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重心と剛心の違いとは?偏心距離e・偏心率・耐震設計との関係

この記事の要点

建物の重心は重さの中心、剛心は建物のかたさの中心です。

両者の距離がずれることで建物にモーメントが作用します。

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重心と剛心の距離は、建物の耐震設計において重要な概念です。

建物の重心は重さの中心(鉛直部材に作用する長期軸力の合力の作用点とすることが多い)、剛心は建物のかたさの中心です。

地震力は慣性力なので、地震力は建物の重心位置に作用します。

剛心はかたさの中心なので、剛心を中心として力に抵抗します。

よって、重心と剛心が不一致のとき、剛心を中心としたモーメントが作用します。

重心と剛心が一致すれば偏心によるモーメントは生じません。

今回は、重心と剛心の距離の関係、意味、偏心距離eの求め方について説明します。

偏心率の意味、偏心率の計算は下記も参考になります。

偏心率とは?重心・剛心・偏心距離との関係と計算方法

偏心率の計算方法は?5分でわかる式、建物の重心、剛心の求め方、弾力半径、ねじり剛性の算定

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重心と剛心の距離の関係は?

建物の重心は、建物を構成する各部材による重さの中心(鉛直部材に作用する長期軸力の合力の作用点とすることが多い)です。建物の重心距離は下式で算定します。


建物の重心の求め方


建物は、柱、梁、壁、床など色々な構造部材で構成されています。また、床上や壁には仕上げ材を張り、床下には天井を取り付け、さらに物品を置き、人々が活動します。


これらの長期的な重さ(荷重)の合計が作用する点が建物の重心位置です。物理学で習ったように、重心はモーメントのつり合いから求めます。

重心とは?意味・定義・求め方の公式と建物の重心計算(偏心率への応用)

建物の重心の求め方は?計算式・偏心率との関係と地震力への影響(モーメントのつり合い)


一方、剛心は建物のかたさの中心です。部材の変形のしにくさを「かたさ」と考えてよいでしょう。部材のかたさは、断面の大きさ、長さ、各部材との関係、材料などで決定します(※一般的な建物では1つの建物に1つの構造材料を使うので材料の影響はない)。


それらの部材のかたさにより建物のかたさが決定します。このかたさの中心が剛心で、下式で求めます。


剛心の求め方


地震力は慣性力なので、地震力は重心位置に作用します。地震力に対して建物は抵抗しようとしますが、剛心を中心に抵抗します。


よって重心と剛心の位置が不一致のとき、重心と剛心が離れている距離だけモーメントが作用します。


偏心率の計算方法


モーメントは、物体を回転させようとする力なので、建物はねじれるような変形が生じます。重心と剛心の距離が離れるほどモーメントは大きくなり、この回転に伴う変形も増大するのです。


逆に、重心と剛心の距離を近づければモーメントは小さくなり、余計な変形は生じません。このような重心と剛心のバランスを偏心率、重心と剛心の距離の差を偏心距離といいます。偏心率の意味は下記が参考になります。

偏心率とは?重心・剛心・偏心距離との関係と計算方法

偏心距離eの求め方は?

偏心距離eの求め方は下記の通りです。


・偏心距離e=|剛心位置-重心位置|


上式の通り、偏心距離は剛心と重心の距離の差の絶対値です。負の距離は無いので絶対値をとります。偏心距離の詳細は下記も参考になります。

偏心距離ってなに?1分でわかる意味と、偏心率との関係

偏心率の計算方法は?5分でわかる式、建物の重心、剛心の求め方、弾力半径、ねじり剛性の算定

混同しやすい用語

重心

建物を構成する部材の重さの中心(鉛直力の合力の作用点)のこと。

地震力(慣性力)は重心位置に作用する。

剛心

建物のかたさの中心のこと。

地震力に対して建物が抵抗する中心点であり、剛心を中心にねじれに抵抗する。

偏心距離

重心と剛心の位置のずれ(距離の差の絶対値)のこと。

偏心距離が大きいほど建物にはたらくモーメントが増大する。

重心と剛心の距離の関係を整理した表を示します。

項目内容備考
重心建物の重さの中心地震力の作用点
剛心建物のかたさの中心耐力の中心点
偏心距離重心と剛心の距離の差(絶対値)大きいほどモーメント増大

まとめ

今回は、重心と剛心の距離の関係について説明しました。

重心は、建物の重さの中心で、剛心は建物のかたさの中心です。

両者の距離がずれることで建物にモーメントが作用します。

また、重心と剛心のバランスは偏心率で表します。

偏心率の計算方法、偏心距離の意味など下記も参考になります。

偏心率の計算方法は?5分でわかる式、建物の重心、剛心の求め方、弾力半径、ねじり剛性の算定

偏心距離ってなに?1分でわかる意味と、偏心率との関係

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理解度チェック

Q.

重心と剛心の違いは何ですか?

答えを見る

建物の重心は重さの中心(鉛直部材に作用する長期軸力の合力の作用点とすることが多い)、剛心は建物のかたさの中心です。地震力は慣性力なので重心位置に作用し、剛心を中心として力に抵抗します。

Q.

重心と剛心がずれると何が起き、偏心距離eとは?

答えを見る

重心と剛心が不一致のとき、剛心を中心としたモーメント(偏心によるモーメント)が作用します。重心と剛心が一致すれば偏心によるモーメントは生じません。この重心と剛心の距離が偏心距離eで、偏心率の計算に用います。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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