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風力係数(ふうりょくけいすう)とは、建物の形状や作用する箇所によって異なる係数です。速度圧に風力係数をかけた値が風圧力です。風力係数cfは、外圧係数から内圧係数を引いて求めます。今回は風力係数の意味、計算例、cf、吹き上げ、風上、風下、独立上屋との関係について説明します。風圧力、風荷重の意味は下記が参考になります。
風圧力とは?1分でわかる意味と計算、速度圧と風力係数、受圧面積との関係、風荷重との違い
風荷重とは?1分でわかる意味、読み方、公式、見付面積との関係、フェンスの風荷重
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風力係数(ふうりょくけいすう)とは、建物の形状や作用する箇所によって異なる係数です。下式で計算します。
Cf=Cpe-Cpi
Cfが風力係数、Cpeが外圧係数、Cpiが内圧係数といいます。外圧係数、内圧係数の意味は下記が参考になります。
外圧係数とは?1分でわかる意味、求め方、読み方、内圧係数との違い、風荷重との関係
内圧係数とは?1分でわかる意味、求め方、閉鎖型、外圧係数との違い
CpeやCpiの値は、建物の形状や部位、風向きにより細かく分かれています。例えば、片流れ屋根の建物の壁面に風が作用します。風上側の壁のCpe=0.8です。Cpi=-0.2より
Cf=Cpe-Cpi=0.8-(-0.2)=1.0
です。
一方、同じ屋根形状でも、下図のように風下側の壁になると風力係数は変わります。風下壁面のCpe=-0.4、Cpi=0とすれば
Cf=Cpe-Cpi=-0.4-0=-0.4
です。壁面に作用する外圧係数の一部を下記に示します。
風上壁面 ⇒ 0.8 kz
側壁面 ⇒ -0.7、-0.4 kz
風上屋根面 ⇒ -1.0~0.8 kz
風下屋根面 ⇒ 0.5 kz
風下壁面 ⇒ 0.4 kz
内圧係数は、建物の閉鎖型、開放型により値が変わります。閉鎖型の場合、内圧係数は0または-0.2です。一方、開放型の場合は下記です。
風上開放 ⇒ 0.6
風下開放 ⇒ -0.4
下記も参考になります。
外圧係数とは?1分でわかる意味、求め方、読み方、内圧係数との違い、風荷重との関係
内圧係数とは?1分でわかる意味、求め方、閉鎖型、外圧係数との違い
Cfは風力係数の記号です。下図の風力係数Cfを求めましょう。ただし、風下が開放した建物です。
壁面は風上側にあります。よって外圧係数Cpe=0.8です。内圧係数は、開放型と閉鎖型で値が違うので注意してください。上図は、風下が開放していますね。よってCpi=-0.4です。風力係数は、
Cf=Cpe-Cpi=0.8-(-0.4)=1.2
です。閉鎖型と開放型で、係数が変わる点に注意しましょう。詳細は建築物の構造関係技術基準解説書などに明記あります。
風圧力は屋根にも作用します。屋根を、上側に押し出す働きの風圧力を「吹き上げ」といいます。箱型の建物(一般的な建物)よりも、独立上屋の方が問題になることが多いです。※独立上屋については、後述します。
風力係数を計算するとき、風上と風下が混乱すると思います。下図をみてください。
上図でいうと、矢印のある壁側が「風上」で、それと反対の壁側が「風下」です。
下図のように、屋根を支える柱・梁と屋根だけが独立する構造物を「独立上屋」といいます。独立上屋に作用する風圧力の風力係数は、CpeやCpiの算定が不要です。形状や角度に従い、Cfを選びます。
また、フェンスのような網状の構造物は、風力係数Cf=1.4、円筒状の構造物の風力係数Cf=0.9または0.7のように規定されます。その他、ラチス構造物も形状などに応じてCfを選びます。詳細は下記の書籍か、告示1454号を参考にしてください。
今回は風力係数について説明しました。意味、求め方など理解頂けたと思います。風力係数は、建物の形状や部位で変わる係数です。建物の開放型、閉鎖型、風上、風下の違いで、外圧係数や内圧係数が変わります。係数の詳細な値は、書籍や告示1454号を確認しましょうね。下記も勉強になります。
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