この記事の要点
鉄骨梁の断面設計でSS400の曲げ応力度を確認するとき、「材料強度の上限値以下か」だけでなく「横座屈を考慮した許容値以下か」の両方を確認する必要がある。
横座屈の考慮が設計の安全性に直結する。
この記事ではSS400の許容曲げ応力度の値・長期・短期の使い分け・座屈を考慮した計算方法を解説する。
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ss400の許容曲げ応力度(短期許容曲げ応力度)は下記の2式より計算して大きい値を採用できます。
ただし、上限値は長期許容曲げ応力度で156N/mm2、短期許容曲げ応力度で235N/mm2です。
当然、許容曲げ応力度がss400の材料の強度を超えることは無いからです。
曲げ応力度は圧縮応力度と引張応力度が同時に作用する応力度です。
圧縮応力度の影響により部材は座屈の恐れがあるため、座屈を考慮して許容曲げ応力度が算定されます。
座屈しやすい断面の場合(座屈長さが大きい、梁せいが高く幅が狭い断面)、許容曲げ応力度は小さくなります。
なお、下記の値を1.5で割り算すると長期許容曲げ応力度が得られます。
Fb1、Fb2は許容曲げ応力度、lbは部材の座屈長さ、iは断面二次半径、Cは許容曲げ応力度の補正係数、Λ=√(π^2E/0.6F)です。Hは梁せい、Afはフランジの断面積です(Af=tw×B)。
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では実際にss400の許容曲げ応力度を計算しましょう。前述した2式のうちfb2式を用います。Fb2式は部材長さと断面形状のみで算定できます。Lb=3m、部材断面をH-300x150x6.5x9とすると
・短期許容曲げ応力度 ⇒ fbs=89000/(Lbh/Af)=89000/(3000×300/150×9)≒133.5N/mm2
・長期許容曲げ応力度 ⇒ fbL≒89N/mm2(≒133.5÷1.5)
上記より、許容曲げ応力度を大きくする場合、部材の座屈長さLbを小さくするか、断面のAf(フランジ板の面積)を大きくすべきです。
一般に、鉄骨造の梁にはH形鋼を用います。細幅のH形鋼は梁せいが高く梁幅が狭いので座屈しやすい断面です。許容曲げ応力度を上限値まで確保したい場合、中幅などの幅の広の断面を用いることが行われます。
もう1つ計算例を示します。座屈長さLbが1500mmだけ変えて許容曲げ応力度を計算すると
・短期許容曲げ応力度 ⇒ fbs=89000/(Lbh/Af)=89000/(1500×300/150×9)≒267N/mm2 ⇒ 235 N/mm2
・長期許容曲げ応力度 ⇒ fbL=156N/mm2
混同しやすい用語
許容応力度
許容応力度とは、材料が安全に負担できる応力度の上限値のことで、引張・圧縮・せん断など応力の種類ごとに定められる。
許容曲げ応力度が座屈を考慮した計算式で求められるのに対して、許容引張応力度などは降伏点を安全率で割るだけで算定できる点が異なる。
ss400の許容曲げ応力度を整理した表を示します。
| 項目 | 長期 | 短期 |
|---|---|---|
| 許容曲げ応力度(上限) | 156N/mm2 | 235N/mm2 |
| 座屈考慮 | あり | あり |
| 計算式 | 短期÷1.5 | Fb1またはFb2 |
今回はss400の許容曲げ応力度について説明しました。
ss400の許容曲げ応力度(短期許容曲げ応力度)は、座屈を考慮した計算式より算定します。
ただし、ss400の材料の強度を超えることは無いので、許容曲げ応力度の上限値は長期許容曲げ応力度で156N/mm2、短期許容曲げ応力度で235N/mm2です。
許容曲げ応力度、長期許容曲げ応力度の計算など下記も勉強しましょう。
許容曲げ応力度とは?1分でわかる意味、fbの計算式、ss400の値
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では「許容曲げ応力度は座屈を考慮して計算する」「上限は短期235N/mm2」という点が問われます。
許容応力度と許容曲げ応力度の違いを整理しておきましょう。