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構造計算適合性判定とは?対象建築物・審査内容とルート2・3との関係

この記事の要点

構造計算適合性判定(適判)とは、一定規模以上の建築物の構造計算が建築基準法に適合するか、指定機関が確認する制度です。

設計者と審査機関を分離することで審査の中立性を確保します。

適判の対象はルート2・ルート3の構造計算を行う建物で、高さ20m超の鉄筋コンクリート造などが該当します。

一級建築士試験でも頻出の制度です。

計算ルート3を行った建築物はほぼ適判が必要だが、ルート2は所定の資格者が審査する場合に省略できる場合がある。

この記事では、構造計算適合性判定とは何か、対象建築物はどれか、ルート2との関係はどうなるのかを整理します。

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構造計算適合性判定(以降、適合性判定という)は、一定以上の規模の建築物に課せられる審査の1つです。


通称「適判(てきはん)」といいます。今回は、適合性判定の対象となる建築物、適合性判定を省略できる計算ルート2との関係を説明します。


なお、適合性判定が必要な建築物は、構造一級建築士による設計が必要です。下記の記事も参考になります。

構造設計一級建築士とは?資格の概要・取得方法と業務範囲

構造計算適合性判定とは|姉歯事件を機に導入された審査制度の役割

適合性判定とは?

適合性判定は、構造図書の審査の1つです。適合性判定は、確認申請(法6条)に比べて審査のハードルが高く、より高度な内容について質疑があります。


確認申請の質疑は、図面と計算書内の不整合または法20条、令3章のチェックがほとんどです。


適合性判定は法6条の3に規定されています。適合性判定が必要な建築物については後述しました。

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適合性判定は新しい審査システムです。昔、姉歯元建築士による耐震偽装事件が発覚したことを受けてスタートします。


既往の建築確認申請は、民間の確認審査機関に計算書及び図面のチェックを依頼していました。


このチェックは計算書の中身というよりも、図面と計算書の整合性が取れているか?と言う点を主軸にしています(法6条の確認申請)。


指定確認検査機関の者は、ある程度構造設計の実務を積んだ人物です。


しかし、『構造計算の細かい内容』や『部材断面の不自然さ』までは把握することができませんでした。


耐震偽装事件は2006に発覚します。その後の2007年、これまで行ってきた確認申請に加えて技術力のある専門家によるチェックを行うようになりました。これが、構造計算適合性判定です。

構造計算適合性判定の歴史

構造計算適合性判定の役割

適合性判定の役割は、構造設計図および構造計算書に『異常・不自然な箇所がないこと』の確認です。


つまり、柱や梁の大きさ壁の厚さ、配筋など耐震性に関わる部材に不自然なことが無いか?ということが役割です。


適合性判定によって、構造設計の確認申請は二重チェックになりました。

構造計算適合性判定の対象となる建築物

全ての建築物に適判のチェックが必要、ではありません。適合性判定が必要な建築物は、下記です。

です。


大まかに考えると、構造計算ルート3を行った建築物は適合性判定が必要、と考えて良いです。


例えば、ルート1で済む建築物でも、あえてルート3の計算をすることで「適合性判定が必要」となります。


平成24年の国土交通省の報告によれば、構造計算ルート別の確認件数で、6173件のうちルート3の件数が5650(9割)でした。


つまり、ほとんどの建築物は適判のチェックが必要になると覚えてください。


※計算ルートについては下記が参考になります。

構造計算ルートとは何か?

ルート2は構造計算適合性判定が不要?

計算ルート2は、適合性判定を省略できます。これは令9条の3に規定されます。但し、ルート2の審査を行う者は、

が求められます。


しかし、ルート2の審査を行える者が特定行政庁にはいないことが多いです(民間ならまず大丈夫です)。


上記の審査を行う者が居ない場合、ルート2でも適合性判定が必要です。

構造計算適合性判定機関とは?

適合性判定機関は民間の審査機関です。日本中に審査機関があり、現在は愛知県に4件程度、東京都は6件程度あります。審査を行う者の多くが、元々構造設計者です。

混同しやすい用語

確認申請(法6条)

確認申請は建築物の建設前に行う審査で、図面と計算書の整合性や法令適合性を確認するものであり、すべての建築物が対象となる。

適合性判定は確認申請とは別に行われる審査で、一定規模以上の建築物の構造計算書の中身を専門家が詳細にチェックする点が異なる。

構造計算適合性判定(適判)

適合性判定は、構造計算ルート3など一定以上の規模の建築物を対象に、構造設計の専門家が計算書の異常・不自然な箇所を審査する二重チェックの制度である。

確認申請(法6条)は図面と計算書の整合性チェックが主体であり、構造計算の詳細な内容を審査する適合性判定とは審査の深さが異なる。

試験での問われ方|管理人の一言

建築士試験では「適合性判定が必要な建築物の規模(RC造:高さ20m超など)」や「ルート2は条件付きで適判省略可能」という点が問われやすい。

適判の目的は「計算書の中身の異常・不自然な箇所の確認」であり、確認申請との役割の違いを整理しておくと選択肢を絞りやすい。

比較項目確認申請適合性判定(適判)
目的建築計画が法令に適合するか確認構造計算書の内容が適切か審査
対象建物ほぼ全建築物一定規模以上(RC造高さ20m超など)
申請先確認検査機関・建築主事指定構造計算適合性判定機関
ルート2との関係必要条件付きで省略可(建築主事申請時のみ)

まとめ

今回は適合性判定の意味、役割、建築基準法との関係について説明しました。


適合性判定は、耐震偽装事件を受けて2007からスタートしたこと、図面や計算書に『異常・不自然な箇所がないこと』を主眼にチェックしていること。


この2点を覚えてくださいね。またルート2は適合性判定が必要なケースもあります。計画通知の場合は、注意が必要です。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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