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特定天井とは?定義・適用条件と構造計算ルートの選び方

この記事の要点

大型店舗の天井改修設計で「特定天井に該当するかどうか」の判定から始まった経験がある

高さ・面積・重量の三条件をすべて満たすと特定天井になり、通常の仕様規定だけでは不十分になる。

該当した場合は仕様ルートか計算ルートのどちらかで安全性を確認する必要がある。

計算ルートを選ぶ場合は固有周期を求め、応答加速度と吊り材の耐力を比較する。

判定フローを整理する。

「特定の条件」とは、天井脱落により重大な危険が及ぶ天井と解釈します。

この記事では、特定天井とは何か、特定天井の定義はどう定められているのか、仕様と計算ルートはどう選ぶのかを整理します。

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特定天井は、特定の条件を満たす天井のことです。「特定の条件」とは、天井脱落により重大な危険が及ぶ天井と解釈します。今回は特定天井の意味、定義、特定天井が満たすべき仕様、計算ルートについて説明します。


特定天井は非構造部材の1つです。非構造部材の意味は、下記が参考になります。

非構造部材とは?天井・間仕切り壁の耐震性・種類・構造部材との違い

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特定天井とは?

特定天井は、脱落により重大な危険(危害)がある天井のことです。特定の条件(規模、天井重量、床面から天井面までの高さ)を満たすとき、特定天井となります。


一般的に天井は、構造部材と見なしません。よって構造設計者が関与することなく、何となく取り付けられていました。天井の形式は、下記の2つに分類されます。


・吊り天井

・直天井


吊り天井は、下図のように吊材と野縁、野縁受けを留めて、天井をビス留めする方法です。※ちなみに、標的を押しつぶす罠も吊り天井というそうです。そんな危ない天井形式を、何の疑問も無く使い続けてきたようですね。

吊り天井

東日本大震災では、建物よりも「津波」と「天井落下(非構造部材の脱落)」の被害が多くありました。


そして平成25年に告示平25国交告第771号(特定天井及び特定天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件)が追加されたのです。


吊り天井は、地震により揺れます(特定天井の対策前の天井)。この揺れに追従できず、あるいは強度的に耐えられないと脱落する恐れがあります。


直天井とは、構造部材に直に天井材を留める方法です。構造部材と天井材は一体化しているので、揺れに追従し応力も作用しません。よって直天井は、特定天井に該当しません。

直天井

特定天井の定義

特定天井は、下記を全て満たす天井です。

※水平投影面積については、下記が参考になります。

水平投影面積とは?意味・計算法・法面との関係をわかりやすく解説


上記の基準から、法律の意味が読めます。


要するに、天井脱落しないこと、天井脱落しても人命が守られることをイメージした法律です。

特定天井の構造方法

特定天井に該当する天井は、構造的な安全性を確認します。この構造方法は、下記の3つがあります。


・一定の仕様に適合するもの

・計算により構造耐力上の安全性を検証するもの

・大臣の認定を受けたもの

特定天井の仕様ルート

仕様ルートとは特定天井を

です。仕様の詳細は、告示平25国交告第771号をご確認ください。

特定天井の計算ルート

計算ルートとは特定天井を

です。計算ルートの方法は、下記の2つがあります。


・水平震度法(比較的簡単な検証法)

・応答スペクトル法又は簡易スペクトル法(高度な検証法)

特定天井と壁とのクリアランス

特定天井は地震による変形を抑制すること、天井と壁が衝突しないよう一定のクリアランスが義務づけられています。※天井と壁がぶつかると、天井が破損して脱落の恐れがあります。※クリアランスの意味は、下記が参考になります。

建築のクリアランスとは?意味・寸法・エキスパンション


吊り天井は地震で揺れます。あるメーカーの表現を借りると「ブランコのように揺れる」とあります。吊り天井がブランコのように揺れると、天井と壁が衝突する恐れがあります。

特定天井に該当させない改修

告示が施行された後、特定天井に該当する天井を改修するケースも増えています。下記の改修方法が考えられます。

・告示の構造方法に適合させること

・直天井にすること

・天井を撤去すること


です。告示の構造方法に適合するよりも、天井を撤去するケースも増えています。

混同しやすい用語

特定天井と吊り天井

吊り天井は天井材を吊材で吊り下げる天井の形式全般を指しますが、特定天井は高さ6m超・水平投影面積200㎡超・平米重量2kg/㎡超などの条件を全て満たす吊り天井を指します。

吊り天井のすべてが特定天井になるわけではありません。

特定天井と直天井

直天井は構造部材に直接天井材を固定する形式で、吊り天井と違い地震時に揺れにくいため特定天井には該当しません。

特定天井への該当を避けるために直天井に改修するケースが増えています。

試験での問われ方|管理人の一言

特定天井に関する問題は建築士試験の構造分野で出題されます。

定義と計算の両面から理解しておきましょう。

試験では構造計算ルートの種類(ルート1・2・3)と各ルートの適用条件が出題されます。

ルートが上がるほど詳細な検討が必要になります。

各ルートで確認する事項を整理しましょう。

特定天井を整理した表を示します。

項目内容備考
特定天井の条件高さ6m超・面積200㎡超・重量2kg/㎡超の吊り天井全条件を同時に満たす場合
計算ルート仕様ルート・計算ルート・大臣認定ルートルートに応じた安全確認が必要
対応策直天井への変更・耐震天井製品の使用特定天井該当を避ける選択肢

まとめ

今回は特定天井について説明しました。

特定天井の意味、定義が理解頂けたと思います。

特定天井は計算が中々大変です。

よって、計算および実験で安全性を確認したメーカーの製品(耐震天井)を使うこと、直天井にすること、天井を設けないなどの対応も増えています。

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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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