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特定天井は、特定の条件を満たす天井のことです。「特定の条件」とは、天井脱落により重大な危険が及ぶ天井と解釈します。今回は特定天井の意味、定義、特定天井が満たすべき仕様、計算ルートについて説明します。
特定天井は非構造部材の1つです。非構造部材の意味は、下記が参考になります。
非構造部材とは?1分でわかる意味、耐震性、種類、構造部材との違い
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特定天井は、脱落により重大な危険(危害)がある天井のことです。特定の条件(規模、天井重量、床面から天井面までの高さ)を満たすとき、特定天井となります。
一般的に天井は、構造部材と見なしません。よって構造設計者が関与することなく、何となく取り付けられていました。天井の形式は、下記の2つに分類されます。
・吊り天井
・直天井
吊り天井は、下図のように吊材と野縁、野縁受けを留めて、天井をビス留めする方法です。※ちなみに、標的を押しつぶす罠も吊り天井というそうです。そんな危ない天井形式を、何の疑問も無く使い続けてきたようですね。
東日本大震災では、建物よりも「津波」と「天井落下(非構造部材の脱落)」の被害が多くありました。
そして平成25年に告示平25国交告第771号(特定天井及び特定天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件)が追加されたのです。
吊り天井は、地震により揺れます(特定天井の対策前の天井)。この揺れに追従できず、あるいは強度的に耐えられないと脱落する恐れがあります。
直天井とは、構造部材に直に天井材を留める方法です。構造部材と天井材は一体化しているので、揺れに追従し応力も作用しません。よって直天井は、特定天井に該当しません。
特定天井は、下記を全て満たす天井です。
※水平投影面積については、下記が参考になります。
上記の基準から、法律の意味が読めます。
要するに、天井脱落しないこと、天井脱落しても人命が守られることをイメージした法律です。
特定天井に該当する天井は、構造的な安全性を確認します。この構造方法は、下記の3つがあります。
・一定の仕様に適合するもの
・計算により構造耐力上の安全性を検証するもの
・大臣の認定を受けたもの
仕様ルートとは特定天井を
です。仕様の詳細は、告示平25国交告第771号をご確認ください。
計算ルートとは特定天井を
です。計算ルートの方法は、下記の2つがあります。
・水平震度法(比較的簡単な検証法)
・応答スペクトル法又は簡易スペクトル法(高度な検証法)
特定天井は地震による変形を抑制すること、天井と壁が衝突しないよう一定のクリアランスが義務づけられています。※天井と壁がぶつかると、天井が破損して脱落の恐れがあります。※クリアランスの意味は、下記が参考になります。
建築のクリアランスとは?1分でわかる意味、寸法、考え方、エキスパンション
吊り天井は地震で揺れます。あるメーカーの表現を借りると「ブランコのように揺れる」とあります。吊り天井がブランコのように揺れると、天井と壁が衝突する恐れがあります。
告示が施行された後、特定天井に該当する天井を改修するケースも増えています。下記の改修方法が考えられます。
・告示の構造方法に適合させること
・直天井にすること
・天井を撤去すること
です。告示の構造方法に適合するよりも、天井を撤去するケースも増えています。
今回は特定天井について説明しました。特定天井の意味、定義が理解頂けたと思います。特定天井は計算が中々大変です。よって、計算および実験で安全性を確認したメーカーの製品(耐震天井)を使うこと、直天井にすること、天井を設けないなどの対応も増えています。
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