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異方性は、方向毎に機械的性質が異なる材料です。例えば木は代表的な異方性材料です。
異方性材料は、方向毎に性質が変わるので破壊性状の把握などが難しく現在も研究が行われています。
今回は、そんな異方性の意味、等方性との違い、異方性材料の例をいくつか紹介します。
方向毎に機械的性質(強度やヤング係数など)が異なる材料を、異方性材料といいます。
代表的な異方性材料が「木」です。
木は繊維方向と繊維直交方向で強度が大きく違う材料です。木は繊維方向の引張力には強いですが、繊維直交方向はあまり強くありません。
この性質を理解しないと、引張力に対して繊維直交向きに部材配置する可能性もあります。
異方性材料は、構造部材や工業製品として扱いづらいデメリットがあります。しかし後述する集成材、CLTのように、元々の異方性を少なく改良した材料もあります。
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では、代表的な異方性材料は何があるのでしょうか。下記に示しました。
などです。
鉄筋コンクリートの部材は、方向性を意識して鉄筋を配置します。例えば、梁は普通、長さ方向に鉄筋を配置します。
それは、長さ方向に応力が作用するからです。よって、長さ方向とは直交方向には、主筋のような力を受ける鉄筋を配置しません。
つまり、方向によって強度や性質が違う異方性材料です。木やFRPも同様のことが言えます。鉄筋コンクリートの部材に関しては、下記の記事が参考になります。
コンクリートの比重は?鉄筋コンクリートとの違い、骨材、鉄筋の影響
FRPは繊維強化プラスチックの略称です。繊維を混ぜて強化したプラスチックで、繊維方向は高い強度をもちます。糸(繊維)の引張力に強い性質を利用した異方性材料です。
FRPについては下記が参考になります。
木は繊維方向に強く、繊維直角方向に引張れば簡単に千切れます。よって、無垢の木材を構造体として利用する場合、繊維方向に力が伝わるように配慮して設計を行います。
現在では、公共構造物等の大規模な建築物にも木材が応用され始めていますが、これは方向性を少なくするために「集成材」がよく利用されます。
「集成材」とは、木を薄く切って接着剤で重ね合わせ圧縮して成形したものです。つまり、異方性のデメリットを低減した材料です。
最近ではCLT(薄板を互いに直交するように積層接着した厚板)という材料が期待されています。木は異方性材料ですが、このように方向性のある板を直交ごとに積層すれば、方向性は少なくなります。
下記に異方性材料のデメリットを整理しました。
・方向毎に性質が異なるので使いにくい(考えることが多い)
・計算が複雑になる
異方性材料は方向毎に、機械的性質が大きく違います。等方性材料より考えることが多い材料です。
方向毎に機械的性質が異なるので計算が複雑になり、繊維方向と繊維直交方向、その他の方向に関する、
それぞれの弾性係数やポアソン比等を定義する必要があります。これは、等方性材料を扱うよりも骨の折れる作業です。
また異方性材料は、接合部や複合的な応力が作用する箇所に細心の注意を払う必要があります。
一方、等方性とは方向によって材料の性質が変わらないこと、を意味します。例えば、あらゆる方向から引張っても、同じように変形する、これが等方性です。
そんな、等方性を持つ代表的な材料が「鋼」です。鋼は引張る方向で強度や弾性係数が変化することはありません。
このような方向に依存しない材料を「等方性材料」といいます。
鋼に関しては下記が参考になります。
鋼構造ってなに?よく分かる鋼構造と鉄骨構造、構造力学との関係
今回は、異方性材料と等方性材料について説明しました。両者の違い、代表的な材料など覚えておきましょう。
また、異方性材料の解析は中々やっかいだ、という点も頭にいれておきたいですね。
例えば下記のように、応力歪関係も異方性材料は複雑な計算式になります。
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