この記事の要点
構造設計は構造計画・構造計算・図面作成を含む広い業務を指し、構造計算はその中の応力・変形・断面算定の数値計算部分に相当する。構造計画は部材配置や構造形式を決める段階で、ここでの判断が構造計算の精度と実務の効率に大きく影響します。
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構造設計と構造計算の違い構造設計と構造計算の違いとは何でしょうか?『設計』と『計算』という微妙なニュアンスの違いですが、その意味は全然違います。気軽に構造『計算』してくれと言われると、『俺たちは計算屋じゃなくて設計者だ!』と言いたくもなります。
僕も構造設計の仕事をしていて、その違いを曖昧に使っているデザイン屋さんを何人も見てきました。まあココだけの話、ぼくは設計よりも計算をしている方が好きなので『計算屋さん』でもいいんですけどね。
このように『構造設計』と『構造計算』の違いは、建築家でも理解できていないのに、一般の方が理解するのは無理な話です。ということで今回は、構造設計と構造計算の違いについて素人さんにも分かりやすく説明したいと思います。
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言葉は分解すると分かりやすくなります。『構造』と『設計』に分けると意味が分かりそうです。国語辞典で構造とは、『幾つかの部分から全体を成り立たせる組立て』という意味。一方、設計は『ある目的を具体化するためのもくろみ』です。
辞典的に言えば、『全体を成り立たせる組立てを具現化するためのもくろみ』が構造設計ですね。構造家の方に話したらぶっ飛ばされそうです。が、実は人それぞれで考え方が違います。なので、高尚な構造家の方が、『構造設計とは宇宙である・・・!』と言っても、OKです。彼らは建築学生のアイドルなので。
ちなみに僕は、『建物が壊れないように部材断面を決めること。計画→計算→図面作成の業務の総称』ぐらいにしか考えられません。期待していた人ごめんなさい。本当はもっと、アーティスチックなことを言いたいですが、無理でした。
さて、構造計算とは『全体を成り立たせている組立を具体化する』ことの核になる部分。例えば、柱の大きさを地震で壊れないように決めたい、という場合に、あれこれと計算することです。僕たちの業務の大半が構造計算に関わることなので、構造設計者のイメージが『計算している人』と思われても仕方のないことです。
しかし、本来あるべき構造設計者像は違います。構造計算が業務の大半と書きましたが、これは間違いです。それよりも大事なことは、柱や梁、壁を合理的で自然的に配置すること
又は、適切な構造形式を取捨選択することにあります。
これは構造計算とは全く違う業務です。いわゆる『構造計画』と呼びます。建築計画という言葉があるように、構造設計にも構造計画があります。構造計画では、『ラーメン構造か?ブレース構造か?力を集めるか?分散か?』という大局的な構造システムについて議論するのです。
混同しやすい用語
構造設計
部材断面の決定・構造計画・図面作成などを含む広義の設計業務。
構造計算
建物の安全性を数値的に確認する計算業務。構造設計の一部。
構造設計・構造計算・構造計画の違いを整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 構造設計 | 建物の構造種別・部材サイズ・接合方法などを総合的に計画・設計する業務 | 単なる「計算」にとどまらない創造的行為 |
| 構造計算 | 設計した構造物が安全かどうかを数値で検証する計算 | 構造設計の一部であり、構造設計と同義ではない |
| 構造計画 | 建物全体の架構・耐力壁・基礎形式などを計画する初期段階の設計 | 構造設計の中で最も重要なフェーズの一つ |
今回は、構造設計と構造計算、構造計画についても紹介しました。
構造設計とは、『全体を成り立たせる組立てを具現化するためのもくろみ』であること。構造計算は、構造設計の業務の一部であること。構造設計の業務で、構造計画が一番重要、ということを説明しました。
実務者にとっては、とても当たり前のことですね。今回紹介したことは、素人さんに簡単に説明するには十分かなと思います。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
一般に「構造計算」という言葉が「構造設計」の意味で使われることがありますが、本来は別物です。「構造計画」も含めた広い視野で構造設計を捉えることが、より良い構造物を設計するための基本です。