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BCR295は、冷間成形角形鋼管といいます。また、角型鋼管の材種にはSTKRがあります。STKRについては下記が参考になります。
STKR材の規格が丸わかり!一般構造用角形鋼管のサイズと断面性能
円形鋼管はSTKという材種を用います。下記の記事が参考になります。
STK400の規格が丸わかり!一般構造用炭素鋼鋼管のサイズと断面性能、STKN材との違い
現在、鉄骨ラーメン構造は柱をBCR295、梁をH形鋼にすることが一般的です。よってBCR295に関する知識は必須です。今回は、そんなBCR295の許容応力度、重量、基準強度などについて説明します。※H形鋼については下記が参考になります。
H形鋼とは?1分でわかる意味、規格、寸法、重量、断面係数、材質、用途
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まず、BCR295の種類と断面性能、重量一覧を示します。下記は、BCR295の、ほぼ全ての種類を網羅しています。一番左のプルタブで、角形鋼管の大きさを選びます。その右側のプルタブで鋼管厚を選んでください。「unfailed」が出た場合、その鋼管は無しです。
上記の2つを選択すると、右のテキストボックスに、その鋼管にあった断面性能、重量が出力されます。ぜひ、設計や勉学に役立ててください(なお、選択したのに右テキストボックスが空白になる場合は、別の欄を選択したあと選び直すとでてきます)。
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BCR295とは、冷間成形角形鋼管に使われる材質の1つです。※冷間成形角形鋼管については、下記の記事が参考になります。
現在、BCR295は柱材として主流です。既存のSTKR材に比べて強度が高く、塑性設計を意識した化学成分、機械的性質です(こちらは後述しました)。
BCR295は、同じ角形鋼管のSTKR材と比べて基準強度が大きいこと、塑性時の吸収エネルギーの観点から、材質が調整されています。具体的には、降伏比、シャルピー吸収エネルギーが規定されます。
また、角部の外側曲率半径を、
で計算します。rは曲率半径、tは鋼管厚です。同じ径、厚でも、BCR295の方が曲率半径の分、断面性能が低いです。
BCR295は、STKR材と比べて基準強度が高いです。
なので、400級鋼と比べて2割以上の強度です。より経済設計が可能となります。BCR295の基準強度を下表に示します。
材種 | 板厚(mm) | 降伏点又は耐力(N/m㎡) | 引張強さ(N/m㎡) | 降伏比(%) | 伸び | |
BCR295 | 6以上12未満 | 295以上 | 400以上 550以下 | - | 試験片 | 伸び(%) |
12以上16以下 | 295以上 | 90以下 | 5号 | 23以上 | ||
16超 22以下 | 445以下 | 27以上 |
長期許容応力度は、上記のF値を1.5で除した値。短期時は、長期時の1.5倍なのでF値をそのまま使います。
前述したように、BCR295は塑性設計を意識した化学成分、機械的性質です。そのため、降伏比、シャルピー吸収エネルギーが規定されています。※下記の記事が参考になります。
BCR295は溶接性に優れています。そのため、剛接合部分に使う部材です。溶接割れ感受性組成が規定されています。
材種 | C | Si | Mn | P | S | N |
BCR295 | 0.20以下 | 0.35以下 | 1.40以下 | 0.030以下 | 0.015以下 | 0.006以下 |
材種 | 炭素当量 % |
BCR295 | 0.36以下 |
材種 | 溶接割れ感受性組成 % |
BCR295 | 0.26以下 |
BCR295は、塑性設計を意識した材質です。塑性設計を、2次設計又は保有耐力設計といいます。これは、大地震時は地震エネルギーを効率的に吸収しよう、という考え方です。
その考えに基づいて規定された項目が降伏比です。降伏比については、下記が参考になります。
STKR材は、降伏比が規定されていません。降伏比の規定が無い鋼材は、降伏してからあまり変形せず最大強度に達し破断します。
一方、BCR295は降伏してから最大強度に達するまで「ぐ~」っと変形が伸びて、十分に変形した後、最大強度に達して破断します。どちらがエネルギーを吸収する材料か一目瞭然ですね。
シャルピー吸収エネルギーも、同様の設計方針に基づいた規定です。鋼材の靱性を数値化したものと考えてください。※靱性については、下記が参考になります。
今回は、BCR295について説明しました。BCR295の特徴、基準強度、許容応力度が分かって頂けたと思います。鉄骨ラーメン構造では、ほとんどの柱でBCR295を使います。よく理解しましょう。下記も参考になります。
STKR材の規格が丸わかり!一般構造用角形鋼管のサイズと断面性能
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