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これまで、非減衰事由振動、減衰事由振動、ステップ外力時の振動、強制振動等を学んできました。
外力としては、ステップ外力や強制外力を想定しましたね。このような、外力が関数の場合、振動方程式を組み立てて、微分方程式を解けば、応答解は求めることができます。
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下の図を見てください。これは、耐震設計の際、良く用いられるエルセントロNS波という地震波です。
このように地震動の波形は関数とは異なり無数の点の集合体で、その波形自体に意味を持たないため、微分方程式を解く方法はありません。
そこで、ニューマークβ法という数値解析の手法で地震動が作用した場合の近似解を求めます。
さて、地震動のような不規則な外力を受ける構造物の応答を解析するためには、微小な時間間隔ごとに運動方程式を積分して解を求めていく数値積分法が良く用いられます。
例えば、次のような地震動を考えてみましょう。このグラフを数値積分で近似します。すると、右の図のように考えることができますね。
このように、地震動を簡単な数値に置き換えて計算すれば、応答解を求めることができますね。
精度が必要なときはこの四角形の幅を狭く(時間刻みを細かく)することが重要です。
数値積分法で、以上のような微小時間内の加速度変化のしかたを仮定することにより、地震応答を解析する方法を加速度法と呼びます。
で、加速度法の中には「線型加速度法」、「平均加速度法」、「衝撃加速度法」が存在し、それらを纏めたものを「ニューマークのβ法」と呼んでいます。
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加速度法の中でも比較的解析精度も高く、結果が安定している「平均加速度法」を勉強しましょう。
平均加速度法では次のように、加速度変化を仮定します。このグラフは地震動の微小区間を示しています。
グラフのように任意の時間における加速度変化を考えてみましょう。
平均加速度法とは、加速度変化を前後の加速度で平均して仮定しています。
例えば、平均加速度法では、tn-1~tn区間での加速度を、時刻tn-1のときの加速度はy ''n-1 また、時刻tnのときの加速度y ''nを平均したもので表します。
よって、tn-1~tn区間での加速度は
(y''n-1+y''n)/2となります。同様に、tn~tn+1区間での加速度は(y''n+1+y''n)/2となります。
さて、加速度を一階積分すれば速度となるので、仮定した加速度のグラフから速度のグラフを描いてみましょう。
平均加速度法では、区間の加速度を一定としているので、その一階積分は1次関数のグラフとなります。
グラフからy'n+1を求めます。
ですね。加速度を積分したものが速度なので、速度のグラフで示した傾きは加速度の値となります。
さらに、傾きが分かっているので、それに時間区間Δtを掛ければy'n+1からy'nまでの長さがわかりますね。
次に速度を一階積分すれば変位となるので、仮定した速度のグラフから変位のグラフを描いてみましょう。
一階積分で、速度は一次関数で示したので、さらにその一階積分は2次関数のグラフとなります。
速度の関数を積分すれば変位となりますね。よって、
となります。
また、振動動方程式は
でした。また、y''0n+1は既知数です。(y''0n+1は外力です。自由振動の問題等では、ここは0でした。強制振動ではsinpt等を取り扱いましたね。)
以上の3つの未知数に3つの方程式が存在するので、これらを解けば、応答解が求めることが出来ます。
計算が少し面倒なので、結果だけのせると以下のようになります。(また、近いうちに誘導過程を示したものを掲載しておく予定です。)
以下の連立方程式を解き、未知数y''n+1を求める。
以上のように、加速度法では区間の加速度変化を仮定し、それらの方程式を解くことで応答解を近似的に求めることが出来ます。
しかし、この誘導だけだと、いまいち、何が便利なのか?どう使うのか?等が理解できないようです。
そこで、この式を深く理解するためには、実際にプログラムを組むことをおススメします。プログラムを組むことで、計算過程が良く理解できるでしょう。
ニューマークβ法の計算アルゴリズムを説明したページも、そのうち追加しておきますので、分からなくなった人は確認してください。
また、HP内のVBAという項目に「ニューマークβ」というファイルがあります。エクセルvbaで作成したものです。
ソースコードが読みたい人はメールで一言連絡ください。パスワードでロックを掛けていますので、メールで解除キーを添付します。
プログラムを組んでみたい人は「FortranでNewmark'sβ」読んでください。ソースコードも書いていあるので勉強出来ます。
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