この記事の要点
ALC床は、ALC材を用いた床です。
一般的な鉄筋コンクリート床に比べて軽く施工性が良いことから、簡易な建物に利用されます。
この記事では、ALC床とは何か、荷重・欠点はどうなっているのか、RCスラブとどう違うのかを整理します。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
ALC床は、ALC材を用いた床です。
一般的な鉄筋コンクリート床に比べて軽く施工性が良いことから、簡易な建物に利用されます。
一方で遮音性や防水性に注意すべき材料です。
今回はALC床の意味、欠点、荷重、厚さ、許容スパンについて説明します。
※ALC材については、下記が参考になります。
ALCの重量は?1分でわかる意味、平米重量、厚みによる違い、デザインパネルの重量
ALCの厚みは?1分でわかる板厚、規格、屋根と外壁の厚み、重さ
ALC外壁とは?1分でわかる構造、欠点、メーカー、各材料との違い
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
ALC床は、ALC材を用いた床のことです。
一般的な建物(マンション、事務所ビル、学校など)は鉄筋コンクリート床が普通です。
しかし、住宅並みの軽微な建物などはALC床を使うケースもあります。
※鉄筋コンクリート造については、下記が参考になります。
rcとは?1分でわかる意味、何の略、rc構造、コンクリートとの関係
ALC材は、「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略です。
簡単にいうと、中に気泡を沢山入れたコンクリートです。
鉄筋コンクリートに比べ重量は1/3程度です。
人や積載荷重に耐えられるよう、補強筋があらかじめ配置されています。
私が構造設計を担当した建物の中にも、床をALCでつくったことがありました。構造的に、ALC床は下記のメリットがあります。
・荷重が軽いので構造部材を省力化できる
一方で下記のデメリット(構造的な欠点)があります。
・力の伝達が不可のため、水平ブレースが必要
ALC床は、RC床に比べて7割強の重量削減が可能です。荷重が小さいので、地震力や長期荷重が大幅に低減されます。
ただALC床は600mm幅のパネルを敷きつめるので、ALC床自体で地震力の伝達ができません。
水平ブレースの追加が必要です。
また建築的にもいくつかのデメリットが挙げられます。
こちらは後述しました。
※水平ブレースについては、下記が参考になります。
ALC床は比較的軽い材料です。ALC材メーカーによると下記の重量が一般的です。
・600~700(650程度)N/m㎡
ただ、構造計算の実務では
・1000 N/m㎡
とします。ALC床を納めるとき、取り付け金具があるためです。1000としておけば十分な荷重でしょう。
もちろんメーカーから正確な重量を確認できれば、その値を用いて問題ありません。
ALC床には厚さがいくつか設定されています。概ね下記の通りです(メーカー毎に若干の違いあり)。
・75mm
・100mm
・125mm
・150mm
・175mm
厚みを大きくすることで、ALC材の許容スパンを長くできます。各メーカーで許容スパン表をダウンロードできるので確認してみましょう。概算的には、
支持スパン=20t
です。tはALC床の厚みです。つまりt=100の場合、支持スパン=2000です。この許容スパンも各メーカーで違いがあります。ALCメーカーは主に3社、クリオン、旭化成、シポレックスです。
ALC床の欠点を下記に整理しました。
・水平力の伝達ができない
・防水性が悪い
・遮音性が悪い
ALC床は前述したように、600mmのパネルで構成されます。床の長さは600より大きいので、600mmのALC床を何枚も敷き詰めます。当然、一体化された床ではないので防水処理(シーリングなど)しないと水が漏ります。
シーリングは防水処理として一般的ですが、パネル毎に継ぎ目がある状態には変わりません。鉄筋コンクリートより防水性は劣ります。
また遮音性も悪いです。理由は密度です。ALC材は軽量化するため、中に気泡が沢山入っています。空気は簡単に音を通すので、遮音性が悪くなるのです。
ALC床に開口を空ける場合、600⇒1200⇒1800というように、パネルの割り付けに応じた大きさとします。例えば300×600という開口寸法にしたくても、ALC自体を切り欠くことになります(割り付けがうまくいかない)。
ALC床に開口を設けた場合、開口補強材や開口に沿って構造部材を入れます。※開口補強材については、下記が参考になります。
開口補強材とは?意味・RC造とS造での補強方法とスリーブ補強の設計ポイント
混同しやすい用語
ALC床と鉄筋コンクリート(RC)スラブ
ALC床はRCスラブより軽量で施工性に優れますが、耐水性・遮音性はRCスラブに劣ります。
荷重値も異なります。
質量(kg)と重量(N・kN)
質量はどこでも一定ですが、重量は重力加速度により変化する力です。
荷重設定ではN/m2やkN/m2の単位が使われます。
1kgfとニュートン(N)
1kgf≒9.8Nの関係で、荷重をkgf/m2からN/m2に換算するには9.8を掛けます。
SI単位系とkgf系を混同しないよう注意が必要です。
ALC床を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| メリット | 軽量・施工性良好 | RC床比で軽量 |
| デメリット | 遮音性・防水性に劣る | 適切な仕上げが必要 |
| 荷重(構造計算用) | 1000N/m2程度 | 金具等を含む割増値 |
今回はALC床について説明しました。
ALC床の意味、欠点、荷重など理解頂けたと思います。
構造的にALC床を使うメリットは大きいのですが、建築的にデメリットがあります。
それらを理解した上で、ALC床の提案をしたいですね。
下記もあわせて学習しましょう。
ALCの重量は?1分でわかる意味、平米重量、厚みによる違い、デザインパネルの重量
ALCの厚みは?1分でわかる板厚、規格、屋根と外壁の厚み、重さ
ALC外壁とは?1分でわかる構造、欠点、メーカー、各材料との違い
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
この記事の内容を○×クイズで確認する
この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。
意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。
