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  1. HOME > 鋼構造の基礎 > 炭素量とは?1分でわかる意味、硬さ、溶接性、軟鋼と硬鋼との関係

炭素量とは?意味・硬さ・溶接性への影響と軟鋼・硬鋼の違い

この記事の要点

鋼材の炭素量(炭素含有率)は鋼の性質を決める最も重要な要素の一つです。

炭素量が増えると硬さ・引張強度が上がりますが、同時に伸び・靭性(粘り強さ)・溶接性が低下します。

建築構造用鋼材は溶接施工性を確保するため低炭素鋼(炭素量0.2%以下)が主流です。

SS400・SN490等の鋼材規格には炭素量の上限が規定されています。

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炭素量とは、鋼材に含まれる炭素の量です。炭素は鋼を硬くし、引張強度を大きくします。一方で、伸び能力が低下し粘り強さが低下します。また溶接性が悪くなります。今回は炭素量の意味、硬さ、溶接性との関係、軟鋼と硬鋼との関係について説明します。


※軟鋼、鋼材の種類は下記が参考になります。

軟鋼(なんこう)とは?硬鋼との違い・炭素量・引張強さ490N/mm2未満の鋼材

鋼材の種類は?種類一覧・用途と材質の特徴・記号(SS・SN・SM材の違い)

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炭素量とは?

炭素量とは、鋼材に含まれる炭素の量です。単位は%で表します。一般的に用いる鋼材には、炭素量が0.15~0.30%程度添加しています。※鋼材の種類は、下記の記事が参考になります。

鋼材の種類は?種類一覧・用途と材質の特徴・記号(SS・SN・SM材の違い)


炭素量は、鋼材の硬度(硬さ)や引張強度、弾性限度(降伏点)を高める効果があります。一方で、下記のデメリットがあります。※引張強度、降伏点は下記の記事が参考になります。

引張強さの求め方・単位・降伏点との違い【鋼材データ付き】

降伏点とは?1分でわかる意味、求め方、SS400の値、単位、引張強さ


・伸び能力の低下

・靭性の低下(粘り強さが低下する)

・溶接性が低下する


もちろん、伸び能力や靭性が低下し過ぎないよう調整します。※靭性の意味は下記の記事が参考になります。

靱性(じんせい)とは?意味・靭性のある材料と建物の耐震性・脆性との違い

鋼材には炭素だけでなく、色々な化学成分を添加します。※鋼材に添加する化学成分は、下記の記事が参考になります。

鋼の化学成分一覧|SN400・SN490の添加元素と機械的特性への影響


なお、鋼と鉄は炭素量が違います。鉄は炭素量が0.02%未満の金属、鋼は炭素量が0.02~2.14%以下の金属、鋳鉄は炭素量が2.14%を超える金属です。


鋳鉄は炭素量が多く入っているため、強度は高いですが脆い材料です。よって、引張力を受ける部材や、曲げモーメントを受ける部材に使えません。鋳鉄は、圧縮力を受ける部材に使えます。

炭素量と軟鋼、硬高の関係

鋼材は炭素量で分類できます。炭素量が多いほど鋼は硬くなるので、下記のように表します。


極軟鋼 炭素量が0.12%以下

軟鋼 炭素量が0.12~0.30%

硬鋼 炭素量0.30~0.50%


※軟鋼、硬鋼の意味は下記が参考になります。

軟鋼(なんこう)とは?硬鋼との違い・炭素量・引張強さ490N/mm2未満の鋼材

混同しやすい用語

鋳鉄

鋳鉄とは炭素量が2.14%を超える鉄合金で、硬くて脆い性質を持ちます。

鋼材(炭素量2.14%以下)と炭素量の多さで混同されやすいですが、鋳鉄は脆性が高く引張部材には使用できません。

建築構造では引張力が生じる部材に鋳鉄は使いません。

試験での問われ方|管理人の一言

建築士試験では、炭素量と強度・靭性・溶接性の関係が問われます。

炭素量が増えると引張強度・降伏点は上がりますが、伸び能力(靭性)・溶接性は低下することを数値とともに覚えましょう。(一級建築士 頻出:炭素量と強度・靭性・溶接性の関係(炭素↑→強度↑・靭性↓・溶接性↓)が繰り返し出題)

炭素量と鋼の種類の関係を整理した表を示します。

種類炭素量特性
極軟鋼0.12%以下柔らかく加工しやすい
軟鋼0.12~0.30%建築用鋼材として多用
硬鋼0.30~0.50%高強度だが靭性低下

まとめ

今回は炭素量について説明しました。

意味が理解頂けたと思います。

炭素量は、鋼材に含まれる炭素の量です。

炭素量を多くすると、引張強度や降伏点を高められます。

一方で、炭素量を増やし過ぎると伸び能力の低下、靭性が低下するので注意が必要です。

鋼材に含まれる化学成分の種類、靭性などの意味も、併せて理解しましょう。

下記の記事が参考になります。

鋼の化学成分一覧|SN400・SN490の添加元素と機械的特性への影響

靱性(じんせい)とは?意味・靭性のある材料と建物の耐震性・脆性との違い

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理解度チェック

Q.

炭素量が増えると鋼材の性質はどう変わりますか?

答えを見る

炭素量(鋼材に含まれる炭素の量・%)が増えると、硬度・引張強度・降伏点が高まる一方で、伸び能力の低下・靭性(粘り強さ)の低下・溶接性の低下を招きます。建築構造用鋼材は溶接施工性を確保するため、一般に炭素量0.15〜0.30%程度の低炭素鋼が主流です。

Q.

炭素量による鋼の分類と、鉄・鋼・鋳鉄の違いは?

答えを見る

炭素量で極軟鋼(0.12%以下)・軟鋼(0.12〜0.30%)・硬鋼(0.30〜0.50%)に分類されます。また鉄は炭素量0.02%未満、鋼は0.02〜2.14%、鋳鉄は2.14%超の金属で、鋳鉄は炭素量が多く強度は高いが脆いため、引張力や曲げを受ける部材には使えず圧縮力を受ける部材に使います。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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