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東日本大震災が起きて7年経ちますが、まだ私たちの記憶・脳裏に焼き付いている災害の1つが津波です。
他の地震と違って特筆すべきは、なんといっても津波による被害でしょう。過去に、同規模の地震はありましたが、これほどまでに大きな津波はなかったのです。
しかも被害のほとんどが津波によるもので、その破壊力に構造設計者は虚無感を覚えました。
さて、それから数年経って今では津波避難ビルとか、津波タワーの設計を行うようになりました。津波荷重に対する国の指針もでています。
そこで今回は、地震より巨大な津波荷重を算定してみましょう。
地震力が建物の自重に起因するものなら、津波荷重は建物の幅が関係しています。それは風荷重に近いものがあります。
ですから、軽い鉄骨造が、津波にとって格好の餌食になるわけです(自重が軽い鉄骨造では、地震力が小さいので部材が細くなりがち、しかし津波荷重は自重に無関係)。
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津波荷重を算定するためには2つの係数が必要です。
1つは、「水深係数α」。これは、想定する津波高さを余分に見込むための係数です。通常2~3倍とします。今回は、3倍を想定します。
次に、「設計用浸水深」です。これは、想定する津波高さで、各自治体や地方の決めがあるので確認しましょう。ここでは、h=4.5mとします。
いよいよ津波荷重を算定します。まずα=3.0倍、h=4.5mより、設計用津波高さ=3.0×4.5=13.5mです。
要は13.5mの津波がくる、と考えるのです。
次に単位体積重量=1.0t/m3、重力加速度=9.81です。これより、津波荷重をSI単位系に直すと、
w=1.0(t/m3)×9.81(m/s2)=10kN/m3
です。
津波荷重の分布形は三角形と仮定します。つまり、下図のように示すことができます。今回は、この津波荷重が3層のラーメン構造物に作用すると考えましょう。
三角形分布の荷重なので、最大値135kN/㎡(13.5m×10)に対して比率で各位置の津波荷重を算定できます。各層の津波荷重は階高の半分~半分までの荷重ですね。あとは、各層に対して、台形荷重を算出すればよいのです。
例えば、屋根レベルの津波荷重は、
(45+60)/2×3.0/2=78.75kN/m
です。同様の要領で各層の津波荷重を算定すると、
3F (60+90)/2×3.0+78.75=304kN/m
2F (90+120)/2×3.0+304=619kN/m
基礎 (120+135)/2×3.0+619=1002kN/m
となります。あとは、建物の幅(津波の受圧幅)をかけることで津波荷重を算定できます。よって、建物の幅が長い建物は不利と言えます。しかも、鉄骨造のように軽ければ、抵抗する重量も小さいので、倒れてしまいます。
今回は、津波荷重の算定を行いました。
実際には、避難ビルの1階をピロティにして波力を逃がすとか、上階は外壁をALCにして波力を逃がす設計が行われます。
この低減は80%まで認められていますから、状況に応じて荷重を設定していきたいですね。
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