この記事の要点
引張ブレースとは、引張力のみを負担するブレース(斜め材)のことです。
主に丸鋼が使われます。
丸鋼は細長比が大きく座屈しやすいため、圧縮力には抵抗できません。
実務ではX形(たすき掛け)に2本配置することで、どちらの方向の水平力にも引張ブレースとして対応できます。
計算では1本が圧縮側(無効)、1本が引張側(有効)として扱います。
この記事では、引張ブレースとは何か、引張ブレースはどう計算するのかを整理します。
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引張ブレースとは引張力のみ負担するブレースです。
引張ブレースは主に丸鋼を用います。
丸鋼は断面寸法に対して座屈長さが大きい(つまり細長比が大きい)ので、座屈しやすく圧縮力に抵抗できません。
よって、引張ブレースでは圧縮力を負担できず、引張力のみ伝達すると考えるのです。
今回は引張ブレースの意味、特徴、計算、ブレース構造のデメリットについて説明します。
ブレース構造、引張材の詳細は下記が参考になります。
ブレース構造とは?ラーメン構造との違い・種類と地震力の負担メカニズム(設計上の特徴)
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引張ブレースとは、引張力のみ負担するブレースです。
引張ブレースには丸鋼を用いることが多いです。
丸鋼のように断面寸法が小さい部材は細長比が大きいため、座屈しやすく圧縮力に抵抗できません。
そのため、引張ブレースには圧縮抵抗力を期待せず「引張力のみ伝達する」と考えるのです。
また、下図に示すように外力の方向によりブレースに生じる軸力の向き(引張、圧縮)は変わります。よって、引張ブレースを設ける場合は必ず「交差したブレース(×形のブレース)」を配置します。
なお、溝形鋼やH形鋼のような断面の大きな部材は圧縮力にも抵抗できます。それらの部材をブレースに用いる場合、圧縮力、引張力の両方に抵抗できると考えてよいです。
引張ブレースの計算方法は簡単です。計算の流れを下記に示します。
・ブレースに生じる軸力(引張応力)を算定
・引張応力度を算定
・引張応力度<許容引張応力度を確認
引張ブレース(引張材)の詳細な計算方法は下記も参考になります。
ブレース構造のデメリットの1つは建築計画が制限されることです。下図をみてください。ブレースは柱間に斜めに設けます。そのため窓や出入口などの開口部が設置できない(しにくい)のです。
ブレース構造の詳細は下記が参考になります。
ブレース構造とは?ラーメン構造との違い・種類と地震力の負担メカニズム(設計上の特徴)
混同しやすい用語
座屈拘束ブレース
圧縮力と引張力の両方に抵抗できるよう、外管で拘束した特殊なブレース。
引張ブレースが引張力のみ負担するのに対して、座屈拘束ブレースは圧縮力にも抵抗できる点が異なる。
引張ブレースを整理した表を示します。
| 項目 | 引張ブレース | 座屈拘束ブレース |
|---|---|---|
| 使用部材 | 丸鋼(細長比大) | 外管拘束の特殊部材 |
| 圧縮力への対応 | 抵抗しない | 抵抗できる |
| 配置方法 | 交差(×形)配置 | 片側配置も可能 |
今回は引張ブレースについて説明しました。
引張ブレースとは引張力のみ負担する(できる)ブレースです。
引張ブレースは主に丸鋼を用います。
丸鋼は細長比が大きく座屈しやすいので圧縮力に抵抗できません。
よって、引張ブレースは引張力のみ伝達する、と考えるのです。
ブレース構造、引張材の詳細は下記が参考になります。
ブレース構造とは?ラーメン構造との違い・種類と地震力の負担メカニズム(設計上の特徴)
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
一級建築士試験では「引張ブレースは丸鋼を用い、細長比が大きいため圧縮力に抵抗しない」という特性と、「交差(×形)配置が必要な理由」が問われます。
座屈拘束ブレースとの違いも整理しておきましょう。