この記事の要点
炭素量とは鋼材に含まれる炭素の割合のことで、炭素量が多いほど引張強度・降伏点が高まりますが、靭性・溶接性が低下します。炭素量2.14%超は鋳鉄となり、引張部材には使用できない点が建築士試験で問われます。
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炭素量とは、鋼材に含まれる炭素の量です。炭素は鋼を硬くし、引張強度を大きくします。一方で、伸び能力が低下し粘り強さが低下します。また溶接性が悪くなります。今回は炭素量の意味、硬さ、溶接性との関係、軟鋼と硬鋼との関係について説明します。
※軟鋼、鋼材の種類は下記が参考になります。
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炭素量とは、鋼材に含まれる炭素の量です。単位は%で表します。一般的に用いる鋼材には、炭素量が0.15~0.30%程度添加しています。※鋼材の種類は、下記の記事が参考になります。
炭素量は、鋼材の硬度(硬さ)や引張強度、弾性限度(降伏点)を高める効果があります。一方で、下記のデメリットがあります。※引張強度、降伏点は下記の記事が参考になります。
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・伸び能力の低下
・靭性の低下(粘り強さが低下する)
・溶接性が低下する
もちろん、伸び能力や靭性が低下し過ぎないよう調整します。※靭性の意味は下記の記事が参考になります。
鋼材には炭素だけでなく、色々な化学成分を添加します。※鋼材に添加する化学成分は、下記の記事が参考になります。
なお、鋼と鉄は炭素量が違います。鉄は炭素量が0.02%未満の金属、鋼は炭素量が0.02~2.14%以下の金属、鋳鉄は炭素量が2.14%を超える金属です。
鋳鉄は炭素量が多く入っているため、強度は高いですが脆い材料です。よって、引張力を受ける部材や、曲げモーメントを受ける部材に使えません。鋳鉄は、圧縮力を受ける部材に使えます。
鋼材は炭素量で分類できます。炭素量が多いほど鋼は硬くなるので、下記のように表します。
極軟鋼 炭素量が0.12%以下
軟鋼 炭素量が0.12~0.30%
硬鋼 炭素量0.30~0.50%
※軟鋼、硬鋼の意味は下記が参考になります。
軟鋼とは?1分でわかる意味、硬鋼との違い、読み方、引張強さ、ヤング率
混同しやすい用語
鋳鉄
鋳鉄とは炭素量が2.14%を超える鉄合金で、硬くて脆い性質を持ちます。
鋼材(炭素量2.14%以下)と炭素量の多さで混同されやすいですが、鋳鉄は脆性が高く引張部材には使用できません。建築構造では引張力が生じる部材に鋳鉄は使いません。
炭素量と鋼の種類の関係を整理した表を示します。
| 種類 | 炭素量 | 特性 |
|---|---|---|
| 極軟鋼 | 0.12%以下 | 柔らかく加工しやすい |
| 軟鋼 | 0.12~0.30% | 建築用鋼材として多用 |
| 硬鋼 | 0.30~0.50% | 高強度だが靭性低下 |
今回は炭素量について説明しました。意味が理解頂けたと思います。炭素量は、鋼材に含まれる炭素の量です。炭素量を多くすると、引張強度や降伏点を高められます。一方で、炭素量を増やし過ぎると伸び能力の低下、靭性が低下するので注意が必要です。鋼材に含まれる化学成分の種類、靭性などの意味も、併せて理解しましょう。下記の記事が参考になります。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では、炭素量と強度・靭性・溶接性の関係が問われます。炭素量が増えると引張強度・降伏点は上がりますが、伸び能力(靭性)・溶接性は低下することを数値とともに覚えましょう。