を意味します。
木造建築では、耐力壁の長さに壁倍率を掛けた値を集計し、壁量とします。
鉄筋コンクリート造では、柱や壁の断面積を集計し、所定の計算を行い壁量とします。
今回は、壁量の意味、読み方、計算、壁量のバランスと偏心率、壁倍率との関係について説明します。
木造建築での必要壁量と存在壁量の求め方は、下記が参考になります。
四分割法とは?壁充足率・壁率比の計算と偏心率の確認方法(木造の簡易耐震計算)
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壁量とは、耐力壁の量を意味します。木造、鉄筋コンクリート造共に、耐力壁で地震力や風圧力に抵抗する場合、「壁量」の確認をします。
所定の地震力や風圧力(水平力)に対して、必要な壁量を必要壁量といいます。実際の建物に存在する壁量は、存在壁量です。必要壁量Aと存在壁量Bは下式の関係になるよう設計します。これが壁量の確認です。
※木造の必要壁量は建築基準法施行令第46条で定められています。法令上の算定方法は下記が参考になります。
木造の必要壁量計算(令第46条・床面積比例/見付面積比例)はこちら
A < B
また、建物には方向性があります。一般的にX、Y方向について上記の確認を行います。下図をみてください。X方向とY方向で壁量が違いますよね。一方、地震力はX,Y方向で同じ値です。両方向に対して、必要壁量以上確保します。
※X,Y方向については下記が参考になります。
なお、木造の壁量は、
壁の長さ×壁倍率
で計算します。鉄筋コンクリート造は、
柱(壁)の断面積×所定の係数
です。
壁量は「かべりょう」と読みます。壁量に関係する用語の読み方を下記に整理しました。
存在壁量 ⇒ そんざいかべりょう
必要壁量 ⇒ ひつようかべりょう
壁量は沢山設ければよいわけでは無いです。壁の配置もバランスが大切です。下図を見て下さい。壁が一部に集中していますね。壁が偏ると、建物はバランスを崩します。壁はバランスよく配置することで、本来の性能が発揮できます。
壁量などの耐震要素の偏りを表す指標が、偏心率です。偏心率の意味は下記が参考になります。
木造では偏心率を求めませんが、四分割法を行い問題ないことを確認します。
四分割法とは?壁充足率・壁率比の計算と偏心率の確認方法(木造の簡易耐震計算)
木造の壁量は、壁の長さに壁倍率を乗じた値です。壁の長さが短くても、壁倍率が高ければよいですね。壁倍率の意味、一覧は下記が参考になります。
下図の壁量を計算しましょう。壁倍率は1.5、スパンを1.0mとするとき、Y方向の壁量を求めましょう。
Y方向の壁量は、
6カ所×1.0m×1.5=9.0m
ですね。
混同しやすい用語
必要壁量・存在壁量
必要壁量は地震力や風圧力に対して設計上必要な壁量であり、存在壁量は実際の建物に設けられた壁量である。
両者を混同すると確認の方向性が逆になるため、「存在壁量が必要壁量を上回る」という関係を意識して整理しておくとよい。
壁量計算と構造計算
壁量計算は比較的簡易な確認方法であり、通常の構造計算(許容応力度計算等)とは手法・適用範囲が異なる。
木造2階建て以下などでは壁量計算による確認が認められている。
壁量を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 壁量の定義 | 耐力壁の量を表す指標 | 壁の長さ×壁倍率で求める |
| 必要壁量 | 地震力・風圧力に対して必要な量 | 床面積・見付面積から算定 |
| バランスの重要性 | 偏心率・四分割法で配置バランスを確認 | 偏りは耐震性能に影響 |
今回は壁量の意味について説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
壁量は、耐力壁の量です。
木造、鉄筋コンクリート造で、壁量の求め方が違うことを覚えてくださいね。
また、木造の壁量は、求め方が簡単です。
一級建築士の試験問題でも頻出するので、ぜひ覚えてください。
下記が参考になります。
四分割法とは?壁充足率・壁率比の計算と偏心率の確認方法(木造の簡易耐震計算)
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壁量とは何で、どう読みますか?
壁量(かべりょう)は耐力壁の量のことです。木造では耐力壁の長さに壁倍率を掛けた値を集計して壁量とし、鉄筋コンクリート造では柱や壁の断面積を集計して所定の計算を行います。地震力や風圧力(水平力)に耐力壁で抵抗する場合に、この壁量の確認をします。
必要壁量と存在壁量の違い、設計上の関係は?
必要壁量は所定の地震力・風圧力に対して必要な壁量、存在壁量は実際の建物に存在する壁量です。「存在壁量が必要壁量を上回る」関係になるよう設計します(これが壁量の確認)。建物のX方向・Y方向の両方向について必要壁量以上を確保します。木造の必要壁量は建築基準法施行令46条で定められています。
壁倍率1.5・スパン1.0mの壁が6カ所あるとき、Y方向の壁量は?
壁量は「壁の長さ×壁倍率」の集計なので、6カ所×1.0m×1.5=9.0mとなります。壁の長さが短くても壁倍率が高ければ効率よく壁量を確保できます。
