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機械式継手とは?鉄筋の継手方法・カプラーの仕組みとメリット・デメリット

この記事の要点

機械式継手は圧接・溶接によらず、カプラーやスリーブを使って鉄筋を接合する方法で、天候に左右されず特殊技能が不要な点がメリットだが、コストが高い

継手の品質はSA・A・B・C級で区分され、SA級が最高グレードである。

この記事では、機械式継手とは何か、カプラーの仕組みはどうなっているのか、メリット・デメリットはどのようなものかを整理します。

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機械式継手とは、圧接や溶接以外で鉄筋を継手する方法です。

機械的に(溶接や圧接しないこと)継手するので、機械式継手です。

今回は、機械式継手の意味、メリットとデメリット、カプラー、機械式継手の級について説明します。

※鉄筋の重ね継手については下記が参考になります。

鉄筋継手の種類とは?重ね継手の長さ・基準・機械式・圧接を解説


鉄骨の継手は下記が参考になります。

鉄骨の継手とは?高力ボルト・溶接による設計と保有耐力接合・SCSS-H97

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機械式継手とは?

機械式継手とは、鉄筋同士を機械的に接合した継手です。「機械的に」とは、溶接や圧接以外の方法です。例えば鉄骨の継手では、高力ボルト接合が機械的な接合方法です。※高力ボルト接合については下記が参考になります。

摩擦接合と支圧接合の違い


鉄筋でも、機械的に接合する方法があります。下記に機械式継手を整理しました。


鉄筋の機械式継手は、主に「カプラー」と「スリーブ」を使います。簡単に言うと、「筒」です。筒の中に鉄筋を挿入し、固定します。もちろん、ただの筒ではなくて、筒の中にネジを切ったり、筒の中にモルタルを注入して、相互の鉄筋を固定する仕組みです。

カプラーと鉄筋

カプラーとは、鋼管の内側にネジを切ったものです。スリーブは、内側を凸凹に加工した鋼管のことです。両者とも鉄筋を挿入するので、径は大きくありません。


ねじ節鉄筋継手は、ねじ節の鉄筋をカプラーの中に入れて固定する継手です。

ねじ節の鉄筋とは、鉄筋の表面をネジ加工したものです。

よって、ねじ節鉄筋を、ネジを締める要領でカプラーに挿入できます。

ネジがかみ合うことで鉄筋が固定されます。

さらに、グラウト材を注入して固定します。


モルタル充填継手は、スリーブに鉄筋を挿入し、モルタルを注入することで固定する継手です。※モルタルについては下記が参考になります。

モルタルとグラウトの違いとは?無収縮モルタル・まんじゅうとの関係


端部ねじ加工継手は、ねじ節鉄筋をカプラーに挿入し、両側をナットで締め付けて固定する継手です。


鋼管圧着継手とは、鉄筋をスリーブに入れた後、油圧ジャッキにより、スリーブと鉄筋を圧着する工法です。※圧着とは、圧力を加えて接合すること。油圧ジャッキとは、油の力を利用して、力を加える機器。

スリーブについては下記が参考になります。

スリーブってなに?梁のスリーブ位置や間隔、孔径、スリーブ補強

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機械式継手のメリットとデメリット

機械式継手のメリットとデメリットを下記に整理しました。

メリット

・工事が天候に左右されない

・特殊技能が不要


溶接や圧接継手は天候に左右されやすい継手です。雨や風の影響で作業が中止となります。一方、機械式継手は天候の影響がありません。


また特殊技能が不要です。圧接継手は圧接の資格者でないと作業できません。また、鉄筋径により資格の難易度が高くなります。つまり、施工が簡単です。

デメリット

・コストが高い


メリットが多い機械式継手ですが、コストが高いというデメリットがあります。よって、現在は部分的に機械式継手を使う程度です(ほとんどが重ね継手、圧接継手)。


メリットとデメリットを理解して、上手な使い分けが必要ですね。

機械式継手の「級」

機械式継手には、級があります。級により継手のグレードが決まっています。※機械式だけでなく、重ね継手、圧接、溶接でも級が決められています。


継手と級の関係を下記に整理しました。


上記より、SA級が最もグレードの高い継手、逆にC級継手はグレードが低いです。基本的に、SA級かA級継手を使います。

混同しやすい用語

重ね継手

鉄筋同士を一定長さ並べて配置し、コンクリートとの付着力で応力を伝達する継手方法。

機械式継手がカプラーやスリーブで鉄筋を直接固定するのに対して、重ね継手は機器を使わず鉄筋の重なりで応力を伝える。

圧接継手

鉄筋端部を加熱・加圧して溶着させる継手方法で、専用資格が必要。

機械式継手が天候や技能に左右されにくいのに対して、圧接継手は天候や作業者の技能による品質のばらつきが生じやすい。

試験での問われ方|管理人の一言

建築士試験では機械式継手の「級」が頻出です。

SA級は強度・剛性・靭性がほぼ母材並みで最高グレード、C級は強度・剛性ともに母材より劣る最低グレードと覚えておきましょう。

また、機械式継手は天候に左右されず特殊技能も不要というメリットも整理してください。(一級建築士 頻出:機械式継手のSA〜C級の区分(SA級が最高・C級が最低)が繰り返し出題)

機械式継手を整理した表を示します。

項目特徴備考
SA級強度・剛性・靭性が母材並み最高グレード
A・B級強度・剛性は確保、靭性に差あり中間グレード
C級強度・剛性が母材より劣る最低グレード

まとめ

今回は機械式継手について説明しました。

意味が理解頂けたと思います。

鉄筋を接合する方法は、重ね継手と圧接だけでは無いのです。

機械式継手は施工性がよく、天候に左右されにくい方法です。

メリットとデメリットを理解して使用しましょう。

下記も参考になります。

鉄筋継手の種類とは?重ね継手の長さ・基準・機械式・圧接を解説

鉄骨の継手とは?高力ボルト・溶接による設計と保有耐力接合・SCSS-H97

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理解度チェック

Q.

機械式継手とは?

圧接・溶接によらず、カプラーやスリーブを使って鉄筋を接合する方法です。天候に左右されず特殊技能が不要ですが、コストが高いです。

Q.

機械式継手の品質区分は?

SA・A・B・C級で区分され、SA級が最高グレードです。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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