この記事の要点
むくりとはたわみの大きい鉄骨梁にあらかじめ上向きに反らせた加工で、仕上がり後の見た目の水平を確保し過大たわみを防ぐ目的がある。
この記事では、むくりとは何か、鉄骨梁とどう関係するのかを整理します。
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むくりとは、たわみが大きい鉄骨梁に対して、たわみとは逆方向に反らせた部分です。今回は、むくりの意味、鉄骨、梁との関係について説明します。また梁のたわみについては下記の記事が参考になります。
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むくりとは、鉄骨梁のたわみとは逆方向に反らせた部分です。下図をみてください。これがむくりです。
鋼は剛性、強度ともに高い材料です。しかし鋼材は、H形鋼のように軽量化されています。結果、RC部材に比べて、たわみやすい構造部材です。※H形鋼は下記の記事が参考になります。
このたわみを解消する方法として、「あらかじめたわみとは逆方向に、鉄骨梁を反らす」ことが考えられます。これが「むくり」です。※ちなみにキャンバーともいいます。
下図をみてください。
あらかじめ鉄骨梁のたわみを計算します。固定荷重によるたわみをδ1、積載荷重によるたわみをδ2とします。
固定荷重によるたわみδ1分、上側に反らすことで(むくりをつける)、固定荷重が載荷された時点で、梁は水平となります。
構造計算としては、積載荷重に対してたわみを検定すればよいでしょう。
鉄骨梁のたわみと、むくりの関係を確認します。鉄骨梁のたわみは、スパンLに対して下記とします。
一般の梁で、むくりをつけるとは無いです。むくりが必要になるのは、スパンが大きく上記の値に納まらない鉄骨梁や、クレーン走行などを行うため、変形制限が厳しい梁です。
また、鉄骨梁の建て方では継手の剛接合部分は、一時的に仮ボルトで留めます。これはピン接合なので、支保工無しで施工を行う場合、中間部で梁の自重によりたわみます。このたわみを防ぐため、むくりをつける場合もあります。
剛接合とピン接合については下記の記事が参考になります。
混同しやすい用語
キャンバー
むくりと同義語で、英語ではキャンバー(Camber)という。
むくり量はスパンの1/1000程度が目安とされる。
むくりを整理した表を示します。
| 項目 | むくり(キャンバー) | たわみ |
|---|---|---|
| 定義 | 荷重前に設ける上向きの逆反り | 荷重によって生じる下向きの変形 |
| 目的 | たわみの影響を事前に相殺する | 荷重・自重による弾性変形 |
| むくり量の目安 | スパンの1/1000程度 | 許容たわみ以内に収める |
今回はむくりについて説明しました。むくりの意味が理解頂けたと思います。スパンが大きい梁は、自重でたわみます。スパンが何十メートルも飛ぶ梁は、たわみの影響を十分に考慮し、むくりを設定したいですね。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
試験では、むくりの目的(たわみによる影響を事前に見込んだ逆反り加工)と、むくりを設ける梁(大スパン梁)との関係が問われやすい。(一級建築士 頻出:むくりの目的(たわみを事前に見込んだ逆反り加工)と大スパン梁への適用が繰り返し出題)