建築学生が学ぶ構造力学

建築学生が学ぶ構造力学
  1. HOME > 耐震設計の基礎 > 耐震診断とは?1分でわかる意味、基準、診断方法、義務

耐震診断とは?1分でわかる意味、基準、診断方法、義務

この記事の要点

耐震診断とは昭和56年6月以前の旧耐震基準で建てられた建物の耐震性を調べることで、結果としてIs値(構造耐震指標)を算出し現行基準への適合性を判定する

1次・2次・3次診断の3種類があり、2次・3次診断のIso値は0.60が基準となり、これを下回る場合に耐震改修が必要になる。

この記事では、耐震診断とは何かを整理します。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット


耐震診断とは、現在の耐震基準に満足しない建築物の安全性を調べることです。満足しない場合、耐震改修を行います。


今回は、耐震診断の意味、基準、診断方法、耐震診断の義務がある建物について紹介します。


※現在の耐震基準に満足しない建築物を、既存不適格建築物といいます。詳細は下記が参考になります。

既存不適格とは|遡及の緩和・増築・大規模修繕での扱いをわかりやすく解説

耐震診断とは?

耐震診断とは、現在の耐震基準を満足しない建築物の安全性を調べることです。耐震診断を行った結果、Is値を求めます。


Is値は、建築物の耐震性を表す値で、大きな値ほど「耐震性が高い」ことを意味します。


耐震診断を行った結果、規定の値(Iso値)を満足するIs値を保有していれば、その建物は「現在の耐震基準でも耐震性を満足している」ことになります。


Is値を、構造耐震指標といいます。Iso値を、構造耐震判定指標といいます。耐震診断は、1次診断、2次診断、3次診断の種類があり、規定されるIso値が違います。


1次診断 ⇒ Iso=0.80

2次診断 ⇒ Iso=0.60

3次診断 ⇒ Iso=0.60

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

耐震診断と耐震基準

耐震診断を行う建築物は、現在の耐震基準を満足しないものです。これを既存不適格建築物といいます。※既存不適格の意味は、下記の記事が参考になります。

既存不適格とは|遡及の緩和・増築・大規模修繕での扱いをわかりやすく解説


具体的には、


昭和56年6月1日以前に建築された建物(新耐震基準施行日)


です。注意したいのは、竣工日が昭和56年6月1日以降でも、適用基準は旧耐震基準の可能性があります(建築物は、設計されてから竣工するまで1年以上かかることも多いため)。


日付がきわどい場合、設計に適用した耐震基準の確認が必要です(設計した会社に確認)。

耐震診断の方法

耐震診断の方法には


1次診断

2次診断

3次診断


があります。詳細な説明は省きますが、1次診断が最も簡便な診断方法で、3次診断が最も高度な診断方法です。


但し、診断方法に優劣は無いです。1次診断で所定のIs値を満足すれば、耐震性が確保されていると判断できます。

耐震診断の義務

耐震診断には義務化された建物と、努力義務のある建物があります。耐震診断義務のある建物を下記に示します(一例です)。


・病院、店舗など不特定多数が利用する建築物

・学校など

・危険物など取り扱う建築物


公共的な用途に使う建築物や、地震により周辺被害が大きくなる建物は、耐震診断の義務があります。


一方、規模は大きくても民間の共同住宅などは努力義務です。努力義務は「義務」では無いので、耐震診断を必ず行う必要は無いです。


不動産サイトで賃貸マンションを検索すると、築年数が古い建築物は賃料が安いですね。これは、旧耐震基準の建築物だからです。


耐震診断や耐震改修を行い、所定の耐震性が確保された建築物なら、賃料は低くならないでしょう。

混同しやすい用語

Is値(構造耐震指標)とIso値(構造耐震判定指標)

Is値は耐震診断で算出される建物の実際の耐震性能を表す指標であり、大きいほど耐震性が高い。

Iso値は耐震性の合否を判定するための基準値であり、Is値がIso値以上であれば耐震性を満足していると判断される(2次・3次診断ではIso=0.60)。

耐震診断と耐震改修

耐震診断は建物の現状の耐震性能を数値で評価する「調査・判定」の行為。

耐震改修は診断の結果、Is値がIso値を下回った場合に実施する「補強・改善」の工事であり、診断なしに改修を先行することはできない。

耐震診断を整理した表を示します。

項目内容備考
1次診断最も簡便な診断方法、Iso=0.80壁量などの簡易的な指標で判定
2次診断柱・壁の耐力を詳細に評価、Iso=0.60最も広く使われる診断方法
3次診断梁も含めた最も高度な診断方法、Iso=0.60精度が高く複雑な建物に適用

まとめ

今回は耐震診断について説明しました。耐震診断は、現在の耐震基準を満足しない建築物の安全性をしらべることです。


Is値、Iso値の関係を理解してくださいね。既存不適格の意味など、併せて勉強しましょう。

既存不適格とは|遡及の緩和・増築・大規模修繕での扱いをわかりやすく解説

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット

この記事の内容を○×クイズで確認する

この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。

意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

ゼロ所長の構造力学問題集で確認する

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

【無料】ゼロ所長が解説!建築士試験の構造を効率よく学ぶ

・試験に出るポイントをわかりやすく解説

・今すぐnoteで学ぶ ⇒  ゼロから学ぶ建築士試験の構造

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 耐震設計の基礎 > 耐震診断とは?1分でわかる意味、基準、診断方法、義務
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. わかる建築構造の用語集・図解集
  4. 1頁10円!PDF版の学習記事