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一般的な異方性材料の応力-ひずみ関係を表すと、
でしたね。以上のように示した式は、最も一般的な異方性材料でも21個の弾性定数が存在することを表しています。21個の弾性定数を持つ材料があっても建築材料では到底、利用できませんよね。
しかし、建築部材にも異方性材料を用いているものがあります。それは「木材」です。木は繊維方向と繊維直交方向で弾性定数が異なるのです。
このような特性を持つ材料を「直交異方性材料」と呼びます。では、「直交異方性材料」の構成式を考えてみましょう。
まず、直交異方性の定義について数学的に考えます。
3つの座標面に関して性質が対称な材料を直交異方性材料と呼びます。つまり、3つの座標軸まわりに関して座標変換(回転)を行っても構成式は一致する必要がありますね。
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x3まわりに180°回転した場合を考えます。座標変換マトリクスに関しては既に証明しました。式は以下のように
で表すことができます。
直交異方性材料は構成式が、それぞれの軸まわりの座標軸を180°回転させても一致することが条件でしたね。よって、テンソルの変換法則を利用して、それを確認しましょう。
テンソルの変換法則は当サイトで示しましたよね。一応、書いておくと4階テンソルの変換法則は次式でした。
以上の式を、弾性定数について適用させます。
ですね。さて、テンソルの変換法則から21個の弾性定数について、頑張って確認してみましょう。
まず、p=q=r=s=1とします。
右辺はijklそれぞれの添字に関して総和規約をとる必要があります。よって、
といったように、総和規約の計算を繰り返して変換した弾性定数を求めます。p=q=r=s=2,3の場合は計算過程が同じなので、結果も変化ありませんね。
次に、p=q=1,r=s=2とします。
右辺はijklそれぞれの添字に関して総和規約をとる必要があります。よって、
です。p=q=1,r=s=3、p=q=2,r=s=3の場合でも同様の計算過程なので省略します。
次に、p=q=1,r=1,s=2とします。
右辺はijklそれぞれの添字に関して総和規約をとる必要があります。よって、
です。次に、p=q=1,r=2,s=3とします。
右辺はijklそれぞれの添字に関して総和規約をとる必要があります。よって、
です。
…といったような計算過程で残りの成分についても変換する必要があります。ただ、ちょっと疲れたので、後は各自で頑張ってください。
実はいちいち総和規約の計算を行わなくても+か-を判断する方法があります。先ほどの変換を計算していると、座標変換マトリクスから
以外の値は0ですね。よって、どのみち、この3つの値しか残らないので、例えば
の変換であれば、添字と座標変換マトリクスの対応関係から、「添字の数字」
1→-1
2→-1
3→1
として、添字を座標変換マトリクスの成分として、そのまま掛けて計算します。
ですね。これが、変換後の値です。
さて、以上のような変換を21成分について行うと、式は以下のように示されます。
さらに、直交異方性材料の構成式を考えているので以上に示した構成式は、変換前の構成式と一致していなければなりません。-の値を持っている成分が、変換前の値と一致する値は0しかありません。よって、-の符号が付いている成分を全て0として、
となります。
次に、x1軸まわりを180°回転した座標系について考えます。x1軸まわりの座標変換マトリクスは、
です。以上の、変換マトリクスから-か+の成分かを判断します。すると、
ですね。また、x2軸まわりに関しては消去できる成分がないので省略します。よって、直交異方性材料の応力ひずみ関係は次式のように、
となります。
材料力学で勉強したときは、材料の弾性係数は1つ若しくは2つ程度でした。しかし、実際の材料は3次元であるため以上のようなテンソル表示による考え方が重要となってきます。理解できない人は、テンソル表示の定義や総和規約、材料力学の基礎を勉強し直しましょう。
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