この記事の要点
アンカーボルトとは、コンクリートや岩盤に埋め込んで、構造部材や設備機器を固定するためのボルトです。
鉄骨柱脚の固定に使われるアンカーボルトが代表例です。
規格はSS400(一般構造用圧延鋼材)が多く、サイズはM16・M20・M24・M30・M36等があります。
埋め込み深さは、ボルト径の20〜25倍程度が目安です。
種類はABR(丸鋼系)とABM(ねじ形)に大別され、施工時はアンカーフレームを使ってコンクリート打設前に正確な位置へ設置します。
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アンカーボルトとは、鉄骨造の柱脚において上部鉄骨と基礎コンクリートをつなぐボルトです。柱脚は下記が参考になります。
柱脚(ちゅうきゃく)とは?種類・露出・根巻き・埋込み・ベースプレートを解説
今回は、そんなアンカーボルトに着目して、アンカーボルトの目的や、規格、サイズ、種類について説明します。
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アンカーボルトには、基本的に下記の2つがあります。
です。
間柱など、両端がピン接合で地震力を受けない2次部材は、柱脚のアンカーボルトをSS400にすることもあります。しかし、JIS規格でアンカーボルトとして定められているのは、上記です。
※間柱や、ピン接合に関しては下記が参考になります。
間柱(まばしら)とは?役割・寸法・ピッチと胴縁との違いを解説
400と490は、鋼材の材料強度です。ABRとABMの違いは後述します。
前述したアンカーボルトの規格とサイズを下記に示します。
まずはABRアンカーボルトの規格とサイズを示します。
ABR400の規格とサイズ
ABR400の公称耐力
次にABMアンカーボルトの規格とサイズを示します。
ABM400の規格とサイズ
ABM400の公称耐力
アンカーボルトは、必ず呼び径に合ったナットや座金のサイズが規格化されています。但し、ナットと座金に関しては、ABRとABMで規格やサイズが同じです。下図表を参考にしてください。
ナットの規格とサイズ
座金の規格とサイズ
ナット、座金については、下記が参考になります。
ナットとは?種類・寸法の読み方とボルトとの違い・建築鉄骨での使い方
ワッシャー(座金)とは?規格・寸法と向き・順番・スプリング座金との使い分け
アンカーボルトは、先端をフック付きにするか定着版付きにする必要があります。これは、アンカーボルトの定着性を強くするためです。また定着版は、フック付きよりも納まりが良く、施工も簡単です。
下表に定着版の規格とサイズを示します。
定着版については、下記が参考になります。
アンカーボルトは、柱脚で最も重要です。その理由は、上部の鉄骨造と、基礎のRC造を繋ぎ合わせる目的があります。アンカーボルトは、ベースプレートを介して、基礎柱や基礎に定着させます。ベースプレートに関しては、下記が参考になります。
ベースプレート(BPL)とは?意味・鉄骨柱・柱脚・基礎との関係を解説
また、鉄骨造の固さはアンカーボルトの影響を受けます。例えば、アンカーボルトの径が太ければ、建物の剛性は上がります。逆に細径のアンカーボルトを用いた建物は、柔らかく、変形が大きくなるのです。
言い換えれば、アンカーボルトは地震時に建物の変形を抑える効果がある、といえます。ボルトなので小さな部材ですが、無視できない存在です。
前述したABRとABMは何が違うのでしょうか。下記に整理しました。
どちらが有利、とは言い難いですが一般的にABRアンカーボルトを用いることが多いです。官公庁の施設でも、一般的にABRを用います。
詳細は下記が参考になります。
abr400とは?1分でわかる意味、規格、許容応力度、定着版との関係
ABM400とは?アンカーボルトの規格・許容応力度とABR400との違い
前述したように、アンカーボルトは基礎又は基礎柱へ定着します。下図をみてください。これはアンカーボルトを定着した様子を描きました。
有効長さとは、柱脚のバネを考慮するときに用いる値です。定着長さと値が異なる点に注意したいですね。
アンカーボルトの施工方法は、下記の流れで行います。
アンカーフレームとは、アンカーボルトを設置する仮設材です。
なぜアンカーフレームが必要でしょうか。
アンカーボルトを設置するとき、まだコンクリートを打設していません。
よって、アンカーボルトは宙に浮いた状態で設置することになります。
もちろん宙に浮いた状態で設置などできませんから、仮設材にアンカーボルトを留めて所定の位置に設置します。
※アンカーフレームについては、下記が参考になります。
混同しやすい用語
高力ボルト
鉄骨部材同士(梁と柱など)を接合するための高強度のボルトです。
アンカーボルトが基礎と上部鉄骨をつなぐのに対して、高力ボルトは鉄骨部材同士の接合に使う点で役割と設置場所が異なります。
アンカーフレーム
コンクリート打設前にアンカーボルトを所定の位置に固定するための仮設材です。
アンカーボルトが柱脚の構造部材として最終的に残るのに対して、アンカーフレームはボルトを位置決めするだけの仮設材である点が異なります。
| 種別 | 製法 | ねじ部断面積比 | 特徴・用途 |
|---|---|---|---|
| ABR(丸鋼系) | 転造(ローリング) | 軸部の約92% | 断面欠損小・一般建築で最多使用 |
| ABM(ねじ形) | 切削(マシニング) | 軸部の約85% | 断面欠損大・精度高い |
今回は、アンカーボルトについて説明しました。アンカーボルトは、柱脚を構成する重要な部材です。アンカーボルトの種類や特徴を理解しましょう。下記も併せて参考にしてください。
高力ボルトとは?読み方・種類(F10T・S10T)・規格・摩擦接合の特徴
アンカーボルト長さの計算方法は?1分でわかる計算、m12の埋込長さ、建築基準法との関係
ベースプレート(BPL)とは?意味・鉄骨柱・柱脚・基礎との関係を解説
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