この記事の要点
建築士事務所とは、建築士が有償で設計・監理業務を行うための拠点として都道府県に登録した施設・組織のことです。一級建築士事務所・二級建築士事務所・木造建築士事務所の三種があります。
開業する際は「管理建築士」を選任し、都道府県への登録申請が必要です。私が設計事務所で働いていたとき、新人でも登録手続きの書類作成を任されることがありました。申請内容は事務所の所在地・管理建築士の氏名・資格番号などで、更新は5年ごとに必要です。
開設者(事務所の社長)は建築士でなくてもよく、建築士の資格を持つ社員がいれば建築士事務所を開設・運営できる点が、実務上の重要なポイントである。
この記事では、建築士事務所とは何か、登録の申請とは何か、開設者とどう関係するのか、建築士事務所の開設者とは何かを整理します。
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建築士事務所とは、建築士が他人の求めに応じて報酬を得て「設計等」を行うために必要な施設または場所、拠点などをいいます。
建築士として設計等の業務を行う場合、必ず都道府県に建築士事務所の登録を受けます。
今回は建築士事務所の意味、登録の申請、実施、開設者と建築士の関係について説明します。
※建築士、建築士会などは下記が参考になります。
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建築士事務所とは、建築士が他人の求めに応じて報酬を得て、設計などを行うために必要な施設、場所、拠点などのことです。
建築士が設計などの業務を行う場合、必ず建築士事務所を開設し、登録します。建築士事務所は、都道府県知事の登録を受ける必要があります。
なお、「他人の求めに応じて」とは、「お客さんから仕事を依頼され同意すること」です。「報酬を得て」は、「お金を得ること」ですね。
設計等とは下記の通り定義されます。
設計
工事監理
建築工事契約に関する事務
建築工事の指導監督
建築物に関する調査若しくは鑑定の代理
建築物の建築に関する法令若しくは条例の規定に基づく手続きの代理(確認申請業務のこと)
建築士事務所の登録の申請は、建築士法第23条の2に規定されます。登録申請書は、下記の項目を明記します。
・建築士事務所の名称、所在地
・一級建築士事務所、二級建築士事務所、木造建築士事務所の種別
・登録申請者の氏名
・管理建築士の氏名、建築士の種別(一級、二級、木造のいずれか)
・建築士事務所に属する建築士の氏名、建築士の種別
※管理建築士の意味は、下記が参考になります。
管理建築士とは?講習・専任の条件・一級建築士との違いと建築設計事務所での役割
実は、建築士事務所を開設する者は、「建築士でなくても良い」です。開設者とは、いわゆる建築士事務所の「社長」です。よって、社長が無資格でも、社員が建築士を保有していれば、建築士事務所を開設できます。
実際、一級建築士事務所の中には、社長が建築士の資格を持っていない方もいます。これは、他の業界でもあり得ます。
例えば、ある専門業界の会社の社長(経営者)に、別業界からヘッドハンティングした経営者を据えることもあります。
混同しやすい用語
建築士事務所の開設者
建築士事務所を開設する者(いわゆる社長)で、建築士でなくても開設者になれる。開設者と管理建築士が異なる場合、開設者は管理建築士の意見を尊重する義務がある。
管理建築士が業務の技術的管理を担うのに対して、開設者は事務所の経営・法的責任を負う立場であり、両者の役割は明確に区別されている。
管理建築士
建築士事務所ごとに配置が義務づけられた建築士で、所属建築士の業務量・難易度・適正を管理する。3年以上の実務経験と講習修了が要件となる。
建築士事務所の開設者が経営主体であるのに対して、管理建築士は業務の技術的管理者であり、同一人物が兼ねることも可能だが役割概念は別物である。
建築士事務所を整理した表を示します。
| 項目 | 開設者 | 管理建築士 |
|---|---|---|
| 建築士資格 | 不要(無資格でも可) | 必須(一級・二級・木造建築士のいずれか) |
| 役割 | 事務所の経営・法的責任を負う | 業務の技術的管理を担う |
| 要件 | 都道府県知事へ登録申請(建築士法23条の2) | 3年以上の実務経験+講習修了が必要 |
| 兼任 | 管理建築士との兼任は可能 | 開設者との兼任は可能 |
今回は建築士事務所について説明しました。意味が理解頂けたと思います。建築士事務所は、建築士が設計などの業務を行うために必要です。また、建築士事務所は都道府県知事の登録を行います。下記も併せて参考にしてくださいね。
管理建築士とは?講習・専任の条件・一級建築士との違いと建築設計事務所での役割
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では、建築士事務所の登録申請の記載事項(建築士法23条の2)と、「開設者が建築士でなくてもよい」という点がひっかけとして出題される。
「開設者≠管理建築士(必ずしも同一でない)」「開設者は無資格でも可」という2点を覚えておくと確実に正答できる。