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応答スペクトルとは何か?

この記事の要点

応答スペクトルは固有周期をパラメータとして地震応答の最大値(加速度・速度・変位)をグラフ化したもので、設計上の地震力評価に直接使われる。

固有周期が長いほど応答加速度は低下し応答変位は増大するという傾向があり、擬似スペクトルの関係式SD・SV・SAはω(固有円振動数)によって相互変換できる。

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応答スペクトルとは地震応答の最大値です。地震波の応答加速度等は固有周期Tに依存し変化します。

具体的には固有周期Tが長くなれば、応答加速度は減少し、応答変位は増大します。


また、固有周期Tが短くなると、その逆の影響が示されます。固有周期の以上のような現象は振動方程式を考えれば、理解出来るでしょう。

地震波の応答加速度

地震波の応答加速度2

一方、建物の設計者にとって最大の関心事は、地震応答の最大値です。つまり、ある地震波が建物に作用した際、


その時の最大加速度が分かれば、それに耐えうる建物を設計すれば良いわけですから、最大値はとても重要なのです。


以上を踏まえて、固有周期をパラメータとして最大値を求めることが考えられ、それをグラフで表したものが応答スペクトルです。

応答スペクトルの図では、横軸を固有周期、縦軸を最大値でプロットしたものを線でつないでいます。


具体的には次のような図です。前に勉強したように加速度は絶対加速度スペクトル、速度及び変位は相対速度スペクトル、相対変位スペクトルで表しています。

絶対加速度スペクトル

相対速度スペクトル

相対変位スペクトル


さて、応答スペクトルとは地震応答の最大値であると説明しました。実は、これを簡易的に求める方法があります。


例えば次のような変位応答の最大値を考えてみましょう。


SD=|ymax| =|Acos(ωt)|

上記の式を一階微分すると速度を表す式となりますね。近似的に考えて、Asin(wt)=Acos(wt)とします。すると、


SV=|y'max| =|-ωAsin(ωt)|=ωSD


同様に、速度の一階微分を行いSDの式で表すと

SA=|u''g(t)+y''max| =|-ω2Acos(ωt)|= ω2SD

となります。


以上の計算式を纏めると、

SD=|ymax|

SV=|y'max|=ωSD

SA=|u''g(t)+y''max|= ω2SD

となり、固有円振動数wが分かれば擬似的な応答スペクトルを簡単に求めることが出来ます。

混同しやすい用語

絶対加速度スペクトル(SA)と相対変位スペクトル(SD)

絶対加速度スペクトルSAは地震動による建物の絶対加速度の最大値であり、設計地震力に直結する指標。

相対変位スペクトルSDは地盤に対する建物の相対変位の最大値で、変形性能の確認に用いられ、固有周期が長いほど大きくなる。

擬似速度スペクトル(SV)

相対変位スペクトルSDにωを乗じて求めたSV=ωSDは、厳密な相対速度の最大値ではなく近似量(擬似速度スペクトル)である。

擬似加速度スペクトルSA=ω2SDも同様に近似量であり、これらを使うと3種類の応答スペクトルを1つのグラフ(トリパータイトグラフ)で表せる。

試験での問われ方|管理人の一言

建築士試験では「固有周期が長くなると応答加速度は小さくなり応答変位は大きくなる」という傾向が正誤問題として頻出する。

SA・SV・SDの3つとωの関係式SV=ωSD、SA=ω2SDをセットで覚えると、応答スペクトルの読み方と免震設計の概念がスムーズにつながる。

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