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溶接線の終始端部では溶接不良が起こりやすい問題があります。そのため、溶接部の耐力算定では両端部はサイズ分だけ耐力を控除することが行われています。
では、実際の現場でどうしているのか、というと溶接不良が起きにくい配慮がなされています。それがエンドタブです(この記事では、断らない限りエンドタブ=鋼製エンドタブです)。
要は、部材の溶接を行う時、「エンドタブまで溶接」すれば、溶接欠陥が起きやすい終始端はエンドタブ内で発生します。これにより部材内の溶接は適切に行われているわけです。
ちなみに、溶接サイズによりますが、大体30mm程度あればエンドタブの長さは十分です。
今回は、そんなエンドタブに関する5つのポイント(TIPs)を紹介します。
※エンドタブの詳細は下記が参考になります。
エンドタブは原則除去することが望ましいです。と、いうのも上記で説明したように、溶接欠陥を部材に起こさないための副産物的な部品だからです。
建築学会の接合部指針によれば、エンドタブを除去していない場合では溶接部からの破断が84%を示しています。
※溶接欠陥は下記が参考になります。
溶接欠陥とは?本当にわかる9つの種類とブローホールとピットの違い
エンドタブを、円弧状に除去した場合は、除去した効果はあまりなく、溶接部から破断することが実験からわかっています。
※破断の意味は下記が参考になります。
エンドタブを5mm程度残して材軸方向に切断した場合、局部座屈によって終局耐力に至る場合がほとんどで、エンドタブを除去する効果が大きい実験結果が得られています。
また、エンドタブの除去方法はガスによる荒切りか、グラインダー仕上げにより行われています。30mmもグラインダーで削るのは大変そうですから、ガスで切る方法が一般的なんでしょうか。
※材軸方向の意味は下記が参考になります。
材軸とは?1分でわかる意味、材軸方向、材軸直交方向、モデル化との関係
固形エンドタブはセラミックスタブとも呼ばれます。鋼製エンドタブが母材に溶接してくっつける一方、固形エンドタブは磁石と専用治具で留めることから、切除を必要としません。
実は鋼製エンドタブが嫌われる理由の1つが、「除去が面倒」という点で、僕が担当した物件でも何度か、「固形エンドタブ」に代替したい、という意見がありました。
固形エンドタブは簡便で良いのですが、溶接部の破断が46%を占めるという実験結果が接合部指針に書かれています。安易に固形エンドタブへ代替するのも考え物だと思います。
※固形エンドタブは下記が参考になります。
固形エンドタブの形状に、L、V、K型があります(他にもI型等)。この中で、L型、V型で溶接部の破断が起きたものは28%、K型では63%です。
K型の固形エンドタブは注意したい、ということでしょうか。また、固形エンドタブ工法では、「溶接溶け込み不良が起きやすく注意が必要」と接合部指針でも明記されています。
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