この記事の要点
建築設計事務所を開設・運営するには、管理建築士を必ず1名置かなければならない。単に「建築士がいる」だけでは不十分で、所定の講習修了が条件になる。
実務でよく混乱する専任・兼務の扱いと、一級・二級建築士との違いを整理する。
管理建築士になるには3年以上の業務経験と所定の講習修了が必要で、1つの事務所に専任しなければならず、他事務所との兼務は認められない。
この記事では、管理建築士とは何か、兼務と専任とは何か、一級建築士とどう違うのかを整理します。
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管理建築士は、建築設計事務所を管理する建築士のことです。何を管理するのかというと、建築士の「業務」を管理します。例えば、業務量や業務の難易度などです。今回は管理建築士の意味、講習、兼務と専任の関係、一級建築士との違いについて説明します。
※建築士は、下記が参考になります。
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管理建築士は、建築設計事務所を管理する建築士です。管理する内容は、
業務量
業務の難易度
業務を担当する建築士の適正
などです。建築設計事務所で働く建築士の、「業務」に関して管理します。また、管理建築士は建築設計事務所ごとに置くことが「義務」です。※設計事務所については、下記が参考になります。
管理建築士は、建築士法24条に規定されます。下記に、管理建築士が行う管理内容を明記しました(法24条を抜粋)。
・受託可能な業務の量および難易並びに業務の内容に応じて必要となる期間の設定
・受託しようとする業務を担当させる建築士その他の技術者の選定および配置
・ほかの建築設計事務所との提携及び提携先に行わせる業務の範囲の案の作成
・建築士事務所に属する建築士その他の技術者の監督およびその業務遂行の適正の確保
なお、管理建築士と建築士事務所の開設者(例えば、事務所の社長)が異なる場合、開設者は管理建築士の意見を尊重する義務があります。
管理建築士になるには、下記の条件をクリアする必要があります。
・一級建築士または二級建築士、木造建築士であること
・建築士として3年以上の設計その他の国土交通省令で定める業務に従事すること
・管理建築士の講習を受けること
建築士法24条より、管理建築士は「専任」である必要があります。他の建築士事務所と兼任はできません。そんなことがあるのか、と思うかもしれません。
例えば、本社の管理建築士を勤めるものが、支社の建築士事務所の管理建築士を兼務できません。同じ会社だとしても、建築士事務所ごとに管理建築士が必要です。
管理建築士は、建築士事務所を管理建築士です。一級建築士、二級建築士、木造建築士でもなれます。よって、一級建築士とは違います。※当然、一級建築士が管理建築士になることは可能です。
混同しやすい用語
管理建築士
建築士事務所ごとに置くことが義務づけられた建築士で、業務量・難易度・担当者の適正を管理し、一級・二級・木造建築士いずれでもなることができる(建築士法24条)。
一級建築士が設計できる建築物の規模・種別を資格によって定められているのに対して、管理建築士は資格の種類に関わらず事務所業務の管理を担う役職であり、異なる概念である。
建築士事務所の開設者
建築士事務所を設立・運営する者(例えば事務所の社長)で、開設者と管理建築士が別人の場合、開設者は管理建築士の意見を尊重する義務がある。
管理建築士が業務の技術的管理を担うのに対して、開設者は事務所の経営主体であり、両者の役割は異なるが、同一人物が兼ねることも可能である。
管理建築士を整理した表を示します。
| 項目 | 管理建築士 | 一級建築士 |
|---|---|---|
| 資格の種類 | 一級・二級・木造建築士いずれも可 | 一級建築士の資格が必要 |
| 役割 | 事務所の業務量・難易度・担当者の管理 | 大規模建築の設計・監理が可能 |
| 要件 | 3年以上の実務経験+管理建築士講習修了 | 一級建築士試験合格+登録 |
| 兼務 | 他の建築士事務所との兼務不可(専任必須) | 複数事務所への登録不可 |
今回は管理建築士について説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
管理建築士は、建築士事務所を管理する建築士です。
建築士事務所で建築士が行う業務の管理を行います。
管理建築士は一級建築士ではなくても、なれます。
下記も併せて参考にしてくださいね。
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一級建築士を取得するには?絶対取る!と決めた日から始めること3選。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では、管理建築士は「一級建築士でなくてもなれる」という点と、「専任義務(兼務不可)」がひっかけとして頻出である。
「3年以上の実務経験+講習修了」という要件と、「建築士事務所ごとに1人必須」という規定をセットで覚えておくと確実に正答できる。