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ヒービングとは?意味・発生理由・対策をわかりやすく解説

この記事の要点

ヒービングとは、軟弱粘性土地盤を掘削する際に底面が盛り上がる現象です。

掘削深さが大きいほど起きやすく、山留めが崩壊する危険があります。

改良や掘削深さの制限で対策します。

この記事では、ヒービングとは何か、なぜ発生するのか、どのような対策があるのかを整理します。

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ヒービングをご存知でしょうか。地盤に関する現象の1つで、ボイリングや盤ぶくれと混同する方も多いようです。過去、ヒービングについて一級建築士試験に出題されたこともあります。今回は、そんなヒービングの意味や対策を説明します。


盤ぶくれ、ボイリングの意味は下記をご覧ください。

盤ぶくれとは?1分でわかる意味、計算と安全率、対策、ボイリングとの違い

ボイリングとは?砂地盤で起きる現象・安全率の計算・対策工法

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ヒービングとは?

ヒービングは、山留めを設け地盤を根切りしたとき、根切りした地盤面が膨れ上がる(盛り上がる)現象です。下図をみてください。


ヒービングの仕組み


※根切りとは、地盤の造成工事の1つです。敷地内に基礎構造をつくるため地盤を掘ります(当然ですが基礎は地盤より深い位置に置くためです)。このとき地盤を掘削することを「根切り」といいます。下記が参考になります。

根切りとは|意味・根切り深さ・山留・埋戻しとの関係


上図のように、根切りが深いと元々の地盤位が崩れるので「山留め」が必要です。

これで地盤の崩れは防げます。

しかし、元々の地盤が軟弱な層で、その上に荷重(車、人、建物)が載荷すると沈下します。

ヒービングとは、その沈下した土が根切りした地盤面を押し上げる現象(根切り面が盛り上がる)です。

※山留めの意味は下記を参考にしてください。

山留めとは?種類・工法・土留めとの違い・根切りの関係

ヒービングが起きる理由

前述しましたが、ヒービングがおきる理由を下記に整理しました。

1つめは、元の地盤面と根切り面の落差が大きいことです。

大きいほど土の重量が重くなり、沈下しやすく(滑動しやすく)なります。

そもそも根切りすることで発生する現象です。

落差が低ければヒービングの可能性が低くなる、ということも直感的には理解頂けると思います(落差が0になれば、元の地盤面と同じ。

フラットな状態)。


2つめは、高い地盤に荷重が作用しているからです。例えば車や、建物が隣接するケースもあります。高い地盤に土の自重以外の重量が加わると、土は沈下しやすくなります。


3つめは、根切り面以深の地盤がよわいことです。

ヒービングは山留め背土(山留めの後ろ側の土)が滑動して起きるのですが、それは地盤の強度が弱いからです。

ですから背土が回り込まない位置まで山留めを打ち込むとか、根切り底以深の地盤を改良してヒービング対策する方法もあります。

※地盤改良の詳細は下記をご覧ください。

地盤改良とは?工法の種類と表層改良・柱状改良の選び方

ヒービングが起きやすさを確認する方法

ではヒービングの発生しやすさは、どのように確認するのでしょうか。下式をみてください。


Nb=γt×H/sub


Nbは根切り底面の安定係数で、これが3以下でヒービングの影響はないようです。Γtは土の湿潤単位体積重量、Hは高い地盤から根切り底面までの距離、subは土の粘着力です。※土の湿潤単位体積重量については、下記が参考になります。

湿潤単位体積重量とは?1分でわかる意味、公式と計算(求め方)、湿潤密度、水中単位体積重量との違い

土の湿潤密度の基礎知識と、乾燥密度との違い

ヒービングの対策

ヒービングは前述した、ヒービングが起きる理由を対策してやれば回避できます。下記に明記しました。

1と3は前述したとおりです。2は、元の地盤面と根切り底面との落差を少なくするため、元の地盤をすき取る方法です。4は、沈下の原因となる元地盤に作用する荷重を減らす方法です。


仮に隣接建物の荷重が影響するなら、アンダーピニングで対処します。

アンダーピニングとは、英語で「underpinning」といい建物の基礎を支えることです。

隣接建物の基礎下から、仮設の支えを良質地盤まで設置します。

これにより、隣接建物の荷重は元の地盤に影響しません。

下記が参考になります。

アンダーピニング工法とは?既存建物の基礎補強・改築の手順と注意点

混同しやすい用語

ヒービングとボイリング

ボイリングとは、砂地盤の掘削時に地下水の浸透圧によって底面から砂が噴き出す現象です。

ヒービングは粘性土地盤で底面が盛り上がる現象です。

発生する地盤の種類と原因が異なります。

山留めと根切り

根切りとは、基礎工事のために地面を掘削することです。

山留めとは、根切り時に周辺地盤が崩れないよう壁で支える仮設工事のことです。

ヒービングは山留め工事中の根切り底面で起きます。

ヒービングを整理した表を示します。

項目内容備考
ヒービングの定義掘削底面の土が膨れ上がる現象軟弱粘土地盤で発生
発生原因掘削による土の重量バランスの崩れ周辺地盤の圧力差
類似現象との違いボイリングは砂地盤・水圧、盤ぶくれは被圧水発生メカニズムが異なる
対策アンダーピニング・地盤改良・掘削深さの制限支持力を確保する

まとめ

今回は、ヒービングについて説明しました。言葉を暗記するだけでは中々難しい用語です。覚え間違いしやすいため、一級建築士試験でも目をつけられます。最後に説明したアンダーピニングも併せて理解したいですね。下記も併せて学習しましょう。

盤ぶくれとは?1分でわかる意味、計算と安全率、対策、ボイリングとの違い

ボイリングとは?砂地盤で起きる現象・安全率の計算・対策工法

山留めとは?種類・工法・土留めとの違い・根切りの関係

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理解度チェック

Q.

ヒービングとは何か説明してください。

答えを見る

ヒービングとは、軟弱な粘性土地盤を山留めを設けて根切り(掘削)したとき、根切りした地盤面が膨れ上がる(盛り上がる)現象です。山留め背土が沈下・滑動して根切り面を押し上げることで起こり、山留めが崩壊する危険があります。

Q.

ヒービングが起きる主な理由を挙げてください。

答えを見る

①高い地盤面と根切り底の落差が大きい(土の重量が重く滑動しやすい)、②高い地盤に荷重(車・建物など)が作用している、③根切り面以深の地盤が弱い、の3つです。

Q.

ヒービングの起きやすさを確認する式を答えてください。

答えを見る

根切り底面の安定係数 Nb=γt×H/sub で確認します(γtは土の湿潤単位体積重量、Hは高い地盤から根切り底面までの距離、subは土の粘着力)。Nbが3以下ならヒービングの影響はないとされます。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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