この記事の要点
水平ブレースは屋根面や床面に設置し、水平面を剛にする斜材のこと
ALC版や折板屋根を使う鉄骨造では剛床にならないため、水平ブレースが必須
水平ブレースは梁のウェブ(腹板)に取り付け、必要に応じてリブプレートで補強する
この記事では、水平ブレースとは何か、鉛直ブレースとどう関係するのかを整理します。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
水平ブレースは、屋根や床面に配置するブレースのことです。
壁面に配置するブレースを鉛直ブレースといいます。
今回は、水平ブレースの意味、役割、ブレースと剛床の関係、ブレースの取り付け位置について説明します。
※ブレースについては下記が参考になります。
ブレース構造とは?ラーメン構造との違い・種類と地震力の負担メカニズム(設計上の特徴)
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
水平ブレースは、屋根面や床面に配置するブレースです。屋根や床に配置するブレースは水平方向に向いているので、水平ブレースといいます。
水平ブレースは、水平力を伝達する目的があります。よって、屋根や床が水平力を伝達できる「スラブ」の場合、水平ブレースは不要です。※スラブについては下記が参考になります。
スラブってなに?現役設計者が教えるスラブの意味と、特徴、役割
下図をみてください。鉄骨造の梁伏図をイメージしました。床はALC版とします。
鉄骨造で屋根や床をALC版とするとき、水平ブレースで水平力を伝達します。ALC版はスラブに比べて強度が低く、一体化していないため、力が伝達できません。よって水平ブレースが必要です。※ALC版については下記が参考になります。
水平ブレースの役割は、水平力を伝達することです。下図をみてください。屋根の梁伏図で、ブレースを入れていません。矢印の方向に力が作用したとき、屋根面の梁や柱は大きく変形しそうです。
力が上手く伝わらない、ということです。一方、屋根にブレースを配置すれば、屋根面がガチッと固まって、水平力に抵抗できますね。
水平ブレースを入れる役割は、屋根面または床面を固く(剛にする)ことです。これを専門用語で「剛床」といいます。※剛床については、下記が参考になります。
剛床(ごうしょう)とは?剛床仮定・剛床工法・木床とRC床の違い
建物の構造計算では、地震力などが作用するとき、屋根や床が、他の部材に比べて十分に固い、という仮定をします。これを剛床仮定といいます。
剛床仮定をすることで、比較的簡単に構造計算ができること、水平力を一様に伝達することが可能です。
水平ブレースは梁の高さ方向の位置に注意して留めましょう。一般的に梁はH形鋼を使うので、上フランジまたは下フランジ、ウェブに取り付くことがあります。※ウェブ・フランジについては、下記が参考になります。
ウェブとフランジの違いとは?H形鋼のどこか・役割・覚え方を解説
ウェブに水平ブレースを留める場合、ウェブが曲がらないよう、リブプレートで補強を行います。※リブプレートについては下記が参考になります。
混同しやすい用語
水平ブレースと垂直ブレースの違いに注意しましょう。
垂直ブレースは壁面(鉛直面)に設置して水平力を負担する部材で、水平ブレースは屋根・床面(水平面)に設置して面内剛性を確保する部材です。
設置位置と目的が異なります。
水平ブレースの設置条件を整理した表を示します。
| 屋根・床の種類 | 剛床の扱い | 水平ブレースの要否 |
|---|---|---|
| RC床スラブ | 剛床とみなす | 不要 |
| ALC版屋根・床 | 剛床とみなせない | 必要 |
| 折板屋根 | 剛床とみなせない | 必要 |
今回は水平ブレースについて説明しました。意味が理解頂けたと思います。水平ブレースの役割は、屋根面や床面を剛(ごう)にすることです。鉄骨造でALC版、折板を使う場合は必ず配置するので、覚えて下さいね。下記も併せて学習しましょう。
ブレース構造とは?ラーメン構造との違い・種類と地震力の負担メカニズム(設計上の特徴)
剛床(ごうしょう)とは?剛床仮定・剛床工法・木床とRC床の違い
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
この記事の内容を○×クイズで確認する
この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。
意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。
