この記事の要点
エンドタブとは、溶接を行う際に溶接線の両端に取り付ける補助部材(鉄板など)のことです。
溶接の始端・終端部は溶接欠陥(溶け込み不足・クレーター)が生じやすいため、エンドタブ上で溶接を開始・終了させます。
溶接後はエンドタブを除去するのが一般的です。
残置する場合は疲労き裂の起点になりやすいため、疲労設計が必要な構造では除去が推奨されます。
エンドタブを円弧状に除去しても除去効果はほぼなく溶接部から破断する
直線的に5mm残して材軸方向に切断すると破断を避けられる
固形エンドタブ(セラミックスタブ)は溶接部破断が46%・K型では63%
エンドタブの必要長さは溶接サイズによるが大体30mm程度で十分
この記事では、エンドタブとは何かを整理します。
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エンドタブは溶接線の終始端部で溶接不良が起こりやすい問題を解決する部材です。そのため、溶接部の耐力算定では両端部はサイズ分だけ耐力を控除することが行われています。
では、実際の現場でどうしているのか、というと溶接不良が起きにくい配慮がなされています。それがエンドタブです(この記事では、断らない限りエンドタブ=鋼製エンドタブです)。
要は、部材の溶接を行う時、「エンドタブまで溶接」すれば、溶接欠陥が起きやすい終始端はエンドタブ内で発生します。これにより部材内の溶接は適切に行われているわけです。
ちなみに、溶接サイズによりますが、大体30mm程度あればエンドタブの長さは十分です。
今回は、そんなエンドタブに関する5つのポイント(TIPs)を紹介します。
※エンドタブの詳細は下記が参考になります。
エンドタブは原則除去することが望ましいです。と、いうのも上記で説明したように、溶接欠陥を部材に起こさないための副産物的な部品だからです。
建築学会の接合部指針によれば、エンドタブを除去していない場合では溶接部からの破断が84%を示しています。
※溶接欠陥は下記が参考になります。
溶接欠陥の種類一覧|クレーター・ブローホール・ピットの違いと原因・補修方法
エンドタブを、円弧状に除去した場合は、除去した効果はあまりなく、溶接部から破断することが実験からわかっています。
※破断の意味は下記が参考になります。
破断とは?意味・破断強度と引張強度の違い・破断点をわかりやすく解説
エンドタブを5mm程度残して材軸方向に切断した場合、局部座屈によって終局耐力に至る場合がほとんどで、エンドタブを除去する効果が大きい実験結果が得られています。
また、エンドタブの除去方法はガスによる荒切りか、グラインダー仕上げにより行われています。30mmもグラインダーで削るのは大変そうですから、ガスで切る方法が一般的なんでしょうか。
※材軸方向の意味は下記が参考になります。
材軸とは?材軸方向・材軸直交方向・線材モデル化との関係を解説
固形エンドタブはセラミックスタブとも呼ばれます。鋼製エンドタブが母材に溶接してくっつける一方、固形エンドタブは磁石と専用治具で留めることから、切除を必要としません。
実は鋼製エンドタブが嫌われる理由の1つが、「除去が面倒」という点で、僕が担当した物件でも何度か、「固形エンドタブ」に代替したい、という意見がありました。
固形エンドタブは簡便で良いのですが、溶接部の破断が46%を占めるという実験結果が接合部指針に書かれています。安易に固形エンドタブへ代替するのも考え物だと思います。
※固形エンドタブは下記が参考になります。
固形エンドタブの形状に、L、V、K型があります(他にもI型等)。この中で、L型、V型で溶接部の破断が起きたものは28%、K型では63%です。
K型の固形エンドタブは注意したい、ということでしょうか。また、固形エンドタブ工法では、「溶接溶け込み不良が起きやすく注意が必要」と接合部指針でも明記されています。
混同しやすい用語
固形エンドタブ(セラミックスタブ)
磁石と専用治具で取り付ける非溶接型のエンドタブで、切除不要である。
鋼製エンドタブとは取り付け方と施工後の処理が異なる。
スカラップ
梁端ウェブの切欠きで溶接を行いやすくする目的があり、エンドタブとは形状・設置箇所が全く異なる。
溶接補助という点では関連するが、別々の部位の処理である。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
固形エンドタブは施工が楽な反面、溶接部の破断率が46%と高く、K型では63%にのぼります。
安易に代替する前に接合部指針の実験データを確認することが重要です。
除去方法はガスによる荒切り後にグラインダー仕上げを行うのが一般的です。(一級建築士 頻出:エンドタブの除去方法(ガス荒切り→グラインダー仕上げ)が施工試験で繰り返し出題)