この記事の要点
1995年の阪神淡路大震災で、特定の高さの建物が集中的に被害を受けた。
その原因の一つが共振だ。
地震の周期と建物の固有周期が一致すると、地震入力が増幅されて変形が極端に大きくなる。
高層建物ほど固有周期が長く、長周期地震動(例:南海トラフ型)との共振リスクが高まる。
現在の耐震設計では共振を前提として検討する手法も取り入れられている。
免震構造は建物周期を意図的に長くして地震周期とのずれを大きくすることで共振を防ぐ技術だが、長周期地震動に対しては別のリスクが生じる。
この記事では、共振とは何か、固有周期とどう関係するのか、地震との関係はどうなっているのかを整理します。
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共振とは、建物の固有周期と地震の周期が一致し、大きく振動する現象です。同じ力を持つ地震力でも、共振が起きると揺れ方が全く違います。
今回は、共振の意味、原理と地震の関係、固有周期と卓越周期について説明します。※固有周期、地震動については下記の記事が参考になります。
共振は、建物の固有周期と地震の周期が一致し、大きく揺れる現象です。
固有周期とは、建物が持つ固有の周期です。建物ごとに、固有周期は違います。簡単にいうと、「揺れ方」です。
短い時間で、小刻みに揺れる建物もあれば、ゆったり揺れる建物もあります。一方、地震の揺れ方も色々あります。
建物と同じように、小刻みに揺れる地震、ゆったり揺れる地震など、色々です。
建物の固有周期と地震の周期の一致は、建物の揺れ方と地震による「揺らし方」の一致、と考えてください。
このとき共振が起き、建物は大きく揺れます。地震の揺れ方、建物の揺れ方の豆知識として、下記の記事が参考になります。
身近な物として揺りかごがあります。揺りかごは、小刻みに揺らしても、あまり揺れません。一方、ゆっくりと揺らすと大きく揺れますね。
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現在、高層建築物など免震が採用されています。免震とは、地盤の揺れ(地震)が建物に伝わりにくくする技術です。
意図的に建物周期と地震の周期をずらして、建物を揺れにくくします。
免震を採用した建築物は、ゆっくり揺れる性質(長周期)があります。これは、短周期地震動に対して効果的ですが、長周期地震動に対してリスクがあります。
共振による最も有名な被害が、「タコマ橋の崩落」です。正式な名前は、タコマナローズ橋です。
アメリカの海峡にかかる橋でした。タコマ端は一見、何も問題なく設計・竣工を終えました。
しかし、竣工からほどなくして突如、大きく揺れだし崩落したのです。崩落時の原因になったのは風でした。
ただ、風圧力は設計で考慮した風圧力を下回るものでした。実際は、「共振」が問題だったのです。
タコマ端の崩落は、youtubeなどの動画でみることができます。共振が恐ろしい現象だと再認識させられます。
混同しやすい用語
共振
建物の固有周期と地震の周期が一致することで振動が増大する現象。
免震は意図的に固有周期を長くして地震周期とのずれを確保するのに対して、共振はそのずれがなくなった状態を指す。
固有周期(建物)と卓越周期(地震動)
固有周期は建物固有の周期で、重量と剛性によって決まる。
卓越周期は地震動が最もエネルギーを持つ周期成分であり、建物の固有周期と卓越周期が一致したとき共振が生じる。
共振を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 共振の定義 | 建物の固有周期と地震の周期が一致し、振幅が増大する現象 | 揺れ方の「一致」が鍵 |
| 固有周期(建物) | 建物の重量と剛性によって決まる固有の振動周期 | 低層建物は短周期、高層建物は長周期 |
| 免震との関係 | 免震は固有周期を意図的に長くし、地震周期とのずれを確保して共振を防ぐ | 長周期地震動には注意が必要 |
今回は共振について説明しました。共振は、建物の固有周期と地震の周期が一致し、大きく揺れることです。
共振の意味、固有周期との関係を理解しましょう。固有周期の求め方を理解すると、なおよいですね。下記の記事も併せて参考にしてください。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では「共振により振幅が大きくなる」「免震は固有周期を長くする」という組み合わせの正誤問題として頻出する。
タコマ橋崩落などの事例と結びつけて「共振=周期の一致で振動が増大」というイメージを固めておくと選択肢を絞りやすくなる。