建築学生が学ぶ構造力学

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減衰自由振動の解|運動方程式の導出と減衰比の意味

この記事の要点

地震後に建物が揺れ続けずにいずれ止まるのは、減衰力が働いているからだ。

減衰自由振動の方程式を解くと、振幅が指数関数的に減衰しながら振動する「不足減衰」の挙動が導かれる。

耐震設計では減衰比h≈0.05(5%)を標準として使うことが多い。

実際の建物の減衰は構造種別・仕上材・非構造部材の影響を受けるため、この値の意味を理解しておくことが大切だ。

減衰定数h(=c/2mω)の大きさにより振動の性質が変わります。

建築物ではh<1(不足減衰)が一般的で、減衰しながら振動し続ける解が得られます。

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次に単純な運動方程式である減衰自由振動の解を導出してみましょう。通常の建物には減衰という地震応答を低減させる復元力が発生します。自由振動であれば外力は0です。


この状態での振動は例えば物理で習った振り子の問題で、自分では手を加えずにある位置から玉を押さえておいて離したときに発生する振動と同様のものです。


振動している状態で、力のつり合いを考えると、図のようになりあます。まず、質量×重力加速度が物体の力として作用します。


この方向をプラスと定義しています。また、この力が作用したとき元の状態に戻ろうとするバネの力、復元力が逆方向に発生します。


この図は振動している一瞬を取り出したものと考えてください。つまり、この状態で力=復元力+減衰力という等式が成り立つはずです。


よって、以下の式で表すことができます。


ma=-cx'-kx

ma+cx'+kx=0


ここで、mは質点の重量、aは加速度、kはバネ剛性x、cは粘性減衰定数を表しています。また、加速度は変位の二階微分と同様なので

a=x''

mx''+cx'+kx=0

x''+(c/m)x'+(k/m)x=0

k/m=w2

c/m=2hw

x''+2hwx'+w2x=0


と変形できる。ここで、wは固有円振動数、hは減衰定数と言われています。


さて、(k/m)=w2、(c/m)=2hwという等式も、ここでは定義としているので深く考えないように進みましょう。


さて、以上のように示した運動方程式は微分方程式であり非減衰自由振動解はこの方程式を解くことで得られます。数学的な手法からこのような問題を解く場合、

x=Aeλt

と考えます。

この式はあくまでも物体が自由振動を起こしたときの応答を仮定したものです。

また、運動方程式のような動的な問題は時間に依存するために、tの時間関数であることに注意してください。

Aは適当に仮定した定数で、λは未知数です。

x=Aeλt

x'=Aλeλt

x''=2eλt

x''+2hw+w2x=0

2eλt+2hweλt+w2Aeλt=0

Aeλt(λ2+2hw+w2)=0

よって、以上の式が満たすようなλを求めればいいことになります。 Aeλtがゼロになるときはλの値が∞になる場合です。


このとき、変位xも無限となることから値は発散し解にはなりえません。よって、

(λ2+2hw+w2)=0

この二次方程式を解いてみよう。二次方程式の解を求める公式で求めると、

減衰自由振動の解

となります。この場合、h=1, h<1, h>1の3つの解が表れます。建築物の減衰定数はほとんどの場合h<1です。よって、このときの振動方程式を求めてみます。

減衰自由振動の解2

となります。±の値が表れたのでこれを重ね合わせた上記に示す式となります。さらに、オイラーの公式を用いて三角関数を用いた形で表してみましょう。

※オイラーの公式とは、eがcosθとsinθの式で表すことができることをテイラ―展開で証明した等式です。

e±=cosθ±isinθ

減衰自由振動の解3

以上のように、減衰自由振動の解を求めることが出来ました。理解できないところを集中的に勉強しましょうね。

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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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