【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)
ヒービングをご存知でしょうか。地盤に関する現象の1つで、ボイリングや盤ぶくれと混同する方も多いようです。過去、ヒービングについて一級建築士試験に出題されたこともあります。今回は、そんなヒービングの意味や対策を説明します。
盤ぶくれ、ボイリングの意味は下記をご覧ください。
盤ぶくれとは?1分でわかる意味、計算と安全率、対策、ボイリングとの違い
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
ヒービングは、山留めを設け地盤を根切りしたとき、根切りした地盤面が膨れ上がる(盛り上がる)現象です。下図をみてください。
※根切りとは、地盤の造成工事の1つです。敷地内に基礎構造をつくるため地盤を掘ります(当然ですが基礎は地盤より深い位置に置くためです)。このとき地盤を掘削することを「根切り」といいます。下記が参考になります。
根切りとは?1分でわかる意味、山留、埋戻し、根切り深さとの関係
上図のように、根切りが深いと元々の地盤位が崩れるので「山留め」が必要です。これで地盤の崩れは防げます。しかし、元々の地盤が軟弱な層で、その上に荷重(車、人、建物)が載荷すると沈下します。ヒービングとは、その沈下した土が根切りした地盤面を押し上げる現象(根切り面が盛り上がる)です。※山留めの意味は下記を参考にしてください。
山留めとは?1分でわかる意味、種類、土留めとの違い、根切りとの関係
前述しましたが、ヒービングがおきる理由を下記に整理しました。
1つめは、元の地盤面と根切り面の落差が大きいことです。大きいほど土の重量が重くなり、沈下しやすく(滑動しやすく)なります。そもそも根切りすることで発生する現象です。落差が低ければヒービングの可能性が低くなる、ということも直感的には理解頂けると思います(落差が0になれば、元の地盤面と同じ。フラットな状態)。
2つめは、高い地盤に荷重が作用しているからです。例えば車や、建物が隣接するケースもあります。高い地盤に土の自重以外の重量が加わると、土は沈下しやすくなります。
3つめは、根切り面以深の地盤がよわいことです。ヒービングは山留め背土(山留めの後ろ側の土)が滑動して起きるのですが、それは地盤の強度が弱いからです。ですから背土が回り込まない位置まで山留めを打ち込むとか、根切り底以深の地盤を改良してヒービング対策する方法もあります。※地盤改良の詳細は下記をご覧ください。
地盤改良とは?1分でわかる意味、工法の種類、表層改良と柱状改良の違い
ではヒービングの発生しやすさは、どのように確認するのでしょうか。下式をみてください。
Nb=γt×H/sub
Nbは根切り底面の安定係数で、これが3以下でヒービングの影響はないようです。Γtは土の湿潤単位体積重量、Hは高い地盤から根切り底面までの距離、subは土の粘着力です。※土の湿潤単位体積重量については、下記が参考になります。
湿潤単位体積重量とは?1分でわかる意味、公式と計算(求め方)、湿潤密度、水中単位体積重量との違い
ヒービングは前述した、ヒービングが起きる理由を対策してやれば回避できます。下記に明記しました。
1と3は前述したとおりです。2は、元の地盤面と根切り底面との落差を少なくするため、元の地盤をすき取る方法です。4は、沈下の原因となる元地盤に作用する荷重を減らす方法です。
仮に隣接建物の荷重が影響するなら、アンダーピニングで対処します。アンダーピニングとは、英語で「underpinning」といい建物の基礎を支えることです。隣接建物の基礎下から、仮設の支えを良質地盤まで設置します。これにより、隣接建物の荷重は元の地盤に影響しません。下記が参考になります。
今回は、ヒービングについて説明しました。言葉を暗記するだけでは中々難しい用語です。覚え間違いしやすいため、一級建築士試験でも目をつけられます。最後に説明したアンダーピニングも併せて理解したいですね。下記も併せて学習しましょう。
盤ぶくれとは?1分でわかる意味、計算と安全率、対策、ボイリングとの違い
山留めとは?1分でわかる意味、種類、土留めとの違い、根切りとの関係
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)
有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート