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非減衰自由振動の解

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初めにもっとも単純な運動方程式である非減衰自由振動の解を導出してみましょう。


通常の建物には減衰という地震応答を低減させる復元力が発生しますが、これを無視して考えてみます。


自由振動であれば外力は0です。この状態での振動は、例えば、物理で習った振り子の問題で、


自分では手を加えずにある位置から玉を押さえておいて離したときに発生する振動と同様のものです。


振動している状態で、力のつり合いを考えると、図のようになりあます。まず、質量×重力加速度が物体の力として作用します。


この方向をプラスと定義しています。また、この力が作用したとき元の状態に戻ろうとするバネの力、復元力が逆方向に発生します。


この図は振動している一瞬を取り出したものと考えてください。つまり、この状態で力=復元力という等式が成り立つはずです。


よって、以下の式で表すことができます。


ma=-kx

ma+kx=0


ここで、mは質点の重量、aは加速度、kはバネ剛性xは変位を表しています。また、加速度は変位の二階微分と同様なので

非減衰自由振動のモデル

a=x''

mx''+kx=0

x''+(k/m)x=0

k/m=w2

x''+w2x=0


と変形できる。ここで、wは固有円振動数と言われています。なぜ、 (k/m)=w2としているかといえば計算しやすくするためですね。


さて、以上のように示した運動方程式は微分方程式であり非減衰自由振動解はこの方程式を解くことで得られます。数学的な手法からこのような問題を解く場合、


x=Aeλt


と考えます。この式はあくまでも物体が自由振動を起こしたときの応答を仮定したものです。


また、運動方程式のような動的な問題は時間に依存するために、tの時間関数であることに注意してください。


Aは適当に仮定した定数で、λは未知数です。


x=Aeλt

x'=Aλeλt

x''=2eλt

x''+w2x=0

2eλt+w2Aeλt=0

Aeλt(λ2+w2)=0


よって、以上の式が満たすようなλを求めればいいことになります。 Aeλtがゼロになるときはλの値が∞になる場合です。


このとき、変位xも無限となることから値は発散し解にはなりえません。よって、

(λ2+w2)=0

λ2=w2

λw

x=Aewit+Be-wit

となります。±の値が表れたのでこれを重ね合わせた上記に示す式となります。さらに、オイラーの公式を用いて三角関数を用いた形で表してみましょう。


※オイラーの公式とは、eがcosθとsinθの式で表すことができることをテイラ―展開で証明した等式です。

e±=cosθ±isinθ

x=Aeiwt+Be-wit

=A(coswt+isinwt)+B(coswt-isinwt)

=Acoswt+Bcoswt+Aisinwt-Bisinwt

=Acoswt+Bcoswt+Aisinwt-Bisinwt

=(A+B)coswt+i(A-B)sinwt

A1=(A+B),A2=(A-B)

=A1coswt+iA2sinwt


以上のように、非減衰自由振動の解を求めることが出来ました。理解できないところを集中的に勉強しましょうね。


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