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弾力半径とは?3分でわかる意味、定義と求め方、偏心率との関係

この記事の要点

弾力半径とは、建物のねじりにくさを距離で表した値です。

弾力半径は「ねじり剛性÷各方向の水平剛性の和」から求めます。

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弾力半径とは、建物のねじりにくさを距離で表した値です。

弾力半径は「ねじり剛性÷各方向の水平剛性の和」から求めます。

なお、物理学で習う回転半径に対応する値です。

ある物体を回転させようとするとき、回転軸から物体の中心までの距離(回転半径)が大きいほど「物体は回転しにくい」と感じるはずです。

今回は、弾力半径の意味、定義と求め方、偏心率との関係について説明します。

偏心率の計算、慣性モーメントの詳細は下記が参考になります。

偏心率の計算方法は?5分でわかる式、建物の重心、剛心の求め方、弾力半径、ねじり剛性の算定

慣性モーメントとは?【近日公開予定】

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弾力半径とは?定義と求め方

弾力半径とは、建物のねじりにくさを距離で表した値です。弾力半径の定義と求め方を下記に示します。Krはねじり剛性、Kx、Kyは部材の水平剛性です。


弾力半径の求め方2

ねじり剛性の求め方


一見、よくわからない式に見えますが、弾力半径は物理学で習う「回転半径」に対応しています。また、ねじり剛性は断面極二次モーメントに対応します。

断面二次極モーメント(Ip)とは?長方形の公式・Ix+Iyとの関係


下図をみてください。ある物体について軸を中心に回転させようとします。


物体の回転と回転半径


物体の質量m、物体の中心から回転軸までの距離(回転半径)をrとします。このときmとrの関係は、


I=mr^2


で表せます。Iを慣性モーメントと言い、回転を起こす力(M)とIの関係は、


M=Iθ''


です。※θ''(角加速度)は時間tでの2階微分。Iの値が大きいほどθ''は小さくなるのですなわち、回転しにくいことを意味します。


さて、Iの値はmとr^2の積です。回転半径rが長いほどIは大きくなるので、回転半径を大きくすれば回転しにくくなりますね。I=mr^2をr=の形に変形すると、


・r=√(I/m)


になります。建物の回転のしにくさは、ねじり剛性として与えられます。ねじり剛性とは、ねじりに対するかたさで、断面極二次モーメントが関係します。断面極二次モーメントIpは「Ix+Iy」のようにx方向とy方向の断面二次モーメントの和で求めます。


つまり、建物のねじり剛性は、x方向とy方向の「水平剛性×原点から部材芯までの距離の総和」の足し算から得られます(断面二次モーメントの定義式におけるA(dA)をKx、Kyとした値)。

弾力半径と偏心率の関係

偏心率は、偏心距離を弾力半径で割り算した値です。

偏心距離は「ねじれのしやすさ」、弾力半径は「ねじりにくさ」を表す値です。

よって、偏心率が小さい(偏心距離が小さい、弾力半径が大きい)方が、ねじれにくい建物ですね。

偏心率の計算は下記が参考になります。

偏心率の計算方法は?5分でわかる式、建物の重心、剛心の求め方、弾力半径、ねじり剛性の算定

混同しやすい用語

弾力半径

建物のねじりにくさを距離で表した値で、物理学の回転半径に対応します。

大きいほどねじれにくい建物です。

偏心距離

重心と剛心のずれ(距離)を表します。

ねじれのしやすさを示す値で、弾力半径と組み合わせて偏心率を計算します。

偏心率

偏心距離を弾力半径で割り算した無次元の値です。

0.15以下を目標とし、値が小さいほどねじれにくい建物です。

試験での問われ方|管理人の一言

弾力半径に関する問題は建築士試験の構造分野で出題されます。

定義と計算の両面から理解しておきましょう。

試験では剛性率(各階の剛性の均一性)と偏心率(重心と剛心のずれ)の計算と判定基準が出題されます。

「剛性率:0.6以上」「偏心率:0.15以下」という基準値を理解し、計算の流れを整理しましょう。

弾力半径を整理した表を示します。

項目内容備考
弾力半径の定義ねじり剛性÷各方向の水平剛性の和建物のねじれにくさを距離で表す
偏心率との関係偏心率=偏心距離÷弾力半径偏心率0.15以下が基準
弾力半径の意味大きいほど建物はねじれにくい耐震設計で重要な指標

まとめ

今回は、弾力半径について説明しました。

弾力半径とは、建物のねじれにくさを距離で表した値です。

よって、弾力半径が大きいほど「ねじれにくい建物」と言えます。

また、偏心率は「偏心距離÷弾力半径」で求めます。

偏心率の計算、偏心と重心、剛心の関係など下記も勉強しましょう。

偏心率とは?重心・剛心・偏心距離との関係と計算方法

建物の重心の求め方は?計算式・偏心率との関係と地震力への影響(モーメントのつり合い)

偏心距離ってなに?1分でわかる意味と、偏心率との関係

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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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