この記事の要点
ひずみ硬化とは、鋼材が降伏棚を経た後に再び応力度が上昇する現象で、軟鋼の応力ひずみ線図における第3段階に相当する。
高張力鋼には降伏棚がなく降伏直後からひずみ硬化が始まるため、0.2%耐力を降伏点の代替として用いる。
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ひずみ硬化とは、鋼材の力学性状の1つです。鋼材が降伏し、応力度が低下した後、応力度が上昇する現象です。今回はひずみ硬化の意味、ひずみ硬化開始点、高張力鋼との関係について説明します。
ひずみ硬化は、鋼材の応力ひずみ線図をみると、よくわかります。応力ひずみ線図、応力やひずみの意味は、下記が参考になります。
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ひずみ硬化とは、鋼材の力学性状の1つです。鋼材は降伏後、応力度が低下します。低下した応力度を維持し、ひずみが進行した後、応力度が上昇します。これがひずみ硬化です。
下図をみてください。降伏棚と呼ばれる範囲から、引張強さまで応力度が上昇していますよね。この現象がひずみ硬化です。
鋼材の引張試験を行うと、ほとんどの場合、ひずみ硬化が見られます。
鋼材はひずみ硬化の後、最大耐力を迎えます。最大耐力の後、鋼材には「くびれ」がみられます。「鋼材のくびれ」とは、他の幅に比べて細くなる部分です。加力を続けるほど、くびれは細くなり、最後は破断します。
鋼材の引張試験と力学性状については、下記の記事も参考になります。
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ひずみ硬化が開始する点を、ひずみ硬化開始点といいます。一般的な鋼材(軟鋼)では、降伏棚から応力度が上昇し始める点が、ひずみ硬化開始点です。
ただし、応力ひずみ線図が「丸屋根型」のように、降伏が明確に表れない鋼材では、降伏直後(0.2%のひずみが生じた時点を、降伏点と考える)にひずみ硬化が起きます。降伏が明確にない鋼材として、高張力鋼があります。下記の記事が参考になります。
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混同しやすい用語
ひずみ硬化
降伏棚の後、さらにひずみが増えると応力度が再び上昇する現象。軟鋼の応力ひずみ線図で確認できる第3段階。
降伏棚に対して、ひずみ硬化は「降伏棚が終わった後に応力が上昇し始める段階」であり、降伏棚は「応力が一定のまま大きくひずむ段階」である点が異なる。
降伏棚(上降伏点後の平坦部)
上降伏点に達した後、応力度が低下して一定値(下降伏点)を保ちながらひずみだけが増加する区間。軟鋼に特有の現象。
ひずみ硬化に対して、降伏棚は「応力度が変わらずひずみだけ進む区間」であり、ひずみ硬化はその後に来る「応力度が再上昇する区間」である点が異なる。
ひずみ硬化を整理した表を示します。
| 項目 | 軟鋼 | 高張力鋼 |
|---|---|---|
| 降伏棚の有無 | あり | なし |
| ひずみ硬化開始点 | 降伏棚終了後 | 降伏直後 |
| 応力ひずみ線図の形 | 段階型(棚あり) | 丸屋根型 |
今回はひずみ硬化について説明しました。意味が理解頂けたと思います。ひずみ硬化は、応力度が低下し、ひずみが進んだ後、応力度が上昇する現象です。通常の鋼材では、降伏棚がみられた後、ひずみ硬化が起きます。ひずみ硬化の意味、高張力鋼との関係など理解しましょう。下記の記事も参考になります。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では、軟鋼の応力ひずみ線図の各段階(弾性域→降伏→降伏棚→ひずみ硬化→破断)の順序と特徴が出題されやすい。
高張力鋼には降伏棚がなく、ひずみ硬化が降伏直後から始まることを軟鋼と対比して覚えると試験対策に有効。