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強制振動の解

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次に外力が加わったときの運動方程式の解を導出してみましょう。地震動はデジタルデータと呼ばれ、関数としては意味をもたないランダムなものです。


よって、地震動が外力の場合はニューマークβ法と呼ばれる近似解を得る数値解析で応答解を求めます。

このニューマークβ法は後に勉強するとして、ここでは、調和外力という周期性を持つ外力が作用したときの応答解を求めてみましょう。


通常の建物には減衰という地震応答を低減させる復元力が発生します。調和外力は周期性を持つ外力で、これはsin波やcos波にあたります。


振動している状態で、力のつり合いを考えると、図のようになります。まず、質量×重力加速度が物体の力として作用します。


この方向をプラスと定義しています。また、この力が作用したとき元の状態に戻ろうとするバネの力、復元力が逆方向に発生します。


この図は振動している一瞬を取り出したものと考えてください。つまり、この状態で力=復元力+減衰力という等式が成り立つはずです。


よって、以下の式で表すことができます。

強制振動のモデル

mx''+cx'+kx=f(t)

a=x''

f(t)=Fsinpt


mx''+cx'+kx=Fsinpt

x''+(c/m)x'+(k/m)x=(F/m)sinpt


k/m=w2

c/m=2hwとすれば

x''+2hwx'+w2x=(F/m)sinpt


と変形できます。ここで、wは固有円振動数と言われています。さて、(k/m)=w2、(c/m)=2hwという等式も、ここでは定義としているので深く考えないように進みましょう。


さて、以上のように示した微分方程式の一般解は「斉次方程式の一般解+特殊解」で示されます。


※斉次方程式とは、右辺の値が0である微分方程式です。例えば、自由振動を表す振動方程式はそれに当たります。


さて、周期的な外力sinptが作用した場合の応答解を以下のように仮定します。


x=Asin(pt-θ)


また、運動方程式のような動的な問題は時間に依存するために、tの時間関数であることに注意してください。Aは適当に仮定した定数です。


先ほどの式は加法定理を用いれば次のように表すこともできますね。


※加法定理:sin(α±β)=sinαcosβ±cosαsinβ


Asin(pt-θ)= Asinptcosθ-Acosptsinθ


ここで、定数はそれぞれ次のように示します。

Acosθ=a

Asinθ=b

よって、

Asin(pt-θ)=asinpt-bcospt


です。さて、何がしたいかわかってきましたか?要は応答解を求めたいわけですよね。応答解は以下の式で仮定しました。また、以上の関係から、

三角関数の関係

三角関数の関係2

tanθ=b/a

です。


以下の式で未知数なのはa,bです。よって、a,bを求めれば特殊解が求められるわけですね。まず、振動方程式に代入するために、1,2階の微分を行います。

x=Asin(pt-θ)= asinpt-bcospt

x'={Asin(pt-θ)}' = apcospt+bpsinpt

x''={Asin(pt-θ)}'' = -ap2sinpt+bp2cospt


ですから、以上の式を代入すると、

x''+(c/m)x'+(k/m)x=(F/m)sinpt

-ap2sinpt+bp2cospt+2hw(apcospt+bpsinpt)+w2(asinpt-bcospt) = (F/m)sinpt


ですね。さて、ここでsinptとcosptに分けてみましょう。上記の式は、以下の式を足し合わせたものなので、分けても問題ないですよね。


bp2cospt+2hwapcosptw2bcospt = 0

-ap2sinpt+2hwbpsinpt+w2asinpt= (F/m)sinpt


cospt及びsinptを消します。

bp2+2hwapw2b = 0

ap2+2hwbp+w2a= (F/m)


式を変形すれば、

b=-2hwap/(p2w2)

です。bに代入します。

ap2+2hwp(-2hwap/(p2w2))+w2a= (F/m)

強制振動の解

次にaの結果をbに代入すると、

b=-2hwap/(p2w2)

強制振動の解2

となります。

強制振動の解3

なので、aとbを代入します。


強制外力に対する特殊解

となり、この式が強制外力に対する特殊解です。斉次方程式の一般解は減衰自由振動の解ですから、それを足し合わせたものが、強制外力に対する一般解となります。

よって、強制外力の一般解は

強制外力の一般解

です。

また、もうひとつの未知数θを求めます。

tanθ=b/a

未知数θ

未知数θ2

未知数θ3

以上が強制外力に対する一般解の求め方です。いかがでしたか?自由振動の


導出よりは少しだけ難解のように感じるかも知れませんが、要は慣れです。


何回も読んでいるうちに自然と理解できるようになると思います。


また、用語や導出過程は、かなりくどく説明しているつもりです。


急に、違う数式に飛ぶのではなく、順序を追って数式を変化させているので、


じっくりと読めば必ず理解できるので、頑張ってみましょう!

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