この記事の要点
地震応答解析では加速度は「絶対加速度(=応答加速度+入力加速度)」、速度・変位は「相対速度・相対変位(=応答速度・応答変位)」として区別して扱う必要がある。
地震動はデジタルデータであるため理論解が得られず、ニューマークβ法などの数値解析で近似解を求めるが、その前提として絶対加速度と相対変位の概念を正確に理解しておく必要がある。
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地震動はデジタルデータと呼ばれ、関数としては意味のないデータです。そのため、振動方程式から理論解を得ることができません。
そこで、地震応答解析は主にニューマークβ法と呼ばれる数値解析を行い、近似解を得ます。
このサイトでもニューマークβ法のページを追加していますが、その前に地震応答解析に関して理解しなければならないことがあります。
それは、絶対加速度応答及び相対変位、相対速度応答の関係です。まず、地震動は通常の外力とは異なり、地面が振動し建物に外力を与えます。
よって、地震動が作用した際は地面自体が揺れることにより発生しますので、以下のような図となります。原点Oから地震動による距離をug(t)とします。
このモデルで、振動方程式を導いてみましょう。まあ、簡単ですね。串団子に加わる加速度は、地震動により地面に生じた変位ug(t)と串団子そのものの変位xを足し合わせて、二階微分したものです。
よって
です。
しかし、串団子の速度、変位に関しては串団子の変位xに関するものです。ここに注意してくださいね。
以上のように、地震応答解析では、加速度に関しては「絶対加速度」、速度や変位に関しては「相対速度、相対変位」と呼んでいます。
間違っても「相対加速度」や「絶対速度」などと言わないでください。
「絶対加速度」=x''+u''g(t)
「相対速度」=x'
「相対変位」=x
言葉で書くとこうなります。
「絶対加速度」=「応答加速度+入力加速度」
「相対速度」=「応答速度」
「相対変位」=「応答変位」
混同しやすい用語
絶対加速度と相対加速度(応答加速度)
絶対加速度とは観測者が静止した絶対座標から見た加速度で「応答加速度x''+入力加速度ü_g(t)」であり、建物に作用する慣性力を計算するときに使用する。
相対加速度(応答加速度)は地面を基準とした建物の相対的な加速度x''のみを指し、「相対加速度」「絶対速度」といった誤った組み合わせは存在しないことに注意が必要である。
相対変位と応答変位
相対変位xは地面に対する建物の変位(地面を基準とした変位)で、構造計算では建物の応答変位としてそのまま用いる。
一方、絶対変位はx+ug(t)であり、地震動の変位を含むが構造設計での変位評価では通常、相対変位(=応答変位)を用いる。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では「地震応答解析で用いる加速度は絶対加速度、変位・速度は相対量」という区別が記述・選択問題の両方で出題される。
「絶対加速度=応答加速度+入力加速度」「相対変位=応答変位」という対応関係を確実に覚えておき、「相対加速度」「絶対速度」という誤った表現に惑わされないよう注意しよう。