この記事の要点
既製杭(きせいぐい)とは、あらかじめ工場で製作した杭を現場で打設する杭の総称です。
杭は「既製杭」と「場所打ち杭」の2つに分けられます。
本記事では既製杭の種類・長さ・へり空き・間隔の基準を解説します。
この記事では、既製杭とは何か、どのような種類があるのか、へり空き・間隔の基準はどう定まっているのかを整理します。
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杭は「既製杭」と「場所打ち杭」の2つに分けられます。
既製杭は、「既製した杭」のことで、あらかじめ工場で製作されたものを現場で打設する方法です。
今回は、既製杭の種類、長さ、へり空き、間隔などについて説明します。
※杭の種類については下記が参考になります。
既製杭は、あらかじめ工場製作された杭を現場で打設する工法です。
既に出来上がっている杭を打ち込むだけなので施工が簡単で、現在、最も多く利用される杭です。
場所打ち杭は、現場で杭を築造します。施工に時間は掛かりますが、大きな支持力が取れます。
※場所打ち杭については下記が参考になります。
場所打ち杭の支持力を算定する方法|Ra1〜Ra3の計算式と使い分け
既製杭は、工場で製作しますが製作長さや運搬長さなどによって、杭の長さに限界があります。そこで杭には継手が生じます。これは後述します。
また、単に既製杭と言っても施工方法を細かく分類すると沢山あります。1つは材料により分類します。
鋼杭
コンクリート杭
です。
鋼杭は高い強度と靭性があります。また鋼の加工性を活かして、先端形状を軸部よりも大きくすることで先端支持力を増加させた杭もあります。下記が参考になります。
鋼杭とは?1分でわかる意味、読み方、種類、特徴、鋼管杭との違い
鋼杭の長所は、曲げや引張力に対する強度と変形性能に優れていることです。
コンクリートのように曲げひび割れが起きない分、信頼性も高いでしょう。一方で、鋼は腐食の心配があります。
土は水分を含みますが、鋼は錆びる恐れがあるため腐食代を見込んだ厚みとすることが一般的です。
さらに鋼管は継手部に溶接や、機械的な補強を要します。杭軸部から断面が変わるので、応力集中に注意します。
コンクリート杭は一般的に、PHC杭を用います。コンクリート杭は、柱や梁に比べて圧縮強度の高いコンクリートを用います。
さらに、ひび割れを抑制するため、プレストレストを導入します。下記が参考になります。
鋼杭に比べて強度、変形性能共に劣りますが、コンクリート外周部に鋼管を巻いたSC杭や、高強度鉄筋を導入したPRC杭などの種類があります。
以上のように、既製杭の種類は色々ありますが、既製杭を利用する共通のポイントがあります。
・大きな支持力を必要としない。
・杭長が大きすぎない。
ことです。20m程度なら既製杭で良いですが、30mを超えると場所打ち杭の可能性もあります。どちらが良いか一概に言い切れないので、比較検討が必要です。
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既製杭を分類しました(建築基礎構造設計指針p.194より)。
現在は、打ち込み杭はほとんど使いません。理由は、騒音と振動の問題です。但し、周囲に振動や騒音の影響が無い場合、打ち込み杭の利用も考えられます。
打ち込み杭は、支持力が多く取れる(α=300)からです。
セメントミルク工法がα=200に対して1.5倍も高い支持力のため、杭径が小さくできるメリットがあります。
打込み杭とは?1分でわかる意味、特徴、支持力、埋め込み杭との違い
最も利用されている杭が、埋め込み工法です。中でもプレボーリング工法は騒音や振動の問題がありません。
プレボーリング工法は、杭を打設する箇所をあらかじめ掘ります。このとき孔が崩れないよう(孔壁)、貧配合のセメントを孔壁に噴出します。
中堀工法は杭を打設しながら、杭から土を排出する工法です。そのため、支持層まではN値が低くないと掘れません。
中掘り工法とは?1分でわかる意味、プレボーリング工法との違い、先端開放杭との関係
杭の長さは支持層の位置によって決まります。支持層が20m以深にあるなら、杭長さも20m以上です。
但し既製杭の限界長さは、工場製作することや、運搬できる最大長さの関係、製作上の限界長さなどから決定します。
よって既製杭は、長尺になると継手を設けることが普通です。あるメーカーでは既製杭の杭長を下記のように設定しています。
・5m~13m又は5m~15m
杭長さは1m単位で設定します。
JIS規格によれば、既製杭の長さの最小は4mです。4mよりも短い杭になる場合、そういった認定が取得できているのか確認しましょう。
例えばPHC杭の外径は、一般に下記の値です。
・300~1200mm
50mm単位で設定されています。300の次は、350mmの外径です。
既製杭のへり空きは、建築基礎構造設計指針で下記の値です。
・打ち込み杭 杭径の1.25倍
・埋め込み杭 杭径の1.00倍
ただ、他文献や設計の実情として概ね
杭径の1.25倍
が一般的です。杭径φ400なら、へり空きは500とします。※建築基礎構造設計指針は下記が参考になります。
建築基礎構造設計指針(AIJ)とは|最新版の内容・支持力・液状化の規定
既製杭の間隔は、建築基礎構造設計指針で下記の値です。
・打ち込み杭 杭径の2.5倍かつ75cm以上
・埋め込み杭 杭径の2.00倍
こちらも、他文献や設計の実情として概ね
杭径の2.5倍
が一般的です。杭径の意味は下記をご覧ください。
杭径とは?1分でわかる意味、どこの長さ?読み方、記号、計算と決め方
既製杭を整理した表を示します。
| 項目 | 工法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 鋼杭 | 打込み・埋込み | 曲げ・引張に強い、腐食注意 |
| PHC杭 | プレボーリング等 | プレストレス導入、圧縮強度大 |
| SC杭・PRC杭 | 埋込み工法 | 鋼管巻きまたは高強度鉄筋導入 |
今回は既製杭について説明しました。既製杭は、「既製した杭」のことで、あらかじめ工場で製作されたものを現場で打設する方法です。
既製杭は、杭基礎の基本ですから覚えておきましょう。また場所打ち杭との違いも理解したいですね。
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