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靭性とは?靭性のある材料とは?建物の耐震性との関係

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靭性という用語をご存じでしょうか。構造設計では、建物の靭性を考慮します。では、靭性とは何を意味するのか。今回は、靭性と建物の耐震性について説明します。


靭性の反対を意味する用語が脆性です。脆性の意味は、下記の記事が参考になります。

脆性破壊ってなに?1分でわかる意味と、脆性破壊の種類

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靭性とは?

靭性を一言でいうと、


「粘り強さ」


です。材料に対して「靱性がある材料」ということもあれば、建築物に対して「靱性がある」と言うこともあります。


反対の意味に、「脆性」があります。靭性と脆性の違いは後述します。

靱性のある建築材料

靱性のある材料は、「粘り強さのある材料」です。これを専門的に言うと「塑性化領域のある材料」といえます。※塑性に関しては下記の記事が参考になります。

弾性と塑性の性質について


塑性化する代表的な材料が鋼です。鋼の引張試験をすると良く分かりますが、弾性領域を超えると、加力しても荷重は増えずに変形だけが進みます。※詳しくは、前述した参考記事をご確認ください。


荷重を加えて最大耐力を迎えると「バチッ!」と切れてしまう材料と、最大耐力を迎えた後も「ぐにゃ~」と伸びる材料では後者の方が、何となく安心です。下記に靱性のある建築材料を示しました。

鋼は最も代表的な、靱性のある材料です。降伏強度(400級鋼なら235N/m㎡)を超えると塑性化領域に入ります。但し、座屈のように靱性のない壊れ方を起こすこともあります。

鉄筋コンクリート

鉄筋コンクリートは、鋼より不安定な性状を示しますが塑性化する材料です。コンクリートがひび割れたり、中の鉄筋が塑性化するため靱性のある材料です。但し、後述する「脆性破壊」を起こす危険性もあります。

木は、支圧(接合部のめり込み)により、靱性のある材料となります。そのため接合部の設計が重要な課題です。

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靱性のある構造形式

靱性のある構造形式とは、前述した「粘り強さを持つ」建物です。地震が起きた時、急に壊れるのではなく、変形し地震のエネルギーを吸収する構造です。また後述する脆性破壊は起こさない構造です。


専門的にいえば、部材端部に塑性ヒンジが発生し、エネルギーを吸収する形式が該当します。※塑性ヒンジについては下記の記事が参考になります。

塑性ヒンジってなに?1分でわかる塑性ヒンジの意味と、建物の靱性


そんな靱性のある構造形式の1つがラーメン構造です(但し、横座屈や局部座屈は起きない、脆性破壊も起きないと考えます)。ラーメン構造は、比較的柔らかい構造形式です。しかし柔らかいがゆえに、地震が起きても柳のように変形し(イメージです)、地震力を吸収します。


空間を広くとれるので(柱と梁で架構を組んでいるから)、多用される形式です。※ラーメン構造については下記の記事が参考になります。

ラーメン構造物とは


靱性のない構造形式

一方、靱性のない構造形式が「ブレース構造」や「耐力壁付きラーメン構造」などです。ブレースや耐震壁は剛性がとても高く(固い)、普通の柱や梁に比べて、沢山地震力を負担します。


そのような建物は、ブレースが破断または耐震壁がせん断破壊したとき、建物の耐力が急激に低下します。「耐力は高いですが、急激な耐力低下を起こす建物」が靱性のない構造形式です。※ブレース構造や耐震壁については下記の記事が参考になります。

ブレース構造とは何か?

耐震壁ってなに?すぐに分かる耐震壁の意味と役割、耐力壁との違い

靱性と脆性

靱性に対して「脆性」という用語があります。脆性とは、脆く壊れやすい性質のことです。※脆性破壊については下記の記事が参考になります。

脆性破壊ってなに?1分でわかる意味と、脆性破壊の種類

建物は靱性に優れている方が良い?

以上、靱性について説明しましが、建物は靱性のある・無し、どちらが良いのでしょうか。ここまで記事を読んだ方なら、「当然、靱性のあるほうだ」と思うでしょう。答えは、「どちらでもない」です。


確かにせん断破壊のような脆性破壊は危険ですが、耐震壁付きラーメン構造のように十分な耐力を満足した上で、せん断破壊するならOKというのが現在の設計法です。


パワーのあるパンチで一発逆転を狙うファイター型と、足でポイントを稼ぐボクサー型の違いとでも言いましょうか。いや、それは少し違うな。ともかく、靱性の無い建物が「悪」ではないことを覚えてください。

まとめ

今回は、靱性について説明しました。靱性は、材料だけに使う言葉ではありません。建物に対する靱性も覚えましょう。

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