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引張強さの求め方・単位・降伏点との違い【鋼材データ付き】

この記事の要点

引張強さとは鋼材の引張力に対する最大の強度(σmax)で、降伏点(材料が塑性変形し始める強度)よりも大きい値となる

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引張強さ


引張強さとは、鋼材の引張力に対する最大の強度です。似た用語で降伏強度がありますが、全く違う値なので注意してください。今回は、引張強さの意味、計算法、単位、降伏点との違い、読み方、記号について説明します。


降伏強度の意味、引張強度を測定する引張試験の意味は下記の記事が参考になります。

降伏点とは?1分でわかる意味、求め方、SS400の値、単位、引張強さ

引張試験とは?鋼材の降伏点・引張強度・伸びを確認する方法

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引張強さとは?

引張強さとは、鋼材の引張力に対する最大の強度です。下図をみてください。鋼材に引張力を加えます。引張力を増やし続けると、ある時点で応力が落ちます。このときの応力を「降伏点(降伏強度)」といいます。

鋼材の引張強さ

さらに荷重を加えると、強度が上昇し最大応力を迎えます。これが引張強さ(引張強度)です。


上図は、横軸にひずみ、縦軸に応力を示しています。鋼材の断面積をA、引張力をP、応力をσとすると下記の式が成り立ちます。

σを引張応力といいます。下記が参考になります。

応力とは?意味・種類・記号と求め方、応力度との違い


また、応力とひずみの関係は下記です。

σは引張応力、Eはヤング係数、εはひずみです。これをフックの法則といいます。ヤング係数とひずみの関係については下記参考になります。

ヤング係数(弾性係数)とは?求め方と公式、単位、材料ごとの値【図解】

ひずみ・ひずみ度とは?意味・公式(ΔL/L)・単位・応力との関係を解説


前述した、応力をひずみによる曲線を「応力―ひずみ曲線」といいます。詳細は下記をご覧ください。

応力ひずみ線図とは?ヤング率との関係・見方と材料別の特徴(鋼材・コンクリート・脆性材料)

引張強さの計算法

引張強さの計算法は下式です。

鋼材が負担できる最大の引張力Pに対して、鋼材の断面積を除してやれば良いです。では下記の条件で、実際に引張強さを計算します。


引張試験を行った鋼材の最大耐力が1000kNでした。鋼材の直径を50mmとします。引張強さを計算してください。

引張強さの単位

引張強さの単位は

で表します。

引張強さの単位|N/mm2・MPa換算と読み方・記号

引張強さの一覧

建築で使う鋼材の引張強さと降伏点を一覧にします。

規格名の数字が引張強さの下限値(保証される最低値)を意味します。

鋼材規格引張強さ(N/mm2)降伏点(N/mm2)
SS400400〜510245以上(t≦16mm)
SS490490〜610275以上(t≦16mm)
SN400A/B400〜510235〜355
SN490B/C490〜610325〜445
建築構造用550N550〜670440〜540
建築構造用590N590〜740460〜590
建築構造用780N780〜930685〜785

引張強さと降伏点の違い

引張強さと降伏点(降伏強度)の違いを下記に整理しました。

降伏とは、強度が一時低下することです。塑性ともいいます。下記の記事で詳しく書いています。

塑性とは?意味・弾性との違い・塑性化・靭性・延性をわかりやすく解説


許容応力度計算では、部材の降伏強度が大切です。引張強さで設計すると、万が一大きな荷重が作用したとき、危険性が増大するからです。


降伏強度の意味の詳細は、下記が参考になります。

降伏点とは?1分でわかる意味、求め方、SS400の値、単位、引張強さ

引張強さの読み方

引張強さは「ひっぱりづよさ」と読みます。引張強度は「ひっぱりきょうど」です。

引張強さの読み方は「ひっぱりづよさ」|引張強度との違い・記号σu・単位N/mm²

引張強さの記号

引張強さの記号は

が一般的です。

混同しやすい用語

降伏点(降伏強度)

材料が降伏(塑性変形)し始めるときの応力度で、引張強さとは発生するタイミングが異なる。

引張強さが最大応力を指すのに対して、降伏点はそれよりも小さい値で、構造設計ではこちらを基準強度(F値)として用いる。

ヤング率(弾性係数)

材料の剛性(かたさ)を表す指数で、単位はN/mm2と同じだが引張強さとは全く異なる物理量。

まとめ

今回は引張強さについて説明しました。引張強さの意味、降伏点との違いが理解頂けたと思います。引張強さと併せて、鋼材の応力ひずみ曲線を理解してください。降伏強度の意味、弾性、塑性(降伏)の現象も理解すると良いですね。

応力ひずみ線図とは?ヤング率との関係・見方と材料別の特徴(鋼材・コンクリート・脆性材料)

降伏点とは?1分でわかる意味、求め方、SS400の値、単位、引張強さ

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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