この記事の要点
スカラップとは、溶接線の交差を避けるために梁フランジ近くに設ける切り欠き孔のことで、形状によって破断率が大きく異なる。
ノンスカラップ工法や改良型スカラップを採用することで、スカラップ底を起点とする破断を大幅に低減できる。
この記事では、スカラップとは何かを整理します。
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鉄骨造で溶接を行う時、梁のフランジ近くに切り欠いた孔がみつかると思います。これをスカラップと呼びます。
スカラップは溶接線が交差する場合(十字にプレートを溶接する等)に設けます。これは、どちらかの溶接を通す必要があるからです。
昔はスカラップを設けることで施工性が良く、しかも応力集中を分散できる、という意見もあって一般的に用いられてきました。
しかし、どうもそれは全くの間違いで、スカラップを設けないほうが応力も分散できるし変形性能も向上することが分かってきました。これをノンスカラップ工法と言います。
また、従来のスカラップ工法を、応力集中を起こさない工夫を施した改良型スカラップもあります。
今回は、そんなスカラップに関する3つのポイント(TIPs)を紹介します。
従来型スカラップでは、スカラップ底を起点とする梁フランジの破断が71%を占めました。これにより、早期脆性破壊の一因がスカラップにあることが分かっています。
スカラップ形状を複合円(楕円のような形。2つの円を組み合わせた形状)としたスカラップの場合、梁フランジの破断は40%を占めます。
改良型スカラップでは、梁フランジの破断が9%のみとなっています。ノンスカラップ工法が、スカラップ底を起点とする破断を回避できている一方で、改良型スカラップ工法も高い効果を示しています。
スカラップを設けず突合せ溶接をする方法を、ノンスカラップといいます。ノンスカラップの意味は、下記が参考になります。
ノンスカラップとは?すぐに分かる意味と改良型スカラップとの違い
混同しやすい用語
ノンスカラップ
ノンスカラップとは、スカラップを設けずに梁フランジと柱を直接突合せ溶接する工法のことで、スカラップ底を起点とする破断を防ぐために採用される。
スカラップが梁ウェブに切り欠き孔を設けて溶接線を通す工法であるのに対して、ノンスカラップは切り欠きを設けない工法であり、破断率の低減効果が大きく異なる。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
一級建築士試験では、スカラップの形状(従来型・改良型・ノンスカラップ)と破断率の違いが問われます。
施工前後の検査内容も確認しておきましょう。(一級建築士 頻出:スカラップの従来型・改良型・ノンスカラップ工法の形状と破断率の違いが繰り返し出題)