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自重は、物の重量(重さ)のことです。※建築でいう自重は、質量ではないので注意してください。重量なので、質量に重力加速度を乗じた値です。今回は自重の意味、建築物との関係、梁やコンクリートの自重計算、自重の読み方について説明します。また集中荷重や等分布荷重については下記の記事が参考になります。
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建築でいう自重は、物の重量(重さ)のことです。例えば、空間をつくる柱や梁にも自重がありますし、室内に置く本や机、天井、壁など、あらゆるものに自重があるのです。
構造計算を行う際、自重の情報は大切です。自重の大きさで、構造部材の大きさが決まるからです。
また、自重が大きいほど地震力は大きくなります。地震力とは、地震時に建物に作用する力です。※地震力については下記の記事が参考になります。
鉄筋コンクリートの梁は、自重の影響が大きいです。コンクリートの比重は23kN/m^3、鉄筋コンクリートの比重は24kN/m^3です。※コンクリートの比重については下記の記事が参考になります。
コンクリートの比重は?鉄筋コンクリートとの違い、骨材、鉄筋の影響
実際に鉄筋コンクリートの比重を計算します。下図をみてください。鉄筋コンクリートの梁で300×800(B×D)、スパンは6mです。梁の自重を計算してください。
梁全体の自重は下記です。
γは鉄筋コンクリートの比重、Aは断面積、Lは長さです。要するに、コンクリートの比重と体積をかければ、算定できます。梁の体積は、「幅、高さ、長さ」の掛け算ですね。
鋼材の自重は、「鋼材表」から読み取り計算します。下図をみてください。H形鋼の断面積を計算するのは大変そうですね(実際のH形鋼は曲面部分もある)。
よって、各鋼材メーカーが鋼材表を無料で公表しています。
鋼材表には、「単位重量」が書いてあります。単位重量は「kg/m」で計算済みなので、あとはスパン(長さ)を掛ければ、自重がわかります。例えば、H-200x100x5.5x8の梁全体の自重を計算してください。梁のスパンは6.0mとします。
梁の自重が、どの程度応力や変形に影響するのか確認しましょう。梁のスパン6m、梁はH-200x100x5.5x8とします。
等分布荷重(自重)w=20.9kg/m⇒0.21kN/m
M=wL^2/8=0.9kNm
δ=5wL^4/384=0.9mm
です。鋼材の場合、自重の影響はごく僅かだとわかります。よって鉄骨造は、自重の影響よりも床や外壁、積載荷重の影響が大きいです。※積載荷重、固定荷重については下記の記事が参考になります。
実は、大学の授業で習う構造力学では、構造部材(梁など)の自重は無視して計算します。下図をみてください。構造力学でよくみる、集中荷重が作用する問題です。
構造力学をご存じの方なら、反力がP/2で、中央の曲げモーメントがPL/4だと分かります。実際には「梁の自重」が等分布荷重として作用します。
梁の自重を考慮すると、本当に知りたい「集中荷重が作用するときの反力、応力、たわみ」がわかりません。
よって、構造力学の授業では梁の自重を考慮せず計算するのです。
当然ですが、実務では梁の自重を考慮します。よって「集中荷重だけが作用する梁」は、存在しないのです。
構造計算では、建築物の自重を考慮します。例えば、前述したコンクリートの自重は、外力よりも大きくなる場合もあります。
建築物の自重が大きいほど地震力が大きくなるので、鉄筋コンクリート造は、できる限り柱や梁を小さくすることが重要です。※地震力については下記の記事が参考になります。
自重は「じじゅう」とよみます。一般用語で「じちょう」がありますが、意味が全くことなるので注意してください。下記に読み方の違いと意味を整理しました。
自重(じじゅう) ⇒もの自体の重量、重さのこと
自重(じちょう) ⇒軽はずみな発言を控えることなど。
今回は自重について説明しました。自重の意味が理解頂けたと思います。構造力学では、自重を無視した計算をします。ただ実際の構造計算は、自重を考慮して計算するので注意したいですね。私が構造設計の実務を始めた当初も、そんな当たり前を知りませんでした。しっかり覚えておきましょう。
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