この記事の要点
延性破壊(えんせいはかい、またはじんせいはかい)とは、材料が大きな塑性変形(くびれ・伸び)を示した後に破断する破壊形式です。
脆性破壊(突然破断・エネルギー吸収少)との違い、せん断破壊との関係、建築の耐震設計で延性破壊が望ましい理由を解説します。
鋼材を引張試験すると、延性破壊の様子がよくわかります。
この記事では、延性破壊とは何か、脆性破壊とどう違うのか、せん断破壊とどう関係するのかを整理します。
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延性破壊とは、塑性変形したのち起きる破壊です。
鋼材を引張試験すると、延性破壊の様子がよくわかります。
今回は延性破壊の意味、読み方、脆性破壊との違い、延性材料、せん断破壊との違いについて説明します。
似た用語に靭性、対義語に脆性破壊があります。
靭性、脆性破壊の意味は、下記が参考になります。
靱性(じんせい)とは?意味・靭性のある材料と建物の耐震性・脆性との違い
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延性破壊とは、塑性変形したのちに起きる破壊です。下図をみてください。これが延性破壊です。
延性破壊は、破壊までに下記の現象が生じます。
降伏
応力度の減少、変形の増加
再硬化
破断
下図をみてください。鋼材の応力ひずみ関係です。降伏までは線形的に変形が増加します。その後、応力が低下します。次の段階では、変形が増加しつつも応力が増加し、最大の応力を示します。その後、ようやく破断します。
上記の通り、延性破壊は「十分に変形した後、破断する」という特徴があります。鋼材の応力ひずみ関係、塑性の性質は、下記が参考になります。
応力ひずみ線図とは?ヤング率との関係・見方と材料別の特徴(鋼材・コンクリート・脆性材料)
延性破壊は、「えんせいはかい」と読みます。関係用語の読み方は、下記です。
延性 ⇒ えんせい
延性材料 ⇒ えんせいざいりょう
脆性破壊 ⇒ ぜいせいはかい
延性の意味は、下記が参考になります。
延性とは?靭性・脆性との違いと延性破壊・DS値(構造特性係数)への影響
延性破壊と脆性破壊の違いを下記に示します。
延性破壊 ⇒ 塑性変形後、破壊する現象。十分に変形したのち壊れる。
脆性破壊 ⇒ 急に耐力を失い破壊する現象。変形量は少ない。
脆性破壊の意味は、下記が参考になります。
延性材料は、延性破壊を起こします。延性材料とは、鋼材やアルミニウムなどの金属系材料が多いです。延性の意味は、下記が参考になります。
延性とは?靭性・脆性との違いと延性破壊・DS値(構造特性係数)への影響
せん断破壊とは、せん断力により生じる破壊です。部材が急激に耐力を失う破壊なので、脆性破壊の1つです。せん断破壊の意味は、下記も参考になります。
延性破壊とは対照的な破壊形式と考えてください。
混同しやすい用語
延性破壊
塑性変形して十分に変形した後に起こる破壊です。
急激ではなく粘り強く変形するため、破壊前に変形の予兆があります。
脆性破壊
塑性化せず急激に起こる破壊です。
せん断破壊が代表例で、変形の予兆なく耐力を急に失います。
延性破壊と対照的です。
せん断破壊
せん断力によって生じる脆性的な破壊形式です。
曲げによる延性破壊より危険性が高いとされます。
延性破壊を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 延性破壊 | 塑性変形したのちに起きる破壊 | 十分な変形後に破断する |
| 脆性破壊 | 急激に耐力を失う破壊 | 変形量が少ない |
| せん断破壊 | せん断力による破壊 | 脆性破壊の一種 |
今回は延性破壊について説明しました。意味が理解頂けたと思います。延性破壊は、塑性変形したのち起きる破壊形式です。建物に用いる構造部材は、延性破壊となる材料を用います。延性、靭性の意味など、下記も勉強しましょう。
延性とは?靭性・脆性との違いと延性破壊・DS値(構造特性係数)への影響
靱性(じんせい)とは?意味・靭性のある材料と建物の耐震性・脆性との違い
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延性破壊とは何で、どう読みますか?
延性破壊(えんせいはかい)は塑性変形(くびれ・伸び)したのちに起きる破壊です。鋼材を引張試験するとよくわかり、降伏まで線形的に変形が増加→応力が低下→変形が増加しつつ応力も増加し最大応力→ようやく破断します(十分に変形した後に破断する特徴)。延性材料(鋼材やアルミニウムなどの金属系材料)が延性破壊を起こします。
延性破壊と脆性破壊・せん断破壊の関係は?
延性破壊は塑性変形後に壊れ破壊前に変形の予兆がありますが、脆性破壊は塑性化せず急に耐力を失います(変形量が少なく予兆なし)。せん断破壊はせん断力により部材が急激に耐力を失う破壊で脆性破壊の一つで、延性破壊とは対照的、曲げによる延性破壊より危険性が高いとされます。建物に用いる構造部材は延性破壊となる材料を用います。
