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裏当て金は、完全溶け込み溶接に必要なプレートです。では、裏当て金はどのような目的で取り付けるのでしょうか。また、裏当て金プレートの材質は、何を用いるべきでしょうか。今回は裏当て金の目的、材質、裏当て金と溶接の関係、裏はつりについて説明します。
溶接の意味は、下記が参考になります。
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裏当て金は、完全溶け込み溶接を行う裏面に取り付ける仮設プレート又は、固形材です。下図をみてください。これが裏当て金です。
裏当て金は、完全溶け込み溶接が、適切に且つ溶接不良が無いようつくられたものです。よって仮設材のプレートで、構造材として考えません。
裏当て金を付けることで3つのメリットがあります。これがそのまま、裏当て金を付ける目的となります。
1番大きな理由は、裏当て金を付ければ片面しか溶接しなくて良いことです。下図をみてください。
もし裏当て金が無ければ、両面を溶接する必要があります。裏当て金があるおかげで、片面だけで適切な溶接が可能です。ちなみに、前述した両面を溶接する方法は、「裏はつり」を行います。
裏はつりは、裏面の溶接部をはつる訳ですが、当然手間も多く現在はほとんど採用されません。
2つめのメリットは、前述した理由により施工性と経済性に優れていることです。裏当て金を付ければ、片面しか溶接しなくて良いわけですから。コストや施工性が半分になります。
3つめは、溶接不良が起きにくいことです。以上のように、裏当て金は完全溶け込み溶接を行う上で必要不可欠です。
では、裏当て金はどのように溶接するのでしょうか。下図をみてください。裏当て金は、梁フランジとダイアフラムあるいは柱管壁に溶接します。
これを直交方向からみると下図になります。裏当て金は、仮設材なので梁や柱の断面に全面に渡って溶接しません。上下に40~60mm程度の長さで溶接します。
また裏当て金の溶接始端は、母材面から5mm超離した位置とします。
完全溶け込み溶接では、裏当て金を用いる方法が一般的です。最も多く裏当て金が必要な箇所が仕口部です。下図のように、片側に梁が付いた仕口部でも8カ所以上の裏当て金を必要とします。
裏当て金の材質は、
が原則です。仕口部でダイアフラムがSN490C、梁フランジがSN400Bとします。このとき裏当て金は、より材料強度の大きい490級鋼にします。
また、内ダイアフラム形式の場合、裏当て金は柱管壁と梁フランジに取り付きます。2つの材質を比較して、より高い材質に合わせます。柱がBCR295、梁がSN400Bであれば、BCR295の材料強度以上の鋼材を裏当て金に使います。よって、490級鋼を用いればOKです。
鉄骨造の施工図チェックで見逃したくない項目ですね。但し、母材が490級鋼以上の場合そのような高張力鋼が市場に出回っていません。この場合、490級鋼にします。490級鋼であれば、特に問題ないことがJASS6に明記されています。
裏当て金の材質は、下記が参考になります。
SN490Cとは?1分でわかる規格、厚さ、重量、特徴、SN490Bとの違い
裏当て金のサイズは、溶接によって裏当て金が溶けない厚みにします。あまりに薄い厚みだと、溶接により裏当て金が溶けます。
にすれば、一般的に問題ないですが、鉄骨業者の判断に任せましょう。
今回は裏当て金について説明しました。完全溶け込み溶接には、裏当て金が必要不可欠と分かって頂けたと思います。特に仕口部は溶接が交錯する部分ですので、施工性を良くするために裏当て金が必須です。併せて、エンドタブや完全溶け込み溶接について理解すると良いでしょう。下記の記事が参考になります。
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