この記事の要点
建物の固有周期T=2π√(m/k)は質量mと剛性kのみで決まり、質量が大きいほど・剛性が小さいほど周期が長くなる(ゆっくり揺れる)。
地震動の周期と建物の固有周期が一致すると共振が起き揺れが激しくなり、地震動の周期が建物より極端に小さい場合は建物はほとんど揺れないという周期差による振動挙動の違いを押さえることが耐震設計の基本となる。
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地震が起きた時、それに振られて建物も振動します。それは皆さんご存知の通りです。
今でもよく分かっていないことも多い建物の振動ですが、今回は入門編として建物の揺れと地震に関するポイントを紹介します。
頭の体操に、これから微分方程式をガリガリ解いている方の箸休めとしてどうぞ。
建物にはソレ特有の周期をもっています。これを固有周期と呼びます。とても単純な微分方程式を解くことで、Tの式を得ることができます。この固有周期Tを下式で示すのです。
T=2π√w(w=m/k)
このとき、mは質量、kが剛性です。つまり、建物の固有周期は、建物の質量と剛性にのみ関係します。質量が大きこと、又は剛性が小さければ建物はゆーっくりと揺れます。
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今では各階毎に質点モデルをつくり振動解析が可能です。しかし、手計算の時代やコンピューターの計算速度が遅い時期、階を減らして計算することは有効な手段だったのです
例えば、10階建ての質点モデルを5質点系にするなど。固有値解析を行うと、1~3次が卓越する固有値モードになるので、こういった縮約は有効なのです。
水平方向はいわゆる串団子モデルを用います。しかし、鉛直方向の振動解析をする場合、梁を質量なしのバネと考え、中央に質点をもつモデルを考えます。
質点モデルをつくるとき、その重量は各階高の1/2とします。
地震動の周期と建物の周期が一致すると、揺れが何倍~何十倍にも増幅されます。これを共振と呼びます。当HPの振動方程式の解に詳しく述べています。
地震動がゆーらゆーらと揺れるとき、建物の周期が小さくても次第に大きく揺れるようになります。理論はわからなくてもイメージできるかと思います。
地震動の揺れと逆向きに建物が揺れるときがあります。これを逆位相と呼びますが、地震動の周期が小さく、建物の周期が長いとき起きる現象です。
地震動の周期がとても小さいとき、建物はほとんど揺れません。
混同しやすい用語
共振と逆位相
共振とは地震動の周期と建物の固有周期が一致するときに揺れが何倍にも増幅される現象で、構造設計上最も避けるべき状態である。
逆位相とは地震動の周期が建物の固有周期より短いときに建物が地震動とは逆向きに揺れる状態で、揺れ自体は小さいが振動特性の理解として重要な概念である。
固有周期Tと卓越周期(地震動の周期)
固有周期Tは建物固有の振動周期でT=2π√(m/k)で定まり、建物の形状・剛性・質量によって決まる。
地震動の卓越周期は地盤条件によって変わり、軟弱地盤ほど長周期化する傾向があるため、長周期建物(高層建物)と軟弱地盤の組み合わせでは共振に注意が必要となる。
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試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では「固有周期・共振・卓越周期」の関係や、地震動の周期が建物より大きい・小さい場合の振動の違いが選択式問題で繰り返し問われる。
「地震動の周期が建物の固有周期より極端に小さければ揺れない」「一致すれば共振して揺れが増大」という基本パターンを整理しておくと多くの問題に対応できる。