この記事の要点
まわし溶接とは部材端部の角を回り込むように施す隅肉溶接で、溶接長さの不足を補い、溶接端部からのき裂を防ぐ目的がある。
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まわし溶接とは、直交する面の端部を回して隅肉溶接することです。まわし溶接は、図でみるとよく理解できます。今回はまわし溶接の意味、有効長さ、強度、溶接の記号について説明します。※隅肉溶接については下記の記事が参考になります。
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まわし溶接とは直交する面の端部を回して溶接することです。下図をみてください。2枚の板を重ねた部分の、長さ方向に(水平に)隅肉溶接します。さらに、板と直交する方向へ溶接するとき、溶接棒を回して溶接した部分が「まわし溶接」です。
隅肉溶接で、全周溶接する場合や、溶接線が水平と直交部分が交じり合う端部は、まわし溶接が必要です。
一般的に、まわし溶接は溶接部の強度に含めないか、まわし溶接部を含めて溶接サイズの2倍を減じた値を有効長さとします。※まわし溶接の有効長さについては後述しました。
下図の隅肉溶接で、有効長さを計算してください。
まわし溶接を含めた長さは300mmです。溶接部のサイズは10mmなので有効長さは、
です。
又は、まわし溶接を強度に見込まない設計法もあります。まわし溶接を含まない溶接長さは、明記ある通りなので、
です。これを有効長さとすることも可能です。
以上より算定した有効長さに対して、のど厚を乗じて求めた値が有効断面積です。さらに、有効断面積に隅肉溶接部の強度をかけて、溶接部のせん断耐力が算定できます。
まわし溶接部も、一般部と同様の強度が求められます。
ただ、実際にはまわし溶接を無視して有効長さを算定すれば、計算上はまわし溶接部に強度は必要ありません。
※溶接部の強度については下記の記事が参考になります。
溶接部の強度とは?溶接部の耐力の計算方法と許容応力度、材料強度
まわし溶接は、水平と垂直が交わる端部を回して溶接することです。特別、溶接記号はありませんが、回し溶接が必要な場合、文言で図面に特記しましょう。
※溶接部の記号については下記の記事が参考になります。
混同しやすい用語
隅肉溶接
直交または傾斜する面の隅部に施す溶接。まわし溶接は隅肉溶接の一種で、端部を回り込む形状が特徴。
まわし溶接を整理した表を示します。
| 項目 | まわし溶接あり | まわし溶接なし |
|---|---|---|
| 有効長さ | 全長-2×サイズ | 溶接長さのみ |
| 端部処理 | 端部を回り込む | 端部で溶接終了 |
| き裂リスク | 低い | 端部から生じやすい |
今回はまわし溶接について説明しました。まわし溶接の意味が理解頂けたと思います。ごく一般的にまわし溶接を行うので、有効長さの考え方、強度の計算法を覚えてください。隅肉溶接の考え方も理解してくださいね。※隅肉溶接は下記の記事が参考になります。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
試験では、まわし溶接の有効長さは「全溶接長さ-2×サイズ」で計算する点と、まわし溶接を行う目的(端部からのき裂防止)が問われる。