この記事の要点
降伏点とは材料が弾性から塑性に移行する応力度の値です。
SS400の降伏点は245 N/mm2(板厚16mm以下)で、許容応力度計算の基準値として使われます。
この記事では、降伏点とは何か、引張強さとどう違うのか、降伏点はどう求めるのかを整理します。
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降伏点とは、鋼材が降伏(塑性)したときの応力です。
降伏応力ともいいます。
今回は降伏点の意味、求め方、各鋼材の降伏点、降伏点の単位、降伏点と引張強さとの違いについて説明します。
今回の記事は、弾性と塑性の性質について勉強するとスムーズに理解できます。
※下記の記事が参考になります。
塑性とは?意味・弾性との違い・塑性化・靭性・延性をわかりやすく解説
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降伏点とは、鋼材が降伏(塑性)し始めるときの応力です。降伏応力ともいいます。下図をみてください(応力―ひずみ曲線といいます)。鋼材が降伏するとき、一度応力が落ちます。この時、鋼材は一時的に耐力が低下し変形だけが進みます。
弾性領域では、鋼材を引張っても特に変化はありません(微小な伸びは有り)。ところが降伏すると、鋼材が突然ぐにゅ~と伸びます。お餅やガムが伸びる瞬間をイメージしてください(但し金属なので、顕著に変形はしません)。
降伏点は「上降伏点」ともいいます。
降伏点に達した後、応力が低下します。
この応力を下降伏点といいます。
しばらくは低下した応力を保持し(降伏棚)、変形が進みながら降伏点を超える応力に達します。
最大の応力を引張強さといいます。
引張強さについては下記の記事が参考になります。
降伏点は、降伏応力を求めれば良いですね。降伏応力まではフックの法則が成り立ちます。引張力が作用する鋼材の応力は下式で算定します。
σは応力、Pは引張力、Aは断面積です。降伏時の引張力と、鋼材の断面積が分かれば降伏応力が計算できます。
また下式より、ひずみの値が分かれば、鋼材のヤング係数は一定なので応力が計算可能です。
ひずみは下記の記事が参考になります。
ひずみ・ひずみ度とは?意味・公式(ΔL/L)・単位・応力との関係を解説
降伏点の単位は、
が一般的です。いずれにしても、荷重を断面積で除した値ですね。※荷重については下記が参考になります。
荷重(かじゅう)とは?意味・読み方・種類(静荷重・動荷重)を解説
鋼材の降伏点一覧を下記に示します。
降伏点と引張強さの違いを下記に整理しました。
混同しやすい用語
引張強さ
引張強さ(引張強度)とは材料が破断する直前に耐えられる最大の引張応力度です。
引張強さが破断限界の最大応力度であるのに対して、降伏点は弾性から塑性に移行する始まりの応力度であり、降伏点を超えても即座に破断するわけではありません。
降伏点を整理した表を示します。
| 鋼材 | 降伏点(N/mm2) | 引張強さ(N/mm2) |
|---|---|---|
| SS400・SN400 | 245以上 | 400〜510 |
| SS490・SN490 | 325〜445 | 490〜610 |
| SR235 | 235以上 | 380以上 |
今回は降伏点について説明しました。
降伏点の意味が理解頂けたと思います。
降伏点は、許容応力度計算で重要な値です。
降伏点を超えないよう部材の応力度を設定するからです。
弾性と塑性の性質や、応力とひずみの関係、引張強さについても併せて理解したいですね。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では降伏点と引張強さの大小関係(降伏点<引張強さ)と、SS400の降伏点の数値(245 N/mm2)が問われます。(一級建築士 頻出:降伏点<引張強さの関係とSS400の降伏点245N/mm²が繰り返し出題)