この記事の要点
建築基準法には「超高層建築物」という言葉は条文にないが、高さ60mを超えると大臣認定(第20条)が必要になり、一般的な確認申請と仕組みが変わる。
この境界を知っておくと、設計の早い段階で申請ルートを判断できる。
この記事では超高層建築物の定義・大臣認定の仕組み・使われる構造形式(制振・免震など)を解説する。
条文に「超高層建築物」という記載はありませんが、黄色本をはじめ世間的にも一般的な呼び方です。
この記事では、超高層建築物とは何か、高さ60m超の建築物はどう規定されるのか、大臣認定とどう関係するのかを整理します。
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超高層建築物は、高さが60mを超える建築物のことです。条文に「超高層建築物」という記載はありませんが、黄色本をはじめ世間的にも一般的な呼び方です。※黄色本については下記の記事が参考になります。
構造の黄色本とは?建築基準法との関係と設計実務・構造ルートでの使い方
今回は、超高層建築物の定義、構造、大臣認定および建築基準法との関係について説明します。
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超高層建築物は、高さが60mを超える建築物の通称です。建築基準法20条1項一号に規定されます。※建築基準法は後述しました。
60mは階数に置き換えると、概ね20階建てです。最近は20階建ての建築物は当たり前に設計されるようになりましたね。日本を代表する超高層タワーの東京スカイツリーですが、634mもあります。
超高層建築物は、他の建築物と比べて地震時の挙動が複雑です。また地震力だけでなく風圧力の影響も大きくなります(風は上空へいくほど影響大)。
また、超高層建築物の構造計算の方法は平12建告1461号に規定されます。詳細は省略しますが、一般的な建築物では行わない「時刻歴応答解析」「風圧力の割増」「P―δ効果」など、計算内容が複雑になります。
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超高層建築物は確認申請および適合性判定の審査が不要です。その代り、国土交通大臣の認定を受ける必要があります(通称、大臣認定)。
大臣認定は、確認申請や適合性判定よりも審査が厳しいです(大学教授および専門家などの審査)。
「国から直接お墨付きをもらった建築物」だからです。超高層建築物は、民間、公共に関わらず大臣認定が必要です。それだけ超高層建築物は、国として取り組むべき建築物だとわかります。
超高層建築物の例を下記に示しました。
日本最大の超高層建築物が、東京スカイツリーです。それでも世界にはまだまだ高い建築物があるから驚きですね。
超高層建築物は法20条1項一号に規定される建築物です。下記に条文の概要を示します。
また令81条1項で、超高層建築物に対応した構造方法が示されています。特徴的な条文を下記に示します。
上記の「連続的に」がキーポイントです。この一文より、超高層建築物は「時刻歴応答解析を行うこと」が必要です。
一般的な建築物の地震時は、静的な力で計算します。しかし実際の地震は、静的な力ではなく動的な力です。※動的な解析法の基礎は下記の記事が参考になります。
ニューマークのβ法とは?平均加速度法の計算手順と地震応答解析への応用
超高層建築物は、動的な解析法(時刻歴応答解析)により、実際の地震に近い条件で計算することが求められています。
根拠・参考
実務では、設計条件・仕様書・適用する規準により確認してください。
混同しやすい用語
大臣認定
超高層建築物に必要な手続きで、確認申請や適合性判定とは異なります。国土交通大臣による認定が必要で、大学教授など専門家による厳格な審査が行われます。
時刻歴応答解析
超高層建築物に必要な動的解析法です。一般建築物で行う静的解析(地震力を静的な力として計算)とは異なり、時々刻々と変化する地震動を直接計算します。
超高層建築物を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 定義 | 高さ60mを超える建築物 | 建築基準法20条1項一号 |
| 審査方法 | 国土交通大臣の認定(大臣認定)が必要 | 確認申請・適合性判定は不要 |
| 構造計算 | 時刻歴応答解析による動的解析が必要 | 平12建告1461号に規定 |
今回は超高層建築物について説明しました。超高層建築物の意味が理解頂けたと思います。超高層建築物の定義は、60mを超える建築物です。階高を3mと考えれば、20階建てを超える建築物が該当します。身近な超高層建築物を探してみてくださいね。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
超高層建築物に関する問題は建築士試験の構造分野で出題されます。定義と計算の両面から理解しておきましょう。
超高層建築物の定義・適用条件・計算式は建築士試験の構造分野で出題される基本事項です。
用語の定義を正確に理解したうえで、関連する規準・法令との関係を整理することが大切です。